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33 後始末
しおりを挟むガノル国襲撃の裏で起こっていた盗賊団シマ争い。
それに巻き込まれた馬車に乗っていたのは、なんとシルヴァード陛下とソフィーナだった。
トワイライトのボスイサムは陛下を殺害して拘束されていたソフィーナを救出。
ソフィーナに外傷はないようだったが、精神的に負担が大きかったらしく今は高熱で魘されている。
「イサム。貴方、シルヴァード陛下だとわかってて殺しましたわね?」
「…」
私の執務室のソファーに座るイサムは鬼の面を被った盗賊団スタイルだ。
その後ろにはクリス、ルビ、ヒスイが立って控えている。
「悪いヤツだったら殺す。それが俺達のルールだ」
「個人活動している時はそれでもいいですわ。だけれどあの時はアルフレッドの指揮の下で動いていたはず」
「…」
「シルヴァード陛下はアルフレッドの父親です。自分の手で父親を殺したと後悔させるとは思わなかったのですか」
イサム達の信条を曲げさせるような理不尽だという自覚はある。
だが、言わずにはいられなかった。
「自分の手で殺す羽目になるよりはマシじゃん」
不満げな声を上げたのは後ろのクリスだった。
「あのまま領に入り込んで?そうしたらどうなってた。あのお嬢ちゃんを盾にどんな要求をされていたか。あの甘々な夫殿は無傷で対処できたと思うかい?」
「そうよ、悪いヤツに情をかけて生かしてやっても、どうせ碌なことにはならないのよ」
ルビも同調するがヒスイは黙ったままだ。
まぁ元々無口なタイプだから同意見でも黙っているだけかもしれないが。
だがボスであるイサムは「おめーらは黙っとけ」と一喝した。
「確かに失態だったと認めてもいいぜ。で、償いは何だ?この地からの追放か?」
「そんなことは言いませんわ。貴方達はもうこのアベル領に必要な存在なのだから」
開き直ったイサムが意外そうな顔で「へぇ」と目を瞬かせるが、当然だ。
イサムがいなくなったら教会の魔素ろ過機の警備も畑や牧場の管理も困ってしまうのだから。
「私が求めることはただ一つだけ」
ビシッと人差し指を一本目の前に突き立てて脅すように睨みつける。
「黙っていなさい」
「…は?」
「駆けつけた時には既に陛下は殺されていた。いいですね?」
理解が追い付かないのか眉間を寄せ、イサムは首を捻った。
「嘘をつけと?」
「そうですわ」
「自分の父親の最期、嘘教えられんの?それ夫殿的にキツくないか。仇、俺なのに?」
苦しいのはきっと、隠された方ではなく隠す方だ。
それをわかった上で私は判断する。
「それは全部、私が呑み込みます」
分身がやったことは私がやったことも同然。
アルフレッドの父親を殺した仇は私で、それを隠したのも私。
それでもいい。アルフレッドが傷つかないのならば。
「…姫様」
掠れるような声で呼ばれ「なに?」と返す。
イサムから暫く返事は無かったが、長く続いた沈黙の後に「ごめん」と謝罪の言葉が出た。
「ソフィの姿がエメラと重なったのでしょう?そんなの私にだってわかります」
ハニートラップを専門とする娼婦のエメラ。彼女はトワイライトの一員だった。
彼女は分不相応な事件に首を突っ込んで巻き込まれてしまい、連れ去られて殺害された。
その相手は仕返しするほどの悪ではなかった。
だから報復はしていない。
呑み込んだ哀しみは浄化されることなく、いつまでもいつまでも心の奥で燻り続ける。
「ソフィが無事だったのは迅速に保護して貰えたお陰。だから感謝もしているの」
「…」
「私の友人を助けてくれて有難う」
イサムは黙って立ち上がり、執務室から出ていった。
クリスとルビ、ヒスイも軽く会釈してその後を追いかけ出ていく。
きっとエメラの件に触れられたくなかったのだろう。
イサムは哀しいなどの感情は隠すタイプだから、怒ったというよりは逃げ出したようだ。
殺されたら哀しいという気持ちがわかるのに、何故殺すのだろう…。
私はどんな理由があろうと人を殺すのは間違っていると思っている。
悪人なんて人はいないし、善人なんて人もいない。
人は悪いことをする時もあれば善いことをする時もあるのだから。
だけど、それは私の中の正義であって他人に押し付けるものではない。
彼らは彼らでこれからもトワイライトの正義を貫いていくのだろう。
はぁとため息をついて執務室を出る。
邸の前庭には回収された陛下や盗賊団の遺体がまとめられており、王都に送る準備が淡々と行われている。
その遺体の中に、まだ成長し切っていない少女が紛れていた。
「ガノルの姫巫女」
魔物を全て駆逐した後、その屍の中にあったこの遺体。
頭に搔きむしったような爪の痕があり、口からは泡を吹いて絶命していたのだという。
「姫巫女は魔物と心を通わせる能力を持つ。それ故にガノルでは人間と魔物が仲良く暮らしているのだという。だがそれを悪用すればこうだ。彼女は次々と絶命する魔物の声と痛みにまで共鳴し、発狂したのであろう」
可哀想にのうと賢者がその髪をそっと撫でる。
「まだ幼いのに」
「幼さ故の愚かさであろう」
二十年前の姫巫女もこのように発狂死し、ガノルは魔物を使っての襲撃を諦めた。
以来、オルタ国と関わることなく平穏に暮らしていたのに、先日この国の王太子からある提案をされたのだという。
今のアベル領は無防備で容易く落ちるだろう、と。
かつての英雄は既に亡くなり、領地は廃墟同然。厄介なのは二十年前に築いた城壁だけ。
空から攻めれば戦闘などする必要もないくらい簡単にアベル領を手に入れることが出来るだろう。
王都騎士団はベリアに戦いを仕掛けるから、アベル領に応援が向かうことはない。
その隙にやれ、と。
姫巫女一族の長老は耳を貸さなかったが、幼い少女は唆されてしまった。
それは悲劇だと言ってもいい。
やるせなさを感じつつ、私はその遺体から目を上げた。
「ベリアの被害は…どれくらいかしら」
「ちょうどニノがベリアに滞在していて警告は間に合ったはず。ベリア騎士団だけでは負けていたかもしれぬが冒険者ギルドとベリア組が参戦したからのう」
ベリア組。つまりベリアに滞在している私の分身達だ。
「ベリア組、戦闘できる者が居ましたの?」
「参戦したのはジャーナリスト『ティータイム』とサーカス団『ワタリドリ』かのう。心配せずともアベル領ほど暴れておらぬ。猛獣が走り回ったくらいで」
「…」
猛獣がベリアの街を走り回った…?
いや、今は受け止められない。聞かなかったことにしよう。
「ティータイムのトコが一部始終を録画に収めたと言っていたから、そのうち報告に来るであろう」
「録画?ヨツイのあの実況とかいうものをベリアでもやっていたんですの?」
「それはやるだろう、ジャーナリストならば」
あやつの方が本業だと言われ、それもそうだと頭を抱える。
「ソフィーナ嬢を無事に保護したことも伝えてある。今は後始末が大変で情報が錯綜するかもしれぬが、大丈夫だ」
大丈夫だ、乗り切った。
この戦闘が大一番だったことは明らかだ。
アベルもベリアも勝利した。だから…大丈夫。
これでベリアはオルタ国から独立出来るし、アベル領もガノル国からの脅威に怯える必要は無くなった。
「アルフレッドは」
何処かしらとふらり立ち上がる。
「執務室ではないかのう」
「そうよね」
アルフレッドに会わなければならない気がした。
執務室のドアをノックすると、アルフレッドが自らドアを開いて迎えてくれる。
「ユーリ嬢」
疲れ果てた顔だ。
朝に見た時よりも目の下の隈が濃くなっている。
「僕は…、父上を苦しめたかったわけじゃない」
「ええ」
「こんな風に殺したかったわけじゃないんだ」
「わかってるわ、アルフレッド」
「僕がいなくても大丈夫って言ったから…!」
縋るようにアルフレッドに抱きしめられる。
私もその背に手を伸ばし、トントンと叩いた。
アルフレッドは長い間シルヴァード陛下の傀儡だった。
陛下が全てだった。
愛して欲しい、認めて欲しい、褒めて欲しい。
その為には感情すらも殺して生きてきた。
そこから抜け出したのは自分の意志で。
訣別したことに後悔はなかったとしても。
陛下を大切にしていた気持ちもまた嘘ではなくて。
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「私もよ」
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「私も愛してるわ、アルフレッド」
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