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10 ベリア公爵襲来
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ルーファス・ベリア。
この国唯一の公爵であり、実質この国を牛耳っている宰相。
そんなラスボスが、アベル領に来て二日目に襲来するなんてことある???
「ようこそいらっしゃいました」
私は精一杯の営業スマイルを顔に貼り付け、在学中に身体に叩き込んだ美しいカーテシーを披露する。
「先触れもなくいらっしゃいましたので驚きましたわ。今、主人は出掛けておりますの。応接室にご案内致しますので少々お待ちくださいませ」
大歓迎というわけではない。
しっかりと嫌味を混ぜ込んだ挨拶で牽制する。
「…いや、私は息子に会いに来たのだ」
「まあそう仰らずに。折角いらしたのですから主人にもお会いくださいませ。クリストさんも丁度主人に同行しているところですので」
屈強そうな護衛を一人引き連れたルーファスは私のクリスト『さん』呼びにピクッと眉を動かすが、抗議はない。
それよりも予想外に邸が整っていることに驚いている様子だ。
「此処は廃墟になって久しいと聞いたのだが」
「あら、よくご存じですこと。わたくしも昨日到着したばかりで片付けが済んでおらず、お見苦しくて申し訳ありません」
「魔物の襲撃で滅びたということだったが」
「怖いですわよね。わたくしの私兵が警備に当たっておりますのでご安心を」
狸合戦だ。
背後に護衛を控えさせて座るルーファスに対し、私もイチカを後ろに立たせて向かいのソファーに座る。
お互い笑顔で腹を探り合う中、ヨツイがお茶を運んできてくれた。
「失礼致します」
シンプルながらも洗練された装飾のティーカップに「シークエンド産のアールグレイでございます」と紅茶を注ぐ。
「…これは?」
「王都の大人気喫茶店『キャット』の焼き菓子ですわ。限定販売品ですのよ」
よろしければどうぞ、と茶請けの菓子を勧める。
ルーファスは困惑気味に部屋を見渡した。
ニノが間に合って良かった、とほくそ笑む。
ほんの一時間程度しかなかったが、ベリア公爵がこちらへ向かっているという情報を事前に教えてくれて、それを迎え撃つ必要最低限の物は用意してくれた。
カーテン、壁紙、絨毯、ソファー、テーブル、ティーセット。
紅茶にスイーツ、魔道具に魔石、ドレスにアクセサリー、衛兵を着飾る鎧と剣、使用人達の服。
最強の戦闘装備だ。
「君は男爵令嬢だったと聞いたのだが、私兵とは?」
「お恥ずかしながらわたくし、資産と人脈だけはございますので」
「そんな話は初耳だな」
「このダイヤモンド」
ハッタリだと断じるルーファスに切り込むように鋭く、胸元のダイヤモンドを見せつける。
「公爵様の領のダイヤモンド鉱山で三年前に採掘されたピンクダイヤモンドですわよね。わたくしコレがお気に入りで」
「それは…オークションで一億の値がついた」
「落札されたのはモーリス伯爵様の商会でしたけれど、おねだりして譲っていただきましたの。モーリス様にはいつも懇意にしていただいて」
オホホホと笑ってみせると護衛として傍に控えているイチカが僅かに震えているのに気づく。
その隣の侍女服のトニ婆も、メイドとして控えているヨツイも視線が空を泳いでいる。
直前にニノに仕込まれた嘘八百。商会のモノを借りているだけ。
ダイヤモンドなんて全然興味ない私が、私なりに精一杯演じているのだ。
笑わないでほしい!
「なるほど。君がただの男爵令嬢ではなかったのだということは理解した」
半信半疑ながらも呑み込んだルーファスは足を組み「しかし」と言葉を続ける。
「だからといってクリストを此処に置いておくわけにはいかん。返してもらおうか」
「返せだなんて。クリストさんが自分の意志で来たのではないですか。実家と絶縁してまでわたくしの夫を慕って」
「あの子は私の跡を継いで公爵になる子なのだ。こんな不毛の地で腐っていいわけがない」
「不毛の地」
フッと笑いが漏れそうになり、扇子を広げて口元を隠す。
「お言葉ですが、何を以て此処が不毛の地だと?」
「私が知らないとでも思っているのか。この地には聖王石の護りがないだろう?魔物が発生するはずだ!」
「ロク!入っていらっしゃい」
私がドアに向かって声を張り上げると「はーい」という間延びした返事があり、緑髪の奇妙な恰好をした青年が応接室に入ってきた。
「ウチのお抱え魔導士ロクですわ」
「お抱え魔導士だと?」
サッとルーファスの顔色が変わる。
魔道具を作り出す魔導士は貴重な存在で、その殆どが魔導士の塔という研究施設に属している。
今や魔道具は生活になくてはならない必需品であり、それを作り出す魔導士が持つ権力は計り知れない。
そんな魔導士が誰かに仕えるなんて話は聞いたことがない。
王家にすらあり得ないのだ。
「姫様、秘密なのにバラしちゃっていいのー?」
「公爵様は随分と我が領を見下していらっしゃるようですから、わからせてやってくださいまし」
「りょーかい」
ロクは懐から小汚い革の袋を取り出し、その中に手を突っ込む。
その中をゴソゴソと弄りながら「んー」と首を傾げ、何かを掴んだのかその手を引き抜いた。
そこから出てきたのは、その袋には到底入らない大きさの魔道具だった。
「なっ…、は…?」
見た目以上に多くのモノを収納出来る魔道具『収納袋』だ。
商人であるニノは愛用しているが一般には流通していない貴重な品。
言葉を失う公爵に対し、何に驚いているのかわかっていないロクは「まだ発動してないよー」と口を尖らせる。
ラッパの形が特徴的なその大きな魔道具をテーブルに置き、魔石を装着する。
ロクが「スイッチオン!」と稼働するとゴォッと音を立てて風を吸い込み始めた。
「ごめぇーん、ちょっとうるさいよねー。まだ改良の余地はあるんだけど急ぎだったからさー」
片手で耳を塞ぎながら逆の手で魔道具を止め、テヘと悪戯気に舌を出す。
「空気清浄機を改良して作りましたぁ!大気中の空気をろ過して魔素を集める、題して『魔素ろ過機』ぃー」
「…。なんだと?」
端的な説明に理解が追い付かないルーファスは訊き返す。
ロクは馬鹿にするような口調で「だからぁ、魔素を集めますー」と繰り返した。
「聖素を出せないなら魔素を取り除けばいい。わたくしが考案し、そういう魔道具を作らせました」
「そんなことができるわけないだろうっ!?」
本当にその通りだ。
私が考案したのはほんの三時間ほど前で、まさか仕上げて持ってくるなんて。
実際のところ、私だってかなり驚いている。
「不可能を可能にする魔導士ロク、よろしくねぇー。ちなみに集めた魔素は魔石になりまーす」
「あらあら魔大陸に行かなくても魔石が手に入るだなんて、新たな事業が始められますわ。公爵様の鉱山とどちらが儲かりますかしら?」
笑いが止まりませんわと煽り散らかしていると、ルーファスが悔しそうな顔で「ぐぅっ」と唸る。
まずは一勝、と勝敗が決まったところでノック音が響いた。
「待たせてすまない、ベリア公爵」
現れたのは王太子だった頃のような豪華な服に身を包んだアルフレッドだった。
この国唯一の公爵であり、実質この国を牛耳っている宰相。
そんなラスボスが、アベル領に来て二日目に襲来するなんてことある???
「ようこそいらっしゃいました」
私は精一杯の営業スマイルを顔に貼り付け、在学中に身体に叩き込んだ美しいカーテシーを披露する。
「先触れもなくいらっしゃいましたので驚きましたわ。今、主人は出掛けておりますの。応接室にご案内致しますので少々お待ちくださいませ」
大歓迎というわけではない。
しっかりと嫌味を混ぜ込んだ挨拶で牽制する。
「…いや、私は息子に会いに来たのだ」
「まあそう仰らずに。折角いらしたのですから主人にもお会いくださいませ。クリストさんも丁度主人に同行しているところですので」
屈強そうな護衛を一人引き連れたルーファスは私のクリスト『さん』呼びにピクッと眉を動かすが、抗議はない。
それよりも予想外に邸が整っていることに驚いている様子だ。
「此処は廃墟になって久しいと聞いたのだが」
「あら、よくご存じですこと。わたくしも昨日到着したばかりで片付けが済んでおらず、お見苦しくて申し訳ありません」
「魔物の襲撃で滅びたということだったが」
「怖いですわよね。わたくしの私兵が警備に当たっておりますのでご安心を」
狸合戦だ。
背後に護衛を控えさせて座るルーファスに対し、私もイチカを後ろに立たせて向かいのソファーに座る。
お互い笑顔で腹を探り合う中、ヨツイがお茶を運んできてくれた。
「失礼致します」
シンプルながらも洗練された装飾のティーカップに「シークエンド産のアールグレイでございます」と紅茶を注ぐ。
「…これは?」
「王都の大人気喫茶店『キャット』の焼き菓子ですわ。限定販売品ですのよ」
よろしければどうぞ、と茶請けの菓子を勧める。
ルーファスは困惑気味に部屋を見渡した。
ニノが間に合って良かった、とほくそ笑む。
ほんの一時間程度しかなかったが、ベリア公爵がこちらへ向かっているという情報を事前に教えてくれて、それを迎え撃つ必要最低限の物は用意してくれた。
カーテン、壁紙、絨毯、ソファー、テーブル、ティーセット。
紅茶にスイーツ、魔道具に魔石、ドレスにアクセサリー、衛兵を着飾る鎧と剣、使用人達の服。
最強の戦闘装備だ。
「君は男爵令嬢だったと聞いたのだが、私兵とは?」
「お恥ずかしながらわたくし、資産と人脈だけはございますので」
「そんな話は初耳だな」
「このダイヤモンド」
ハッタリだと断じるルーファスに切り込むように鋭く、胸元のダイヤモンドを見せつける。
「公爵様の領のダイヤモンド鉱山で三年前に採掘されたピンクダイヤモンドですわよね。わたくしコレがお気に入りで」
「それは…オークションで一億の値がついた」
「落札されたのはモーリス伯爵様の商会でしたけれど、おねだりして譲っていただきましたの。モーリス様にはいつも懇意にしていただいて」
オホホホと笑ってみせると護衛として傍に控えているイチカが僅かに震えているのに気づく。
その隣の侍女服のトニ婆も、メイドとして控えているヨツイも視線が空を泳いでいる。
直前にニノに仕込まれた嘘八百。商会のモノを借りているだけ。
ダイヤモンドなんて全然興味ない私が、私なりに精一杯演じているのだ。
笑わないでほしい!
「なるほど。君がただの男爵令嬢ではなかったのだということは理解した」
半信半疑ながらも呑み込んだルーファスは足を組み「しかし」と言葉を続ける。
「だからといってクリストを此処に置いておくわけにはいかん。返してもらおうか」
「返せだなんて。クリストさんが自分の意志で来たのではないですか。実家と絶縁してまでわたくしの夫を慕って」
「あの子は私の跡を継いで公爵になる子なのだ。こんな不毛の地で腐っていいわけがない」
「不毛の地」
フッと笑いが漏れそうになり、扇子を広げて口元を隠す。
「お言葉ですが、何を以て此処が不毛の地だと?」
「私が知らないとでも思っているのか。この地には聖王石の護りがないだろう?魔物が発生するはずだ!」
「ロク!入っていらっしゃい」
私がドアに向かって声を張り上げると「はーい」という間延びした返事があり、緑髪の奇妙な恰好をした青年が応接室に入ってきた。
「ウチのお抱え魔導士ロクですわ」
「お抱え魔導士だと?」
サッとルーファスの顔色が変わる。
魔道具を作り出す魔導士は貴重な存在で、その殆どが魔導士の塔という研究施設に属している。
今や魔道具は生活になくてはならない必需品であり、それを作り出す魔導士が持つ権力は計り知れない。
そんな魔導士が誰かに仕えるなんて話は聞いたことがない。
王家にすらあり得ないのだ。
「姫様、秘密なのにバラしちゃっていいのー?」
「公爵様は随分と我が領を見下していらっしゃるようですから、わからせてやってくださいまし」
「りょーかい」
ロクは懐から小汚い革の袋を取り出し、その中に手を突っ込む。
その中をゴソゴソと弄りながら「んー」と首を傾げ、何かを掴んだのかその手を引き抜いた。
そこから出てきたのは、その袋には到底入らない大きさの魔道具だった。
「なっ…、は…?」
見た目以上に多くのモノを収納出来る魔道具『収納袋』だ。
商人であるニノは愛用しているが一般には流通していない貴重な品。
言葉を失う公爵に対し、何に驚いているのかわかっていないロクは「まだ発動してないよー」と口を尖らせる。
ラッパの形が特徴的なその大きな魔道具をテーブルに置き、魔石を装着する。
ロクが「スイッチオン!」と稼働するとゴォッと音を立てて風を吸い込み始めた。
「ごめぇーん、ちょっとうるさいよねー。まだ改良の余地はあるんだけど急ぎだったからさー」
片手で耳を塞ぎながら逆の手で魔道具を止め、テヘと悪戯気に舌を出す。
「空気清浄機を改良して作りましたぁ!大気中の空気をろ過して魔素を集める、題して『魔素ろ過機』ぃー」
「…。なんだと?」
端的な説明に理解が追い付かないルーファスは訊き返す。
ロクは馬鹿にするような口調で「だからぁ、魔素を集めますー」と繰り返した。
「聖素を出せないなら魔素を取り除けばいい。わたくしが考案し、そういう魔道具を作らせました」
「そんなことができるわけないだろうっ!?」
本当にその通りだ。
私が考案したのはほんの三時間ほど前で、まさか仕上げて持ってくるなんて。
実際のところ、私だってかなり驚いている。
「不可能を可能にする魔導士ロク、よろしくねぇー。ちなみに集めた魔素は魔石になりまーす」
「あらあら魔大陸に行かなくても魔石が手に入るだなんて、新たな事業が始められますわ。公爵様の鉱山とどちらが儲かりますかしら?」
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