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プロローグ:『異世界ギャンブル!~ツケで召喚された俺の冒険譚~』
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ギャンブルではないLIFEサバイバー
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1. 現実の始まり
夜の東京、空はどんよりと曇り、街灯のオレンジ色の光が路上に反射している。コンビニの明かりがぼんやりと浮かび上がり、その前を通り過ぎる人々の表情は疲れている。深夜の寒さがじわりと肌を刺す中、一人の青年が歩いていた。
早乙女京介。
大学生の彼は、少しヨレたジャケットのポケットに手を突っ込みながら、何気ない風景に目もくれずため息をついた。耳元にはアルバイトの疲労感がにじむ。
「……生きる意味?そんなもの、今日の晩飯をどうするかくらいしかねえよ。」
彼の声は自嘲気味で、歩く速度はゆっくりとしたものだった。
「俺の人生、これ以上つまらなくなることなんてありえない……って、ああ、なんかフラグっぽいな。」
そう独り言を呟いたその瞬間だった。足元に突如として、光の円陣が現れる。眩い輝きが辺りを包み込み、彼は思わず目を細めた。
「えっ、ちょっ……な、何だこれ!?」
反射的に後ずさろうとするが、足は動かない。それどころか、重力が狂ったように体が宙に浮き上がる。周囲の景色は一瞬でぼやけ、次には何も見えなくなった。
「おいおい……!ちょ、待てって!俺、普通に帰りたいだけなんだが!?」
彼の声は虚空に吸い込まれ、消えていった。
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2. 神々の麻雀と異世界召喚
気づけば、豪華絢爛な宴会場。目を開けた京介の視界に広がるのは、金と銀の装飾が施された大広間だった。天井には煌びやかなシャンデリアが輝き、壁には壮大な絵画が並んでいる。
「ここ……どこだよ。」
呆然とした声を漏らす京介。すると、耳元に聞き慣れない声が響いた。
「また負けたのか?ギャンブル運なさすぎだろ、お前。」
声の方を振り返ると、そこには信じられない光景が広がっていた。何人もの神々らしき存在が豪華な麻雀卓を囲み、酒を酌み交わしながら牌を叩き合っている。
「はあっ!?麻雀?いやいや、俺、こんな場所に召喚されるような覚えはないぞ!?」
京介の抗議をよそに、卓を囲む神々は口々に話を続ける。
「このツケ、どうすんだよ。罰として誰か人間を異世界に送り込め!」
「……しゃあねえ。あそこに転がってるやつでいいだろ。」
そう言って、神の一人が京介を指差した。
「転がってるやつって……俺のことかよ!?ちょっと待て!そもそも何で俺が!?」
焦る京介を無視し、麻雀で負けた神が近づいてくる。その顔には微妙に申し訳なさそうな表情が浮かんでいた。
「悪いな、まあ、運が悪かったと思って諦めてくれ。」
「諦められるか!こんなの理不尽すぎるだろ!俺はただコンビニ帰りだっただけなんだぞ!」
神は苦笑いを浮かべながら説明を始める。
「とりあえず異世界で冒険者として頑張れよ。スキルは『ギャンブルフレーム』だ。お前、運ゲー得意そうだしな。」
「は?俺、運ゲー苦手だっての!せめてもう少しまともなスキルをくれよ!」
京介の抗議も虚しく、神々の麻雀卓は再び賑やかに戻っていく。誰も彼の話を聞く気はなさそうだった。
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3. 異世界の第一歩
意識を取り戻すと、京介は広大な草原に立っていた。
爽やかな風が吹き抜け、鳥のさえずりがどこからともなく聞こえる。周囲には何もない、ただの自然。遠くに城壁らしき建物が見える以外、何の手掛かりもない。
「……ここ、マジで異世界かよ。」
周囲を見回しながら、京介は自分の置かれた状況を整理しようとする。だが、考えるほどに理不尽さが際立つだけだった。
「ギャンブルフレーム?それって何だよ。」
すると、突如として背後にスロットマシンのような光が現れた。リールが回転し、派手な音を立てながら回り始める。
「ガシャガシャガシャ……カシャン!」
結果は画面上に浮かび上がる。
「空白、空白、火炎魔法、空白、空白……」
「なんで空白ばっかなんだよ!?俺、これでどうやって戦えって言うんだ!?」
スロットを睨みつける京介の背後から、スライムらしき生き物がヌルヌルと現れた。
「おいおい、嘘だろ……せめてもうちょっとレベル低い敵から始めさせろっての!」
必死で逃げる京介。だが、助けを求める声を上げる暇もなく、草原の彼方から鋭い声が響いた。
「どきなさい!その程度のスライム、私が片付けてあげるわ!」
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4. 最初の出会い
声の主は一人の少女だった。明るいオレンジがかった茶髪をツインテールに結んだ彼女は、軽装の冒険者風の服を着ている。目元は自信に満ち溢れ、口元には余裕の笑みを浮かべていた。
「この私が来たからには、もう安心していいわ!」
彼女はスライムに向かって一気に駆け寄ると、軽やかな剣の一振りで仕留めてしまった。
「どう?凄いでしょ!これが私の実力よ!」
ドヤ顔で京介を見る少女。だが、京介は唖然としていた。
「いや、これスライムだろ……もうちょっと強い敵でドヤってくれよ。」
「何よその反応!助けてあげたんだから感謝しなさいよ!」
「……まあ、ありがとう。」
不満そうな顔をしながらも素直に礼を言う京介。その様子を見た少女はふんっと鼻を鳴らした。
「いいわ。あなた、見るからに頼りなさそうだけど、私がついてきてあげる。」
「いや、俺、別に頼んでないんだけど。」
こうして、京介と自信満々な少女の奇妙な冒険が幕を開けることとなった。
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5. プロローグの締め
歩きながら京介はぼやき続ける。
「神々の麻雀のツケで召喚とか、マジで意味わかんねえ……」
「運が悪いのはあんたじゃなくて、その神様じゃないの?」
彼女のツッコミに、京介は苦笑しながら応じる。
「……そうかもな。でも俺にとっちゃ、どっちにしろ最悪だよ。」
こうして運に振り回される青年と、自信満々な少女の冒険が始まった。彼らが何を掴み取るのか、それはまだ誰にもわからない。
. ガジェットを装備した京介
京介は再び異世界で目を覚ました。意識が少しぼやけたまま、彼は辺りを見回す。広大な草原が広がり、遠くに見える城の壁を目指して進む道が一本。周囲にはどこかファンタジックな雰囲気が漂っているが、それも最初だけだった。
「やっぱり俺、ここにいる意味わかんねぇよな…」
少し呆れた声を上げながらも、京介は腰に装備されたガジェットに目を向けた。それは神々が適当に渡した、異世界での「頼りになる道具」だという。
「これ、なんだよ。スマホみたいなデバイスだよな?」
それは、どこか未来的な外見をしていた。まるで異世界の技術と現代技術が融合したようなデザインのガジェット。上部には一つのスロットがあり、スロットから覗くのは、何かの「チップ」のようなもの。京介はそれを引き抜き、ガジェットにセットする。
「これが、何か役に立つのか?運が絡むにしても、なんか釈然としないな…。」
スロットがカチッと音を立てて動作を開始する。ガジェットが一瞬光り、すぐにモニターに「スロット準備完了」という文字が表示された。手元に再び現れた「ギャンブルフレーム」のスロットに触れると、その力が放たれることを予感させた。
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2. 京介の戦闘シーン
その瞬間、草むらの中から呻き声が響いた。京介は素早く腰に手を当て、ガジェットを操作した。手元のスロットは未だに「空白」が多かったが、何かひらめいたのか、それを掴み、引いてみた。
「レバー引けよな、俺の運。頼むぞ!」
「ガシャガシャ…カシャーン!」
スロットが回り、画面に表示されたのは「回復魔法」と「火炎魔法」だった。京介は少し安堵したが、目の前に現れたモンスター――巨大なサラマンダーが彼に迫る。
「おいおい、これかよ…火炎魔法だけじゃ足りねぇだろ…!」
ガジェットのチップに装備された「火炎魔法」を手に取り、京介は思い切りサラマンダーの方へ向かって発動させた。その瞬間、強烈な火花と炎が広がり、モンスターを包み込む。
「イッケーーー!!」
サラマンダーは炎に包まれながらも、瞬時に身を翻し反撃を試みた。京介の足元に火の玉が飛び込んでくる。それを見て、京介は冷静にガジェットの「回復魔法」機能を作動させた。
「おお…これで少しは耐えられそうだな。」
回復魔法が京介の体を包み、消耗した体力を徐々に回復していく。だが、サラマンダーの猛攻は止まらない。これ以上の炎を浴びてしまえば、きっと彼は倒されてしまうだろう。
「ふざけんなよ!お前の攻撃、ちょっと激しすぎるだろ!」
「カシャーン!」
京介は再びスロットレバーを引き、次のスキルを引き当てた。スロットの画面に**「フィーバータイム」**と表示された瞬間、異世界のエネルギーが一気に流れ込み、京介の体に力が満ちていく。
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3. スロットレバーを引く
京介は息を切らしながら再びレバーを引いた。スロットがガシャガシャと回り、画面には次々とスキルが表示される。
「フィーバータイム突入!」
その瞬間、京介のガジェットが爆発的に輝き、周囲の空間が一瞬で歪み始めた。モンスターが目の前で一瞬遅れたように止まり、彼のスキルが一気に発動する。
「おおっ!今だ!!」
スーパーフレイムバースト!
火の精霊が京介の周囲に集まり、彼の周囲を包み込むように火の刃が飛び交った。サラマンダーは瞬時にその熱波に呑み込まれ、激しい炎が広がる。
「ハァ、ハァ……どうだ、これで終わりだ!」
サラマンダーはその場で煙を上げながら崩れ落ち、京介はやっとのことで息を整えた。
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4. 確変確率と京介の心情
ガジェットのスロットが再び回転を始め、今度は「確変モード」の文字が浮かんだ。確変に突入すると、すべてのスキルの威力が大幅に強化され、次のスロットのリールがほとんど止まらなくなる。
「よっしゃ、来たか!今度はバッチリ決めてやる!」
京介は興奮気味にレバーを引き、スロットが回転する音に耳を澄ませた。画面に「火炎魔法、回復魔法、斧技、スピードブースト、空白」の文字が浮かぶ。
「よっしゃ!全部揃ってくれよ!」
だが、結果は思わしくなかった。確変中にも関わらず、またしても「空白」が出てしまう。
「ちょっと待て!これ、確変の意味ないだろ!?」
それでも京介は次の瞬間、心の中で決意を固めた。
「いや、諦めない。次こそ、きっと当たる!」
彼は再びレバーを引く。確変のチャンスを信じて、運命を引き寄せようとする。
「スロットを引くことが俺の運命、か……。まあ、面倒くさいけど、これが俺のやり方だ。」
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5. 激しい勝負の先に
そして、確変に突入したその瞬間、京介のガジェットから放たれた魔法と剣技は全ての敵を圧倒し、彼の周囲には強力な火の精霊たちが舞い踊り、全てを焼き尽くしていった。次々と発動するスキルにより、戦局は京介の完全勝利へと向かう。
「おいおい、これが俺の力だ!何度でもフィーバーしてやる!」
そして、フィーバータイムが終了すると、スロットが再び回転を始めた。勝者としての実感をしみじみと味わいながら、京介はこの先に何が待っているのか、興奮と不安が入り混じった気持ちで次の戦いを想像していた。
1. 星川の登場と京介への突っ込み
京介が戦いの後、ようやく息を整えて立ち上がったその瞬間、背後から軽快な足音が近づいてきた。
「ふぅ、やっと終わったか。まさか、こんなに簡単に倒せるとは思わなかったけど……。」
ガジェットの画面を覗き込んで次のスロットに備えながら、京介は自分を誇らしげに感じていた。しかし、その時、突然背後から声が聞こえる。
「ちょっと、あんた!何だよ、そのやり方!」
京介はすぐに振り返った。そこにいたのは、金色の髪をツインテールにした自信満々な少女。彼女の名は星川 紗彩。彼の異世界での相棒であり、何でもかんでも突っ込まずにはいられない性格だ。
「え?いや、何がだよ?」
京介は困惑しながらも、目をそらしつつ答える。しかし、星川はまるで彼が見ていないことを確認したかのように、前に出てきてはっきりと言い放つ。
「何がって、スロットだよ!お前、運だけで戦ってる気か?もっとちゃんと自分の力を使えよ!」
「は?何言ってんだよ、これが俺の力なんだろ!」
京介はそう返しながら、少しだけ焦りを感じた。実際、彼自身もこれが「運だけ」であることは理解している。だが、そう言われると少し気が引ける。なぜなら、彼はどこか運命に従っているような、運に頼った自分に少し後ろめたさを感じていたからだ。
「いやいや、運だけじゃないって!見てよ、これ!」
京介はガジェットを手に取って、再びスロットを引いた。今度こそ何か良い結果を得られると、半ば自信満々にレバーを引く。
「ガシャーン!」
画面に現れたのは、「空白、空白、火炎魔法、空白、空白」という結果だった。
「……。」
京介は一瞬、言葉を失った。もちろん、前回と同じ「空白」だったからだ。結果がまるで期待外れで、顔が引きつった。
「な、なんだよ!これ、絶対に俺の運命だろ!」
「ふぅん、運命ねぇ。」
星川はその京介の様子を冷静に見つめた後、言葉を続けた。
「いいか、京介。運命も確かに重要かもしれないけど、それだけに頼るのはどうかと思うよ。そんなに甘くないだろ、この世界。」
京介は少しムッとしたが、星川の言うことがまったく間違いではないこともわかっていた。しかし、彼の反論が頭の中を駆け巡る。
「俺だって…他にどうしろって言うんだよ!運頼みなんて嫌だけどさ、これが俺のスキルなんだからどうしようもねぇだろ!」
星川は不敵に笑う。
「それなら、それでいいけどさ。でもさ、運だけじゃ勝てないときもあるわけよ、わかる?」
星川は少し背筋を伸ばし、指をパチンと鳴らした。
「だから、あんたも少しは『ちゃんとした力』を身につけなさいよ!ギャンブルだけじゃなくてさ、戦う力だよ!この世界じゃ、それが必要だってわかってるでしょ?」
「……まあ、それは分かってるけどさ。」
京介は返す言葉を探しながら、星川の言葉を噛み締めた。しかし、正直なところ、まだ彼にはどこかで運任せな部分が残っていることを自覚していた。
「ま、俺は俺なりにやってみるよ。でも、今はこのスロットが役立ってくれてるしさ。」
「それでいいの?」
星川は少し眉をひそめて尋ねたが、すぐにため息をつき、肩をすくめた。
「もう、しょうがないなぁ。勝手にすれば。だけど、もし次も運だけで生き延びようとするなら、私は見放すからね!」
その挑戦的な言い回しに、京介は一瞬固まった。だが、すぐにニヤリと笑って答えた。
「それでいいんだよ。俺だって、ちゃんと考えながらやってるんだしな!」
星川は少し不安げな表情を浮かべたが、すぐにまた笑い、首を横に振った。
「はぁ、まあね。自信過剰もいいけど、調子に乗りすぎないようにね。」
「お前、ほんとにうるさいな。」
「それを言うなら、あんたもだよ。」
二人の軽口のやり取りに、周囲の静けさが少しだけ和らぐ。京介は再びガジェットを確認し、次に進む準備を整えた。
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2. 星川の更なる突っ込み
その後も、二人は次の目的地に向かって歩き続けたが、途中で再び戦闘に巻き込まれる。小さなゴブリンの集団が出現したのだ。
「また戦うのか…!」
京介が手を腰にあて、戦闘準備を整えたそのとき、星川がさりげなく言う。
「おい、あんた、その前にさっきみたいに運任せのスロットだけで乗り切る気か?」
京介は冷や汗をかきながら、スロットを確認する。
「いや、それはさすがに無理だろ。今度はちゃんと戦うさ。わかってるよ。」
「なら、まずスロット引く前にちゃんと考えろよ。『これをやったらどうなるか』をさ。」
「お前、ほんとにうるさいな!」
その時、ゴブリンたちが一斉に動き出し、京介と星川に向かって駆け出した。京介は目を凝らしながらも、まだ不安を感じていた。
「うるさいって言ってもな…こんな時に限って、何もスキルが出ないとかあんだろ?」
「それなら、もう一度言うよ。運じゃなくて、お前の実力で戦え!」
星川の言葉に、京介は少しだけ顔を引き締めた。もう、運だけではどうにもならないのかもしれない。
彼は再びレバーを引いた。
1. 再び運命を引き寄せるスロット
「うるさいって言ってもな…こんな時に限って、何もスキルが出ないとかあんだろ?」
京介がガジェットのレバーを握りながら、ぼやくように口にする。しかし、その顔には焦りの色がにじみ出ていた。目の前では、ゴブリンの集団が奇声を上げながら次々と押し寄せてきている。
「それなら、もう一度言うよ。運じゃなくて、お前の実力で戦え!」
星川紗彩がきっぱりとした声で突っ込みを入れる。その言葉には彼女の厳しさと、どこか京介を思いやる優しさが混じっていた。
「実力って言われてもな……俺にはこのスロットしかねぇんだよ!」
京介は返す言葉を探しながらも、再びガジェットのレバーを引く。
ガシャガシャガシャ……カシャン!
スロットが止まり、画面に表示されたのは――またも「空白」。
「おいおい、勘弁してくれよ……!」
京介が頭を抱えると同時に、ゴブリンたちが間近に迫る。
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2. 突如として現れる新たな影
その時だった。遠くから乾いた銃声が響き、ゴブリンの先頭を走っていた一体が倒れ込む。
「……え?」
京介と紗彩が驚きで振り返ると、そこには優雅に銃を構えた女性が立っていた。白銀の長い髪が風になびき、ゴールドの瞳が冷静に戦場を見つめている。その姿は、戦場に舞い降りた天使を思わせた。
「危ないところでしたね。お二人とも無事ですか?」
女性――アルテア・ホワイトフェザーは、片手にフリントロックマスケット銃を持ちながら柔らかな微笑みを浮かべていた。しかし、その瞳には鋭い光が宿り、冷静な判断力が伺える。
「いや、えっと……助かったのは間違いないけど……誰?」
京介が言葉を詰まらせながら尋ねる。
「私はアルテア・ホワイトフェザー。この辺りであなたたちのような旅人を見かけたので、少し気になって近づいてみたのです。」
彼女はそう言うと、手にした銃を肩に担ぎ、足元に倒れたゴブリンに目をやる。その動作は優雅そのものだったが、一切の隙がなかった。
「そのスロット……あなたの力なのですか?」
アルテアが京介のガジェットに目を留めて尋ねる。
「まぁ、そんなところかな。でも、正直言って運だけだよ。」
京介は肩をすくめて答えた。それを聞いたアルテアは、ふと優しく笑った。
「運も立派な力ですよ。ただし、それを生かすのも殺すのもあなた次第です。」
「そう言われてもなぁ……」
京介がぼやくと、すかさず紗彩が突っ込む。
「ほら、あんたもアルテアさんみたいにちゃんと戦いなさいよ!運だけじゃなくて、少しは頭を使えっての!」
「うるせぇな!こっちだって一生懸命やってるんだよ!」
そんなやり取りを横目に、アルテアは再び銃を構えた。その銃口がゴブリンたちに向けられると、再び乾いた銃声が響く。
バン!バン!
連続で放たれた銃弾が、迫り来るゴブリンたちを的確に撃ち抜く。その正確無比な射撃に、京介も紗彩も言葉を失った。
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3. 戦闘の終息とアルテアの助言
「ふぅ……これで大丈夫でしょう。」
アルテアが銃口を下ろすと同時に、戦場に静けさが戻る。彼女はそのまま京介たちの方に歩み寄り、静かに話しかけた。
「どうやらお二人とも、まだ旅の初心者のようですね。」
「そりゃそうだよ!俺なんて、いきなりこの世界に連れてこられたんだから!」
京介は思わず声を荒げた。しかし、アルテアはその言葉に動じることなく、柔らかな声で返した。
「異世界から来たのですね。それならなおさら、運命に翻弄されるのではなく、自分自身で道を切り開く力を身につけるべきです。」
その言葉に、京介は少しだけ考え込む。
「道を切り開く力……ね。」
「あなたには、そのための可能性があります。先ほどのスロットも、きっとその一部なのでしょう。」
アルテアは京介のガジェットに目を向けると、ふと微笑んだ。
「運命を操る力……それは時に、剣や魔法以上に強力なものになりますよ。」
「ほんとかよ……?」
京介は半信半疑ながらも、その言葉に少しだけ救われた気持ちになる。
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4. 新たな決意
「ま、何にせよ。今の俺にはこれしかないんだから、これでやるしかねぇよな。」
京介は再びガジェットを握り、スロットを引いた。
ガシャガシャガシャ……カシャーン!
スロットが止まり、画面には「火炎魔法」と「スピードブースト」の文字が並んだ。それを見て、京介はニヤリと笑う。
「よし、次はもっと上手くやってやる!」
その表情を見たアルテアは満足げに頷き、紗彩は少し呆れながらも笑みを浮かべた。
「まぁ、あんたがやる気になったならいいけどね。でも、次こそはちゃんと考えて戦いなさいよ!」
「うるせぇっての!」
そんな二人のやり取りを聞きながら、アルテアはそっと銃をしまい、静かに歩き出す。
「さぁ、この先に何が待っているのか……楽しみですね。」
彼女の背中から感じられる気高さに、京介も紗彩もただただついていくしかなかった。
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1. 星川の不満爆発
「はぁ~~~……まただよ、まったく!」
遠くのモンスターを倒し、ようやく一息つける状況になったところで、星川紗彩が突然深いため息をついた。両手を腰に当て、不満げな表情で京介を睨みつける。
「なんだよ、その溜息。俺、ちゃんとスロット回して戦っただろ?」
京介はガジェットをいじりながら振り返るが、その態度に紗彩の表情がさらに険しくなる。
「そういう問題じゃないの!あんた、いつもいつも運任せで、ちょっとは自分で何とかしようって気にならないの!?見てるこっちはハラハラしっぱなしなんだから!」
「いやいや、これが俺のスキルなんだって。運任せ以外の何があるんだよ?」
「だからって、それに頼りすぎなんだってば!さっきの戦闘だって、スロットが『空白』ばっかりだったらどうするつもりだったのよ!?」
紗彩の声が大きくなり、京介は思わず肩をすくめる。周囲の草原に彼女の声が響き渡り、鳥が驚いて飛び去っていった。
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2. 紗彩の怒りの理由
紗彩は両腕を組み、顔をそむけながら怒りの続きをぶつける。
「それにね、あんたの戦い方って、なんかこう……ズルいのよ。私が剣で必死に戦ってる横で、スロット回してるだけって、どういうつもりなの?」
「おいおい、それ言うか?俺だって、ちゃんと考えてやってるんだぜ?」
「どこが!?」
紗彩はすかさず突っ込み、京介の胸を指さした。
「『空白』を三つも出して、その後に何とか火炎魔法で倒したけど、あんたがもっと早く動いてれば、私がこんなに苦労することもなかったの!」
「そりゃ仕方ないだろ……俺だって、どう出るか分からないんだからさ。」
京介は苦笑いしながらガジェットを見つめる。確かに彼女の言うことも一理あるが、スロットという運任せの力を手にした彼には、それ以上の方法が思い浮かばなかった。
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3. 紗彩の心情と京介の返事
紗彩は大きく息を吐き出し、少し落ち着きを取り戻した。だが、京介に対する苛立ちはまだ収まらないようだった。
「本当にさ……こっちは命がけで戦ってるのよ。それなのに、あんたが適当にスロットを回して『何とかなる』って顔してると、正直ムカつくんだから。」
「適当じゃないって!俺なりに考えてるんだよ、一応。」
「『一応』じゃダメなの!私たち、チームなんだから。もっとちゃんと協力する気を見せてよ!」
紗彩の瞳には、彼女なりの真剣な思いが込められていた。京介はその視線にたじろぎながらも、思わず笑ってしまった。
「な、なんで笑うのよ!」
「いや……お前、そんな真面目に怒るのも珍しいなって思ってさ。」
「珍しい!?それだけあんたがいつもふざけてるからでしょうが!」
紗彩は顔を赤くして怒鳴りつける。その様子に、京介はさらに笑いそうになったが、何とかこらえた。
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4. 星川の提案と京介の反応
少し沈黙が続いた後、紗彩はふと何かを思いついたように声を上げた。
「……いいわ、こうしましょう。」
「お?どうしましょうって?」
「次の戦闘では、私が指示するから、それに従ってみなさいよ。」
「はぁ?俺が?」
京介は驚きつつも、紗彩の提案に興味を示した。
「そうよ。あんたのスロットの結果がどう出るかなんて分からないんだから、その場その場で最善の行動を取るためには、ちゃんと私が指揮を取るべきだと思うの。」
「お前、それただ俺をコントロールしたいだけじゃねぇの?」
「違うわよ!……まぁ、少しはあるかもしれないけど。」
最後の一言が小声になったのを聞き逃さず、京介はニヤリと笑った。
「ほら、やっぱりそうじゃねぇか。ま、いいけどな。次の戦闘で指示してみなよ。」
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5. 次の戦闘への準備
そうして、二人は次の目的地に向かって歩き出した。紗彩は腕を組みながら、少し得意げな表情を浮かべている。
「やっぱり、私の言うことを聞いてくれると、あんたも少しはまともになるんじゃない?」
「それで俺がもっと『まとも』になるなら、それでいいけどな。」
京介は軽い口調で答えたが、その表情にはどこか余裕が漂っていた。それを見た紗彩は、また一つ不満そうな声を漏らす。
「だから、その態度が気に入らないのよ!もっと真剣にやりなさいよ!」
「真剣にやってるってば。こう見えても、俺はお前以上に考えてるんだぞ?」
「絶対ウソ!」
二人の軽口が続く中、草原の向こうには新たな敵が待ち受けていた――。
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1. 現実の始まり
夜の東京、空はどんよりと曇り、街灯のオレンジ色の光が路上に反射している。コンビニの明かりがぼんやりと浮かび上がり、その前を通り過ぎる人々の表情は疲れている。深夜の寒さがじわりと肌を刺す中、一人の青年が歩いていた。
早乙女京介。
大学生の彼は、少しヨレたジャケットのポケットに手を突っ込みながら、何気ない風景に目もくれずため息をついた。耳元にはアルバイトの疲労感がにじむ。
「……生きる意味?そんなもの、今日の晩飯をどうするかくらいしかねえよ。」
彼の声は自嘲気味で、歩く速度はゆっくりとしたものだった。
「俺の人生、これ以上つまらなくなることなんてありえない……って、ああ、なんかフラグっぽいな。」
そう独り言を呟いたその瞬間だった。足元に突如として、光の円陣が現れる。眩い輝きが辺りを包み込み、彼は思わず目を細めた。
「えっ、ちょっ……な、何だこれ!?」
反射的に後ずさろうとするが、足は動かない。それどころか、重力が狂ったように体が宙に浮き上がる。周囲の景色は一瞬でぼやけ、次には何も見えなくなった。
「おいおい……!ちょ、待てって!俺、普通に帰りたいだけなんだが!?」
彼の声は虚空に吸い込まれ、消えていった。
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2. 神々の麻雀と異世界召喚
気づけば、豪華絢爛な宴会場。目を開けた京介の視界に広がるのは、金と銀の装飾が施された大広間だった。天井には煌びやかなシャンデリアが輝き、壁には壮大な絵画が並んでいる。
「ここ……どこだよ。」
呆然とした声を漏らす京介。すると、耳元に聞き慣れない声が響いた。
「また負けたのか?ギャンブル運なさすぎだろ、お前。」
声の方を振り返ると、そこには信じられない光景が広がっていた。何人もの神々らしき存在が豪華な麻雀卓を囲み、酒を酌み交わしながら牌を叩き合っている。
「はあっ!?麻雀?いやいや、俺、こんな場所に召喚されるような覚えはないぞ!?」
京介の抗議をよそに、卓を囲む神々は口々に話を続ける。
「このツケ、どうすんだよ。罰として誰か人間を異世界に送り込め!」
「……しゃあねえ。あそこに転がってるやつでいいだろ。」
そう言って、神の一人が京介を指差した。
「転がってるやつって……俺のことかよ!?ちょっと待て!そもそも何で俺が!?」
焦る京介を無視し、麻雀で負けた神が近づいてくる。その顔には微妙に申し訳なさそうな表情が浮かんでいた。
「悪いな、まあ、運が悪かったと思って諦めてくれ。」
「諦められるか!こんなの理不尽すぎるだろ!俺はただコンビニ帰りだっただけなんだぞ!」
神は苦笑いを浮かべながら説明を始める。
「とりあえず異世界で冒険者として頑張れよ。スキルは『ギャンブルフレーム』だ。お前、運ゲー得意そうだしな。」
「は?俺、運ゲー苦手だっての!せめてもう少しまともなスキルをくれよ!」
京介の抗議も虚しく、神々の麻雀卓は再び賑やかに戻っていく。誰も彼の話を聞く気はなさそうだった。
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3. 異世界の第一歩
意識を取り戻すと、京介は広大な草原に立っていた。
爽やかな風が吹き抜け、鳥のさえずりがどこからともなく聞こえる。周囲には何もない、ただの自然。遠くに城壁らしき建物が見える以外、何の手掛かりもない。
「……ここ、マジで異世界かよ。」
周囲を見回しながら、京介は自分の置かれた状況を整理しようとする。だが、考えるほどに理不尽さが際立つだけだった。
「ギャンブルフレーム?それって何だよ。」
すると、突如として背後にスロットマシンのような光が現れた。リールが回転し、派手な音を立てながら回り始める。
「ガシャガシャガシャ……カシャン!」
結果は画面上に浮かび上がる。
「空白、空白、火炎魔法、空白、空白……」
「なんで空白ばっかなんだよ!?俺、これでどうやって戦えって言うんだ!?」
スロットを睨みつける京介の背後から、スライムらしき生き物がヌルヌルと現れた。
「おいおい、嘘だろ……せめてもうちょっとレベル低い敵から始めさせろっての!」
必死で逃げる京介。だが、助けを求める声を上げる暇もなく、草原の彼方から鋭い声が響いた。
「どきなさい!その程度のスライム、私が片付けてあげるわ!」
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4. 最初の出会い
声の主は一人の少女だった。明るいオレンジがかった茶髪をツインテールに結んだ彼女は、軽装の冒険者風の服を着ている。目元は自信に満ち溢れ、口元には余裕の笑みを浮かべていた。
「この私が来たからには、もう安心していいわ!」
彼女はスライムに向かって一気に駆け寄ると、軽やかな剣の一振りで仕留めてしまった。
「どう?凄いでしょ!これが私の実力よ!」
ドヤ顔で京介を見る少女。だが、京介は唖然としていた。
「いや、これスライムだろ……もうちょっと強い敵でドヤってくれよ。」
「何よその反応!助けてあげたんだから感謝しなさいよ!」
「……まあ、ありがとう。」
不満そうな顔をしながらも素直に礼を言う京介。その様子を見た少女はふんっと鼻を鳴らした。
「いいわ。あなた、見るからに頼りなさそうだけど、私がついてきてあげる。」
「いや、俺、別に頼んでないんだけど。」
こうして、京介と自信満々な少女の奇妙な冒険が幕を開けることとなった。
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5. プロローグの締め
歩きながら京介はぼやき続ける。
「神々の麻雀のツケで召喚とか、マジで意味わかんねえ……」
「運が悪いのはあんたじゃなくて、その神様じゃないの?」
彼女のツッコミに、京介は苦笑しながら応じる。
「……そうかもな。でも俺にとっちゃ、どっちにしろ最悪だよ。」
こうして運に振り回される青年と、自信満々な少女の冒険が始まった。彼らが何を掴み取るのか、それはまだ誰にもわからない。
. ガジェットを装備した京介
京介は再び異世界で目を覚ました。意識が少しぼやけたまま、彼は辺りを見回す。広大な草原が広がり、遠くに見える城の壁を目指して進む道が一本。周囲にはどこかファンタジックな雰囲気が漂っているが、それも最初だけだった。
「やっぱり俺、ここにいる意味わかんねぇよな…」
少し呆れた声を上げながらも、京介は腰に装備されたガジェットに目を向けた。それは神々が適当に渡した、異世界での「頼りになる道具」だという。
「これ、なんだよ。スマホみたいなデバイスだよな?」
それは、どこか未来的な外見をしていた。まるで異世界の技術と現代技術が融合したようなデザインのガジェット。上部には一つのスロットがあり、スロットから覗くのは、何かの「チップ」のようなもの。京介はそれを引き抜き、ガジェットにセットする。
「これが、何か役に立つのか?運が絡むにしても、なんか釈然としないな…。」
スロットがカチッと音を立てて動作を開始する。ガジェットが一瞬光り、すぐにモニターに「スロット準備完了」という文字が表示された。手元に再び現れた「ギャンブルフレーム」のスロットに触れると、その力が放たれることを予感させた。
---
2. 京介の戦闘シーン
その瞬間、草むらの中から呻き声が響いた。京介は素早く腰に手を当て、ガジェットを操作した。手元のスロットは未だに「空白」が多かったが、何かひらめいたのか、それを掴み、引いてみた。
「レバー引けよな、俺の運。頼むぞ!」
「ガシャガシャ…カシャーン!」
スロットが回り、画面に表示されたのは「回復魔法」と「火炎魔法」だった。京介は少し安堵したが、目の前に現れたモンスター――巨大なサラマンダーが彼に迫る。
「おいおい、これかよ…火炎魔法だけじゃ足りねぇだろ…!」
ガジェットのチップに装備された「火炎魔法」を手に取り、京介は思い切りサラマンダーの方へ向かって発動させた。その瞬間、強烈な火花と炎が広がり、モンスターを包み込む。
「イッケーーー!!」
サラマンダーは炎に包まれながらも、瞬時に身を翻し反撃を試みた。京介の足元に火の玉が飛び込んでくる。それを見て、京介は冷静にガジェットの「回復魔法」機能を作動させた。
「おお…これで少しは耐えられそうだな。」
回復魔法が京介の体を包み、消耗した体力を徐々に回復していく。だが、サラマンダーの猛攻は止まらない。これ以上の炎を浴びてしまえば、きっと彼は倒されてしまうだろう。
「ふざけんなよ!お前の攻撃、ちょっと激しすぎるだろ!」
「カシャーン!」
京介は再びスロットレバーを引き、次のスキルを引き当てた。スロットの画面に**「フィーバータイム」**と表示された瞬間、異世界のエネルギーが一気に流れ込み、京介の体に力が満ちていく。
---
3. スロットレバーを引く
京介は息を切らしながら再びレバーを引いた。スロットがガシャガシャと回り、画面には次々とスキルが表示される。
「フィーバータイム突入!」
その瞬間、京介のガジェットが爆発的に輝き、周囲の空間が一瞬で歪み始めた。モンスターが目の前で一瞬遅れたように止まり、彼のスキルが一気に発動する。
「おおっ!今だ!!」
スーパーフレイムバースト!
火の精霊が京介の周囲に集まり、彼の周囲を包み込むように火の刃が飛び交った。サラマンダーは瞬時にその熱波に呑み込まれ、激しい炎が広がる。
「ハァ、ハァ……どうだ、これで終わりだ!」
サラマンダーはその場で煙を上げながら崩れ落ち、京介はやっとのことで息を整えた。
---
4. 確変確率と京介の心情
ガジェットのスロットが再び回転を始め、今度は「確変モード」の文字が浮かんだ。確変に突入すると、すべてのスキルの威力が大幅に強化され、次のスロットのリールがほとんど止まらなくなる。
「よっしゃ、来たか!今度はバッチリ決めてやる!」
京介は興奮気味にレバーを引き、スロットが回転する音に耳を澄ませた。画面に「火炎魔法、回復魔法、斧技、スピードブースト、空白」の文字が浮かぶ。
「よっしゃ!全部揃ってくれよ!」
だが、結果は思わしくなかった。確変中にも関わらず、またしても「空白」が出てしまう。
「ちょっと待て!これ、確変の意味ないだろ!?」
それでも京介は次の瞬間、心の中で決意を固めた。
「いや、諦めない。次こそ、きっと当たる!」
彼は再びレバーを引く。確変のチャンスを信じて、運命を引き寄せようとする。
「スロットを引くことが俺の運命、か……。まあ、面倒くさいけど、これが俺のやり方だ。」
---
5. 激しい勝負の先に
そして、確変に突入したその瞬間、京介のガジェットから放たれた魔法と剣技は全ての敵を圧倒し、彼の周囲には強力な火の精霊たちが舞い踊り、全てを焼き尽くしていった。次々と発動するスキルにより、戦局は京介の完全勝利へと向かう。
「おいおい、これが俺の力だ!何度でもフィーバーしてやる!」
そして、フィーバータイムが終了すると、スロットが再び回転を始めた。勝者としての実感をしみじみと味わいながら、京介はこの先に何が待っているのか、興奮と不安が入り混じった気持ちで次の戦いを想像していた。
1. 星川の登場と京介への突っ込み
京介が戦いの後、ようやく息を整えて立ち上がったその瞬間、背後から軽快な足音が近づいてきた。
「ふぅ、やっと終わったか。まさか、こんなに簡単に倒せるとは思わなかったけど……。」
ガジェットの画面を覗き込んで次のスロットに備えながら、京介は自分を誇らしげに感じていた。しかし、その時、突然背後から声が聞こえる。
「ちょっと、あんた!何だよ、そのやり方!」
京介はすぐに振り返った。そこにいたのは、金色の髪をツインテールにした自信満々な少女。彼女の名は星川 紗彩。彼の異世界での相棒であり、何でもかんでも突っ込まずにはいられない性格だ。
「え?いや、何がだよ?」
京介は困惑しながらも、目をそらしつつ答える。しかし、星川はまるで彼が見ていないことを確認したかのように、前に出てきてはっきりと言い放つ。
「何がって、スロットだよ!お前、運だけで戦ってる気か?もっとちゃんと自分の力を使えよ!」
「は?何言ってんだよ、これが俺の力なんだろ!」
京介はそう返しながら、少しだけ焦りを感じた。実際、彼自身もこれが「運だけ」であることは理解している。だが、そう言われると少し気が引ける。なぜなら、彼はどこか運命に従っているような、運に頼った自分に少し後ろめたさを感じていたからだ。
「いやいや、運だけじゃないって!見てよ、これ!」
京介はガジェットを手に取って、再びスロットを引いた。今度こそ何か良い結果を得られると、半ば自信満々にレバーを引く。
「ガシャーン!」
画面に現れたのは、「空白、空白、火炎魔法、空白、空白」という結果だった。
「……。」
京介は一瞬、言葉を失った。もちろん、前回と同じ「空白」だったからだ。結果がまるで期待外れで、顔が引きつった。
「な、なんだよ!これ、絶対に俺の運命だろ!」
「ふぅん、運命ねぇ。」
星川はその京介の様子を冷静に見つめた後、言葉を続けた。
「いいか、京介。運命も確かに重要かもしれないけど、それだけに頼るのはどうかと思うよ。そんなに甘くないだろ、この世界。」
京介は少しムッとしたが、星川の言うことがまったく間違いではないこともわかっていた。しかし、彼の反論が頭の中を駆け巡る。
「俺だって…他にどうしろって言うんだよ!運頼みなんて嫌だけどさ、これが俺のスキルなんだからどうしようもねぇだろ!」
星川は不敵に笑う。
「それなら、それでいいけどさ。でもさ、運だけじゃ勝てないときもあるわけよ、わかる?」
星川は少し背筋を伸ばし、指をパチンと鳴らした。
「だから、あんたも少しは『ちゃんとした力』を身につけなさいよ!ギャンブルだけじゃなくてさ、戦う力だよ!この世界じゃ、それが必要だってわかってるでしょ?」
「……まあ、それは分かってるけどさ。」
京介は返す言葉を探しながら、星川の言葉を噛み締めた。しかし、正直なところ、まだ彼にはどこかで運任せな部分が残っていることを自覚していた。
「ま、俺は俺なりにやってみるよ。でも、今はこのスロットが役立ってくれてるしさ。」
「それでいいの?」
星川は少し眉をひそめて尋ねたが、すぐにため息をつき、肩をすくめた。
「もう、しょうがないなぁ。勝手にすれば。だけど、もし次も運だけで生き延びようとするなら、私は見放すからね!」
その挑戦的な言い回しに、京介は一瞬固まった。だが、すぐにニヤリと笑って答えた。
「それでいいんだよ。俺だって、ちゃんと考えながらやってるんだしな!」
星川は少し不安げな表情を浮かべたが、すぐにまた笑い、首を横に振った。
「はぁ、まあね。自信過剰もいいけど、調子に乗りすぎないようにね。」
「お前、ほんとにうるさいな。」
「それを言うなら、あんたもだよ。」
二人の軽口のやり取りに、周囲の静けさが少しだけ和らぐ。京介は再びガジェットを確認し、次に進む準備を整えた。
---
2. 星川の更なる突っ込み
その後も、二人は次の目的地に向かって歩き続けたが、途中で再び戦闘に巻き込まれる。小さなゴブリンの集団が出現したのだ。
「また戦うのか…!」
京介が手を腰にあて、戦闘準備を整えたそのとき、星川がさりげなく言う。
「おい、あんた、その前にさっきみたいに運任せのスロットだけで乗り切る気か?」
京介は冷や汗をかきながら、スロットを確認する。
「いや、それはさすがに無理だろ。今度はちゃんと戦うさ。わかってるよ。」
「なら、まずスロット引く前にちゃんと考えろよ。『これをやったらどうなるか』をさ。」
「お前、ほんとにうるさいな!」
その時、ゴブリンたちが一斉に動き出し、京介と星川に向かって駆け出した。京介は目を凝らしながらも、まだ不安を感じていた。
「うるさいって言ってもな…こんな時に限って、何もスキルが出ないとかあんだろ?」
「それなら、もう一度言うよ。運じゃなくて、お前の実力で戦え!」
星川の言葉に、京介は少しだけ顔を引き締めた。もう、運だけではどうにもならないのかもしれない。
彼は再びレバーを引いた。
1. 再び運命を引き寄せるスロット
「うるさいって言ってもな…こんな時に限って、何もスキルが出ないとかあんだろ?」
京介がガジェットのレバーを握りながら、ぼやくように口にする。しかし、その顔には焦りの色がにじみ出ていた。目の前では、ゴブリンの集団が奇声を上げながら次々と押し寄せてきている。
「それなら、もう一度言うよ。運じゃなくて、お前の実力で戦え!」
星川紗彩がきっぱりとした声で突っ込みを入れる。その言葉には彼女の厳しさと、どこか京介を思いやる優しさが混じっていた。
「実力って言われてもな……俺にはこのスロットしかねぇんだよ!」
京介は返す言葉を探しながらも、再びガジェットのレバーを引く。
ガシャガシャガシャ……カシャン!
スロットが止まり、画面に表示されたのは――またも「空白」。
「おいおい、勘弁してくれよ……!」
京介が頭を抱えると同時に、ゴブリンたちが間近に迫る。
---
2. 突如として現れる新たな影
その時だった。遠くから乾いた銃声が響き、ゴブリンの先頭を走っていた一体が倒れ込む。
「……え?」
京介と紗彩が驚きで振り返ると、そこには優雅に銃を構えた女性が立っていた。白銀の長い髪が風になびき、ゴールドの瞳が冷静に戦場を見つめている。その姿は、戦場に舞い降りた天使を思わせた。
「危ないところでしたね。お二人とも無事ですか?」
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アルテアが京介のガジェットに目を留めて尋ねる。
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京介は肩をすくめて答えた。それを聞いたアルテアは、ふと優しく笑った。
「運も立派な力ですよ。ただし、それを生かすのも殺すのもあなた次第です。」
「そう言われてもなぁ……」
京介がぼやくと、すかさず紗彩が突っ込む。
「ほら、あんたもアルテアさんみたいにちゃんと戦いなさいよ!運だけじゃなくて、少しは頭を使えっての!」
「うるせぇな!こっちだって一生懸命やってるんだよ!」
そんなやり取りを横目に、アルテアは再び銃を構えた。その銃口がゴブリンたちに向けられると、再び乾いた銃声が響く。
バン!バン!
連続で放たれた銃弾が、迫り来るゴブリンたちを的確に撃ち抜く。その正確無比な射撃に、京介も紗彩も言葉を失った。
---
3. 戦闘の終息とアルテアの助言
「ふぅ……これで大丈夫でしょう。」
アルテアが銃口を下ろすと同時に、戦場に静けさが戻る。彼女はそのまま京介たちの方に歩み寄り、静かに話しかけた。
「どうやらお二人とも、まだ旅の初心者のようですね。」
「そりゃそうだよ!俺なんて、いきなりこの世界に連れてこられたんだから!」
京介は思わず声を荒げた。しかし、アルテアはその言葉に動じることなく、柔らかな声で返した。
「異世界から来たのですね。それならなおさら、運命に翻弄されるのではなく、自分自身で道を切り開く力を身につけるべきです。」
その言葉に、京介は少しだけ考え込む。
「道を切り開く力……ね。」
「あなたには、そのための可能性があります。先ほどのスロットも、きっとその一部なのでしょう。」
アルテアは京介のガジェットに目を向けると、ふと微笑んだ。
「運命を操る力……それは時に、剣や魔法以上に強力なものになりますよ。」
「ほんとかよ……?」
京介は半信半疑ながらも、その言葉に少しだけ救われた気持ちになる。
---
4. 新たな決意
「ま、何にせよ。今の俺にはこれしかないんだから、これでやるしかねぇよな。」
京介は再びガジェットを握り、スロットを引いた。
ガシャガシャガシャ……カシャーン!
スロットが止まり、画面には「火炎魔法」と「スピードブースト」の文字が並んだ。それを見て、京介はニヤリと笑う。
「よし、次はもっと上手くやってやる!」
その表情を見たアルテアは満足げに頷き、紗彩は少し呆れながらも笑みを浮かべた。
「まぁ、あんたがやる気になったならいいけどね。でも、次こそはちゃんと考えて戦いなさいよ!」
「うるせぇっての!」
そんな二人のやり取りを聞きながら、アルテアはそっと銃をしまい、静かに歩き出す。
「さぁ、この先に何が待っているのか……楽しみですね。」
彼女の背中から感じられる気高さに、京介も紗彩もただただついていくしかなかった。
---
1. 星川の不満爆発
「はぁ~~~……まただよ、まったく!」
遠くのモンスターを倒し、ようやく一息つける状況になったところで、星川紗彩が突然深いため息をついた。両手を腰に当て、不満げな表情で京介を睨みつける。
「なんだよ、その溜息。俺、ちゃんとスロット回して戦っただろ?」
京介はガジェットをいじりながら振り返るが、その態度に紗彩の表情がさらに険しくなる。
「そういう問題じゃないの!あんた、いつもいつも運任せで、ちょっとは自分で何とかしようって気にならないの!?見てるこっちはハラハラしっぱなしなんだから!」
「いやいや、これが俺のスキルなんだって。運任せ以外の何があるんだよ?」
「だからって、それに頼りすぎなんだってば!さっきの戦闘だって、スロットが『空白』ばっかりだったらどうするつもりだったのよ!?」
紗彩の声が大きくなり、京介は思わず肩をすくめる。周囲の草原に彼女の声が響き渡り、鳥が驚いて飛び去っていった。
---
2. 紗彩の怒りの理由
紗彩は両腕を組み、顔をそむけながら怒りの続きをぶつける。
「それにね、あんたの戦い方って、なんかこう……ズルいのよ。私が剣で必死に戦ってる横で、スロット回してるだけって、どういうつもりなの?」
「おいおい、それ言うか?俺だって、ちゃんと考えてやってるんだぜ?」
「どこが!?」
紗彩はすかさず突っ込み、京介の胸を指さした。
「『空白』を三つも出して、その後に何とか火炎魔法で倒したけど、あんたがもっと早く動いてれば、私がこんなに苦労することもなかったの!」
「そりゃ仕方ないだろ……俺だって、どう出るか分からないんだからさ。」
京介は苦笑いしながらガジェットを見つめる。確かに彼女の言うことも一理あるが、スロットという運任せの力を手にした彼には、それ以上の方法が思い浮かばなかった。
---
3. 紗彩の心情と京介の返事
紗彩は大きく息を吐き出し、少し落ち着きを取り戻した。だが、京介に対する苛立ちはまだ収まらないようだった。
「本当にさ……こっちは命がけで戦ってるのよ。それなのに、あんたが適当にスロットを回して『何とかなる』って顔してると、正直ムカつくんだから。」
「適当じゃないって!俺なりに考えてるんだよ、一応。」
「『一応』じゃダメなの!私たち、チームなんだから。もっとちゃんと協力する気を見せてよ!」
紗彩の瞳には、彼女なりの真剣な思いが込められていた。京介はその視線にたじろぎながらも、思わず笑ってしまった。
「な、なんで笑うのよ!」
「いや……お前、そんな真面目に怒るのも珍しいなって思ってさ。」
「珍しい!?それだけあんたがいつもふざけてるからでしょうが!」
紗彩は顔を赤くして怒鳴りつける。その様子に、京介はさらに笑いそうになったが、何とかこらえた。
---
4. 星川の提案と京介の反応
少し沈黙が続いた後、紗彩はふと何かを思いついたように声を上げた。
「……いいわ、こうしましょう。」
「お?どうしましょうって?」
「次の戦闘では、私が指示するから、それに従ってみなさいよ。」
「はぁ?俺が?」
京介は驚きつつも、紗彩の提案に興味を示した。
「そうよ。あんたのスロットの結果がどう出るかなんて分からないんだから、その場その場で最善の行動を取るためには、ちゃんと私が指揮を取るべきだと思うの。」
「お前、それただ俺をコントロールしたいだけじゃねぇの?」
「違うわよ!……まぁ、少しはあるかもしれないけど。」
最後の一言が小声になったのを聞き逃さず、京介はニヤリと笑った。
「ほら、やっぱりそうじゃねぇか。ま、いいけどな。次の戦闘で指示してみなよ。」
---
5. 次の戦闘への準備
そうして、二人は次の目的地に向かって歩き出した。紗彩は腕を組みながら、少し得意げな表情を浮かべている。
「やっぱり、私の言うことを聞いてくれると、あんたも少しはまともになるんじゃない?」
「それで俺がもっと『まとも』になるなら、それでいいけどな。」
京介は軽い口調で答えたが、その表情にはどこか余裕が漂っていた。それを見た紗彩は、また一つ不満そうな声を漏らす。
「だから、その態度が気に入らないのよ!もっと真剣にやりなさいよ!」
「真剣にやってるってば。こう見えても、俺はお前以上に考えてるんだぞ?」
「絶対ウソ!」
二人の軽口が続く中、草原の向こうには新たな敵が待ち受けていた――。
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