144 / 290
法王依頼編 第六章:異世界にも日本文化の対戦競技があるらしい
店主、セレナと異世界の温泉に行く 3
しおりを挟む 白音といつきはひとしきり、泣いた。
現世風の料理を出してくれる店で、神一恵の想い出を語り合った。
女の子が大好きで、ちょっとスケベで、とても頼りになって、でもちょっと変態の神一恵のことを笑って語り合い、想いを馳せ、そしてまた泣いた。
泣くたびに、リプリンがふたりの背中をさすって慰め続けてくれた。
「あ……、わたしたち、男性に見えてるんだった……」
白音がふと我に返って辺りを見回す。
治安の悪いこの町で無用のトラブルを避けるため、三人はいつきの幻覚で正体を偽っている。
周囲の客からすれば、『むくつけきおっさん』三人が泣きじゃくって慰め合ってるように見えているはずだった。
そんなもの誰も見たくないだろう。
「大丈夫っす、おっさん三人組は途中から酔いつぶれて寝てる設定にしたっす」
「そう……、ありがとう。でも昼間からそんなに飲んでるなんて、どうなの………」
それはそれで白音からすれば異様なのだが、しかしここではそれはありふれた光景らしい。
誰も三人のことを気にしている様子はなかった。
「いいんだか、悪いんだか……」
泣くだけ泣いて少し落ち着いた白音たちは席を立つ。
かけがえのない仲間たちの行方を捜すため、何とか手がかりを見つけなければならない。
白音が勘定を済ませていると、いつきが律儀に頭を下げた。
「姐さんあざっす。ごちそうさまっす」
「そんなこといいのよ。このお金もいい使い方ができて良かったわ」
ついでに白音は店の人に、佳奈たちを見たことがないか聞いてみる。
全員の特徴を説明しようとするが、店員たちは片言の日本語しか理解できないようだった。
そこで白音は、この世界の人族の言語へと切り替えて詳しく聞き込みをする。
異世界人がこれだけ溢れている町でなら、多少魔族訛りがあったとしても『召喚英雄』ということでごまかせるだろう。
人を探したければ、本当はスマホの写真を見せた方が話は早いのかも知れない。
しかしここでそんなものを使って問題にならないのかまだよく分からないので、白音は言葉だけで何とか聞き込みをする。
少なくとも、まだ電池の切れていないスマホはかなりの貴重品のはずだった。
しかし残念ながら彼らが知っていたのは、荒野で白音が上げた巨大な魔力波と、いつきが扮した『疫病にかかった老齢の召喚英雄』の話だけだった。
つまり白音たち以外の『召喚英雄』は、誰も見かけていないということだ。
白音と店員たちのそのやり取りを、いつきが熱心に見つめている。
「ん? どうしたの、いつきちゃん?」
「いえ、普通に喋れてる姐さん、さすがっす」
白音が、外国語ですらない謎の言語で流暢に会話できていることを言っているらしい。
「このお金だって、どれがなんなのか僕にはさっぱりっす。金色の奴が高そうかな、くらいしか分かんないっすよ」
「ふふ、それは金貨ね。確かに高い奴かも。わたしが学んだのは随分昔の話だけど、あまり変わってないようで助かったわ。でもこんなの、ここに住んでれば誰でもできるようになることだから」
白音が魔族だった前世で訓練したことが役に立っていた。
人族社会に紛れ込んで諜報活動を行うために身につけたものだ。
人族と戦争をしていた魔族には、必要なことだった。
「姐さんは……、姐さんは、この世界の人の生まれ変わりなんすよね?」
少し遠慮がちにいつきがそう尋ねた。
「うん。まあ、ヒトじゃあないんだけどね?」
特に何か意味があって言ったわけではないのだが、白音は言った直後に余計なひと言だったと思った。
「ああ……」
案の定、いつきが返答に困ってしまった。
だがその少しの沈黙を、リプリンが盛大に茶化した。
「ヒトなのはいつきちゃんだけぇぇぇ!!」
「うわ、ホントっすね。少数派っす。ふふ」
白音はふたりの頭をくしゃくしゃと撫でて一緒に笑う。
白音は魔族の生まれ変わりだが、ヒトもスライムも彼女にとっては等しく愛しい存在だ。
「それで姐さん、これからどうするんすか?」
居酒屋兼ファミレス兼ファストフードみたいな店を後にすると、いつきが尋ねた。
「この町にはもう一軒、奴隷を扱うところがあるらしいの」
白音は、そこで情報を集める予定だったことをいつきに説明する。
「了解っす。ではそこへ向かいましょう……。あ、その前に、幻覚と変身を解いていいっすか? 魔力を温存しときたいんで」
チーム白音のメンバーは皆、星石と魂が融合している。
それは魔法少女としてはより大きな力を手にしたことを意味している。
変身していなくとも常に体内には魔力が巡り、簡単な魔法ならそのままでも使えるようになる。 魔法が日常となるのだ。
しかしいつきはそうではない。
魔法少女へと変身した時にのみ星石が体内へと取り込まれ、魔力を供給してくれる。
つまり変身していなければ魔法が使えないということだ。
そのような魔法少女たちはおおよそ、融合を果たした者たちと比べると魔力の総量は小さく、回復も遅い傾向にある。
いつきはもしもの時に備え、魔力を回復させて万全の状態でいたいと考えているのだ。
「もちろんよ。何かあったらわたしが対処するわ」
白音は少し大げさなくらいに胸を張って、任せてくれと請け合った。
いつきはここに来るまでずっと変身しっぱなしで、心休まらず、緊張していたんだろうなと思う。
白音が傍にいるので、安心してくれているんだろう。
白音ならば変身を解いていても、何か起これば十分に対処することができる。
変身を解いたいつきは紺色のイートンジャケットの制服を着ていた。
白音はいつきのその姿を、根来衆との戦いに赴く前にもちらっと見ている。
白音や佳奈、莉美が通っていた中学のものと似ていたので少し気になっていたのだが、やはり改めて近くで見ると、自分たちの母校『曙台中学』の制服に間違いない。
「それ、あけ中の制服よね?」
「そうっす」
いつきが少し照れたような表情を浮かべた。
「家出してからずっと中学行ってなかったんすけど、姐さんたちと同じ高校に行きたくて、ギルドに相談したら転入させてくれたんす」
いつきは白音たちのふたつ年下と聞いていたから、中学二年生になる。
なのに制服が真新しく、下ろし立てに見えたのはそういうわけだったらしい。
「偏差値調べたら、さすがに白音の姐さんの高校は無理だと思ったんすけど、なんとか勉強して佳奈姐さんたちと一緒に通えたらなぁって思って」
頑張って勉強しているいつきを想像すると、やはりこんな異世界に連れてきてよかったのだろうかと白音は自問してしまう。
ただ彼女が進学したらしたで、佳奈や莉美は異世界に行ってしまってもういません、となるのだろう。
それはそれでまた、どうなのかなとも思う。
「んじゃあ、こっちの世界でもわたしやそらちゃんが勉強見てあげるね」
「え?! あ、いや……。別に、勉強したかったわけでは…………」
ちょっと及び腰になったいつきの肩を、白音ががっしりと掴む。
「わたしたち、そういうのは慣れてるから任せて!!」
「あ、ああ……。はいっす」
多分パワハラではない、と思う。
白音の消耗はさほどではなく、むしろ魔法少女の姿でいると、生み出される魔力の方が多くて有り余ってしまう。
しかしそれでも変身を解くと緊張から解放されて少しほっとする。
いつきと共にひと息ついていると、にっこりと笑ったリプリンと目が合った。
正直なところ、白音には魔法少女となったスライムであるリプリンの感覚はよく分からない。
しかし自分たちと同じように、変身を解けばやはり気が休まるのだろうかとふと思った。
もしそうなら、彼女の服を買ってこないといけないだろう。
何しろ彼女は……。
もう一度リプリンがにっこりと笑った。
「んじゃあ、わたしも変身解くねっ!!」
リプリンがそう言うと、防寒着の下でコスチュームが光の粒子に変じて変身が解けていくのが分かる。
「あ……、ちょっ!?」
感覚とか、気持ちとか、そういうことではない。
白音がそうするからリプリンもそうするのだ。それを忘れていた。
白音は慌てた。リプリンは素っ裸から変身したはずである。
それを忘れてはならない。
変身を解けば当然何も身につけていないだろう。
素っ裸に上着だけなどと、ただの変質者である。
だがリプリンは、さらに得意げに上着まで脱ぎ去る。
「そんなことしちゃだめっ!!」
白音が慌てて止めようとしたが間に合わなかった。
現世風の料理を出してくれる店で、神一恵の想い出を語り合った。
女の子が大好きで、ちょっとスケベで、とても頼りになって、でもちょっと変態の神一恵のことを笑って語り合い、想いを馳せ、そしてまた泣いた。
泣くたびに、リプリンがふたりの背中をさすって慰め続けてくれた。
「あ……、わたしたち、男性に見えてるんだった……」
白音がふと我に返って辺りを見回す。
治安の悪いこの町で無用のトラブルを避けるため、三人はいつきの幻覚で正体を偽っている。
周囲の客からすれば、『むくつけきおっさん』三人が泣きじゃくって慰め合ってるように見えているはずだった。
そんなもの誰も見たくないだろう。
「大丈夫っす、おっさん三人組は途中から酔いつぶれて寝てる設定にしたっす」
「そう……、ありがとう。でも昼間からそんなに飲んでるなんて、どうなの………」
それはそれで白音からすれば異様なのだが、しかしここではそれはありふれた光景らしい。
誰も三人のことを気にしている様子はなかった。
「いいんだか、悪いんだか……」
泣くだけ泣いて少し落ち着いた白音たちは席を立つ。
かけがえのない仲間たちの行方を捜すため、何とか手がかりを見つけなければならない。
白音が勘定を済ませていると、いつきが律儀に頭を下げた。
「姐さんあざっす。ごちそうさまっす」
「そんなこといいのよ。このお金もいい使い方ができて良かったわ」
ついでに白音は店の人に、佳奈たちを見たことがないか聞いてみる。
全員の特徴を説明しようとするが、店員たちは片言の日本語しか理解できないようだった。
そこで白音は、この世界の人族の言語へと切り替えて詳しく聞き込みをする。
異世界人がこれだけ溢れている町でなら、多少魔族訛りがあったとしても『召喚英雄』ということでごまかせるだろう。
人を探したければ、本当はスマホの写真を見せた方が話は早いのかも知れない。
しかしここでそんなものを使って問題にならないのかまだよく分からないので、白音は言葉だけで何とか聞き込みをする。
少なくとも、まだ電池の切れていないスマホはかなりの貴重品のはずだった。
しかし残念ながら彼らが知っていたのは、荒野で白音が上げた巨大な魔力波と、いつきが扮した『疫病にかかった老齢の召喚英雄』の話だけだった。
つまり白音たち以外の『召喚英雄』は、誰も見かけていないということだ。
白音と店員たちのそのやり取りを、いつきが熱心に見つめている。
「ん? どうしたの、いつきちゃん?」
「いえ、普通に喋れてる姐さん、さすがっす」
白音が、外国語ですらない謎の言語で流暢に会話できていることを言っているらしい。
「このお金だって、どれがなんなのか僕にはさっぱりっす。金色の奴が高そうかな、くらいしか分かんないっすよ」
「ふふ、それは金貨ね。確かに高い奴かも。わたしが学んだのは随分昔の話だけど、あまり変わってないようで助かったわ。でもこんなの、ここに住んでれば誰でもできるようになることだから」
白音が魔族だった前世で訓練したことが役に立っていた。
人族社会に紛れ込んで諜報活動を行うために身につけたものだ。
人族と戦争をしていた魔族には、必要なことだった。
「姐さんは……、姐さんは、この世界の人の生まれ変わりなんすよね?」
少し遠慮がちにいつきがそう尋ねた。
「うん。まあ、ヒトじゃあないんだけどね?」
特に何か意味があって言ったわけではないのだが、白音は言った直後に余計なひと言だったと思った。
「ああ……」
案の定、いつきが返答に困ってしまった。
だがその少しの沈黙を、リプリンが盛大に茶化した。
「ヒトなのはいつきちゃんだけぇぇぇ!!」
「うわ、ホントっすね。少数派っす。ふふ」
白音はふたりの頭をくしゃくしゃと撫でて一緒に笑う。
白音は魔族の生まれ変わりだが、ヒトもスライムも彼女にとっては等しく愛しい存在だ。
「それで姐さん、これからどうするんすか?」
居酒屋兼ファミレス兼ファストフードみたいな店を後にすると、いつきが尋ねた。
「この町にはもう一軒、奴隷を扱うところがあるらしいの」
白音は、そこで情報を集める予定だったことをいつきに説明する。
「了解っす。ではそこへ向かいましょう……。あ、その前に、幻覚と変身を解いていいっすか? 魔力を温存しときたいんで」
チーム白音のメンバーは皆、星石と魂が融合している。
それは魔法少女としてはより大きな力を手にしたことを意味している。
変身していなくとも常に体内には魔力が巡り、簡単な魔法ならそのままでも使えるようになる。 魔法が日常となるのだ。
しかしいつきはそうではない。
魔法少女へと変身した時にのみ星石が体内へと取り込まれ、魔力を供給してくれる。
つまり変身していなければ魔法が使えないということだ。
そのような魔法少女たちはおおよそ、融合を果たした者たちと比べると魔力の総量は小さく、回復も遅い傾向にある。
いつきはもしもの時に備え、魔力を回復させて万全の状態でいたいと考えているのだ。
「もちろんよ。何かあったらわたしが対処するわ」
白音は少し大げさなくらいに胸を張って、任せてくれと請け合った。
いつきはここに来るまでずっと変身しっぱなしで、心休まらず、緊張していたんだろうなと思う。
白音が傍にいるので、安心してくれているんだろう。
白音ならば変身を解いていても、何か起これば十分に対処することができる。
変身を解いたいつきは紺色のイートンジャケットの制服を着ていた。
白音はいつきのその姿を、根来衆との戦いに赴く前にもちらっと見ている。
白音や佳奈、莉美が通っていた中学のものと似ていたので少し気になっていたのだが、やはり改めて近くで見ると、自分たちの母校『曙台中学』の制服に間違いない。
「それ、あけ中の制服よね?」
「そうっす」
いつきが少し照れたような表情を浮かべた。
「家出してからずっと中学行ってなかったんすけど、姐さんたちと同じ高校に行きたくて、ギルドに相談したら転入させてくれたんす」
いつきは白音たちのふたつ年下と聞いていたから、中学二年生になる。
なのに制服が真新しく、下ろし立てに見えたのはそういうわけだったらしい。
「偏差値調べたら、さすがに白音の姐さんの高校は無理だと思ったんすけど、なんとか勉強して佳奈姐さんたちと一緒に通えたらなぁって思って」
頑張って勉強しているいつきを想像すると、やはりこんな異世界に連れてきてよかったのだろうかと白音は自問してしまう。
ただ彼女が進学したらしたで、佳奈や莉美は異世界に行ってしまってもういません、となるのだろう。
それはそれでまた、どうなのかなとも思う。
「んじゃあ、こっちの世界でもわたしやそらちゃんが勉強見てあげるね」
「え?! あ、いや……。別に、勉強したかったわけでは…………」
ちょっと及び腰になったいつきの肩を、白音ががっしりと掴む。
「わたしたち、そういうのは慣れてるから任せて!!」
「あ、ああ……。はいっす」
多分パワハラではない、と思う。
白音の消耗はさほどではなく、むしろ魔法少女の姿でいると、生み出される魔力の方が多くて有り余ってしまう。
しかしそれでも変身を解くと緊張から解放されて少しほっとする。
いつきと共にひと息ついていると、にっこりと笑ったリプリンと目が合った。
正直なところ、白音には魔法少女となったスライムであるリプリンの感覚はよく分からない。
しかし自分たちと同じように、変身を解けばやはり気が休まるのだろうかとふと思った。
もしそうなら、彼女の服を買ってこないといけないだろう。
何しろ彼女は……。
もう一度リプリンがにっこりと笑った。
「んじゃあ、わたしも変身解くねっ!!」
リプリンがそう言うと、防寒着の下でコスチュームが光の粒子に変じて変身が解けていくのが分かる。
「あ……、ちょっ!?」
感覚とか、気持ちとか、そういうことではない。
白音がそうするからリプリンもそうするのだ。それを忘れていた。
白音は慌てた。リプリンは素っ裸から変身したはずである。
それを忘れてはならない。
変身を解けば当然何も身につけていないだろう。
素っ裸に上着だけなどと、ただの変質者である。
だがリプリンは、さらに得意げに上着まで脱ぎ去る。
「そんなことしちゃだめっ!!」
白音が慌てて止めようとしたが間に合わなかった。
0
お気に入りに追加
270
あなたにおすすめの小説
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる