73 / 290
巨塊討伐編 第二章:異世界と縁を切りたい店主が、異世界に絡み始める
休店開業 の再開 4
しおりを挟む
一階の作業場に着いた三人。作業の心得などがないブレイドは、目の前にある材料の数々の山をこれからどのようにして同じような道具が出来上がるのか見当もつかない。
「セレナ。俺が頼んだ条件を持ってる材料候補はこれが全部だな」
「えぇ。でもこれを作るのにこんなにたくさん用意するものなの?」
七種類の色の宝石が色の違いが分かるように種類ごとに箱の中に入れられ積まれている。他にもクッションと金属板、はめ込みの金属も幾種類かに分類され、やはり宝石と同じように箱詰めで積まれていた。
「さぁて……まずは見本の防具の効力は何を図ったものかを見極めなきゃな。それから土台とクッションの素材選びの後で宝石選びか」
「……何か手伝うことない?」
セレナが恐る恐る聞いて来る。これからの手伝いでどんなことをしてもらえるかは店主にも予想はつかない。
選別される材料はわずか。山ほど目の前にある素材はまた倉庫に逆戻りになる。
これだけ多くの材料を持ち出して来たのだから、倉庫に戻す作業も必要になる。
その作業だけでも店主には十分有り難かった。彼女がいなければ素材集めはまだ終わっていなかっただろう。
「まず天井近くまで積まれている箱には何が入ってるかを見たい。つか、どうやって積み上げたんだよこれ」
店主の身長を考えると確かに不思議なことだろうが、セレナが背伸びして上に向かって腕を伸ばせば普通に出来る作業。
「俺も何か手伝うか?」
「見本をなくさないようにする以外に役に立たん。リーダーはそいつをしっかり持ってそこらで座ってろ。」
対してブレイドには辛辣である。
こうして店長の、スウォードの防具作りが始まった。
──────────────────────
約七時間後、防具は完成した。
時間を要する溶接や接着は、セレナの加熱と冷却の術で時間を短縮。
店長の作業を後ろで見るしかできないブレイドは「なんで俺達のはこんな風にすぐに完成しないんだ?」と何やらぶつくさこぼしている。
形、大きさ、外見すべてブレイドが手にしているものとほぼ同じ。
ブレイドがその手から防具を落としたら、きっと見分けはつかないだろう。審判係のブレイドに奇妙な緊張感が生まれて来る。
「よーし、上に持っていくぞ。こんな面倒な依頼とっとと終わらせようぜ!」
「待てよテンシュ! そのまま待ってったら! ちょっ」
「いいんじゃない? テンシュがどうなるかちょっと見物(みもの)かも」
ブレイドは両肩を落としため息一つ。そして後ろから声をかけて来たセレナの方を見て、また一つ。
階段を上がろうとしたブレイドはその動きを一瞬止め、道具作りの前まで白熱した話題を再びセレナに持ち出した。
「ウィリックの件、落ち着いたか?」
背中越しに声をかけられたセレナは俯いて少し沈黙する。
「……二人で帰って来た時も、テンシュは今みたいに真剣な顔して仕事してた。あのふざけたことばかり言うテンシュも、仕事中のテンシュも、どっちも普通のテンシュの姿なんじゃないかって、そんなこと思った」
ブレイドは、そのまま黙ってセレナの言葉に耳を傾けている。
「テンシュってさ、ブレないんだよね。私達冒険者も活動してる間は目的は絶対ブレない。そんなことをしたらチームが全滅することもあるし、実際帰って来ないチームもいた。私自身も危ない目に遭ったことは数え切れないほどあった」
「あぁ。だが俺達がブレない姿勢をとれるのは、活動している間だけなんだよな。活動完了して帰ってきたら飲んで食って寝る。余暇を思いっきり楽しむ。そんなメリハリつけた生活が出来る連中が強くなるのも確かだが……」
「うん、でもテンシュってば、ずっと強いまんまなんだよね……。ちょっとヘンなのは私が原因つくっちゃったから反省してるけど、ヘンなこと言いだすととことんヘンなこと言い続けるし……」
すでに店長の姿が見えない階段の上の方から「お前ら早く上がって来い!」という店長の呼びかけが来るまで、二人は二階を見上げていた。
二人が二階に上がると、店長の真正面に座っているスウォードが頭痛を抑えるように額に手のひらを当てているのが目に入る。
「どうしたの? 頭痛いの?」
「あぁ……。なんでこんな本物当てクイズみたいなことしたのかなってな。出題者がヘンだったのが理由なんだが」
セレナがスウォードに心配そうに声をかける。
スウォードからの返事を聞いてテンシュの方を見ると、テンシュもスウォードの態度が理解できない様子。
「セレナ、あなた大丈夫?」
「え? あ、うん。心配してくれてありがと。……後でテンシュにも伝えるつもりだから。……ごめんね、キューリア」
心配するキューリアは、返事をしたセレナに安心する。元気が出たかどうかはともかく、いつものセレナに戻っているように感じた。
「でお客人、あんたの頭痛はともかく、どれがお前のかわかるか? 当てたらサービス。外したらペナルティだぜ」
店長に挑発されたスウォードは、頭から離してそのまま装備品のうちの一つに手を伸ばす。
「これだろ。……テンシュさんよ、あんたバカだろ」
「な……何で……わかった……」
あっさりと見破られて愕然とする店長。誰から見ても、腕に選りをかけて店長が作った物と彼の装備品は瓜二つ。どっちがどっちかわからない。その答えが分かるのは間違いなく自分だけ。にもかかわらずあっさりと見破られた。
「あんたさぁ……」
スウォードは脱力感たっぷりに頭をがっくりと下げた。
「あんたが持ってきた物は二つ。ブレイクが持ってきた物は一つ。俺の物はブレイクに預けただろ。下から真っ先に慌ただしく上がって来たのもあんただし、しかも二つ持ってきてるし」
スウォードの物はそっちですよ。俺が作ったのはこれですよ。
そんなアピールをしながら、出題者である店主が一階から上がってきたようなもの。
これは店主が迂闊だった。
見破られない自信はたっぷりあったし、実際そんなことがなければ正解するのは運任せ以外になかった。
「……う、うん。まぁ正解なんだが……。じゃ、この二つ、セットで差し上げよう……」
「お、おぅ……。アリガトウゴザイマス……」
今朝の険悪な雰囲気はすっかり消えた二階。
誰から何をどう切り出すか、全員が無言で譲り合っているような空気。
「と、とりあえず本物とテンシュが作った物との見分けは、実はできてないんだが、どう違うのか教えてもらえないだろうか」
店長への態度がすっかり変わったようなスウォード。誰もがその心境の変化に戸惑うが、スウォードが求める説明の方へ、二階にいる全員が強い関心を示す。
「あー……。じゃあちと説明するか……道具の説明の前に、道具が持つべき力ってこうであるべきだって思うことがあってな。これはセレナからもそうだが、みんなからも意見を聞きたいところなんだが」
店長に説明を求めたはずが、意見を求められている。
ますます全員が、店長がこれから始める話に興味を持ち始める。
「セレナ。俺が頼んだ条件を持ってる材料候補はこれが全部だな」
「えぇ。でもこれを作るのにこんなにたくさん用意するものなの?」
七種類の色の宝石が色の違いが分かるように種類ごとに箱の中に入れられ積まれている。他にもクッションと金属板、はめ込みの金属も幾種類かに分類され、やはり宝石と同じように箱詰めで積まれていた。
「さぁて……まずは見本の防具の効力は何を図ったものかを見極めなきゃな。それから土台とクッションの素材選びの後で宝石選びか」
「……何か手伝うことない?」
セレナが恐る恐る聞いて来る。これからの手伝いでどんなことをしてもらえるかは店主にも予想はつかない。
選別される材料はわずか。山ほど目の前にある素材はまた倉庫に逆戻りになる。
これだけ多くの材料を持ち出して来たのだから、倉庫に戻す作業も必要になる。
その作業だけでも店主には十分有り難かった。彼女がいなければ素材集めはまだ終わっていなかっただろう。
「まず天井近くまで積まれている箱には何が入ってるかを見たい。つか、どうやって積み上げたんだよこれ」
店主の身長を考えると確かに不思議なことだろうが、セレナが背伸びして上に向かって腕を伸ばせば普通に出来る作業。
「俺も何か手伝うか?」
「見本をなくさないようにする以外に役に立たん。リーダーはそいつをしっかり持ってそこらで座ってろ。」
対してブレイドには辛辣である。
こうして店長の、スウォードの防具作りが始まった。
──────────────────────
約七時間後、防具は完成した。
時間を要する溶接や接着は、セレナの加熱と冷却の術で時間を短縮。
店長の作業を後ろで見るしかできないブレイドは「なんで俺達のはこんな風にすぐに完成しないんだ?」と何やらぶつくさこぼしている。
形、大きさ、外見すべてブレイドが手にしているものとほぼ同じ。
ブレイドがその手から防具を落としたら、きっと見分けはつかないだろう。審判係のブレイドに奇妙な緊張感が生まれて来る。
「よーし、上に持っていくぞ。こんな面倒な依頼とっとと終わらせようぜ!」
「待てよテンシュ! そのまま待ってったら! ちょっ」
「いいんじゃない? テンシュがどうなるかちょっと見物(みもの)かも」
ブレイドは両肩を落としため息一つ。そして後ろから声をかけて来たセレナの方を見て、また一つ。
階段を上がろうとしたブレイドはその動きを一瞬止め、道具作りの前まで白熱した話題を再びセレナに持ち出した。
「ウィリックの件、落ち着いたか?」
背中越しに声をかけられたセレナは俯いて少し沈黙する。
「……二人で帰って来た時も、テンシュは今みたいに真剣な顔して仕事してた。あのふざけたことばかり言うテンシュも、仕事中のテンシュも、どっちも普通のテンシュの姿なんじゃないかって、そんなこと思った」
ブレイドは、そのまま黙ってセレナの言葉に耳を傾けている。
「テンシュってさ、ブレないんだよね。私達冒険者も活動してる間は目的は絶対ブレない。そんなことをしたらチームが全滅することもあるし、実際帰って来ないチームもいた。私自身も危ない目に遭ったことは数え切れないほどあった」
「あぁ。だが俺達がブレない姿勢をとれるのは、活動している間だけなんだよな。活動完了して帰ってきたら飲んで食って寝る。余暇を思いっきり楽しむ。そんなメリハリつけた生活が出来る連中が強くなるのも確かだが……」
「うん、でもテンシュってば、ずっと強いまんまなんだよね……。ちょっとヘンなのは私が原因つくっちゃったから反省してるけど、ヘンなこと言いだすととことんヘンなこと言い続けるし……」
すでに店長の姿が見えない階段の上の方から「お前ら早く上がって来い!」という店長の呼びかけが来るまで、二人は二階を見上げていた。
二人が二階に上がると、店長の真正面に座っているスウォードが頭痛を抑えるように額に手のひらを当てているのが目に入る。
「どうしたの? 頭痛いの?」
「あぁ……。なんでこんな本物当てクイズみたいなことしたのかなってな。出題者がヘンだったのが理由なんだが」
セレナがスウォードに心配そうに声をかける。
スウォードからの返事を聞いてテンシュの方を見ると、テンシュもスウォードの態度が理解できない様子。
「セレナ、あなた大丈夫?」
「え? あ、うん。心配してくれてありがと。……後でテンシュにも伝えるつもりだから。……ごめんね、キューリア」
心配するキューリアは、返事をしたセレナに安心する。元気が出たかどうかはともかく、いつものセレナに戻っているように感じた。
「でお客人、あんたの頭痛はともかく、どれがお前のかわかるか? 当てたらサービス。外したらペナルティだぜ」
店長に挑発されたスウォードは、頭から離してそのまま装備品のうちの一つに手を伸ばす。
「これだろ。……テンシュさんよ、あんたバカだろ」
「な……何で……わかった……」
あっさりと見破られて愕然とする店長。誰から見ても、腕に選りをかけて店長が作った物と彼の装備品は瓜二つ。どっちがどっちかわからない。その答えが分かるのは間違いなく自分だけ。にもかかわらずあっさりと見破られた。
「あんたさぁ……」
スウォードは脱力感たっぷりに頭をがっくりと下げた。
「あんたが持ってきた物は二つ。ブレイクが持ってきた物は一つ。俺の物はブレイクに預けただろ。下から真っ先に慌ただしく上がって来たのもあんただし、しかも二つ持ってきてるし」
スウォードの物はそっちですよ。俺が作ったのはこれですよ。
そんなアピールをしながら、出題者である店主が一階から上がってきたようなもの。
これは店主が迂闊だった。
見破られない自信はたっぷりあったし、実際そんなことがなければ正解するのは運任せ以外になかった。
「……う、うん。まぁ正解なんだが……。じゃ、この二つ、セットで差し上げよう……」
「お、おぅ……。アリガトウゴザイマス……」
今朝の険悪な雰囲気はすっかり消えた二階。
誰から何をどう切り出すか、全員が無言で譲り合っているような空気。
「と、とりあえず本物とテンシュが作った物との見分けは、実はできてないんだが、どう違うのか教えてもらえないだろうか」
店長への態度がすっかり変わったようなスウォード。誰もがその心境の変化に戸惑うが、スウォードが求める説明の方へ、二階にいる全員が強い関心を示す。
「あー……。じゃあちと説明するか……道具の説明の前に、道具が持つべき力ってこうであるべきだって思うことがあってな。これはセレナからもそうだが、みんなからも意見を聞きたいところなんだが」
店長に説明を求めたはずが、意見を求められている。
ますます全員が、店長がこれから始める話に興味を持ち始める。
0
お気に入りに追加
270
あなたにおすすめの小説
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる