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番外編 この世界で唯一前世の記憶を持つダークエルフ編
宿とこの街にて その2
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ここに来るまで親切にしてくれた御者のワッキャムさんが進めてくれた宿、『安ら木荘』に入ってみた。
一階は宿の受け付けがあるんだけど、その脇は酒場になってる。
ワッキャムさんが言う通り、冒険者達ご用達っぽく、酒盛りしてる冒険者達で席が八割方埋まってた。
晩ご飯を食べようと思ったけど、受け付けの時間が終わってたり満室になってたりしたら本末転倒。
まずは宿の受付へ。
「はい、いらっしゃい……ませ……」
受け付けの人は、あたしと目が合ったとたんに口が重くなった。
そりゃダークエルフって珍しい種族なら、驚きもするでしょうけど……。
「ご用件は?」
この一言は、思いっきり無愛想な言い方になってる。
驚いたわけでもなさそうだ。
「宿泊を……二泊したいと思ってま」、
「八万円ね」
「え?」
えっと……一泊二万円を目安って言ってたよね? ワッキャムさん。
四万円あったらお釣りがくると思うんだけど、お釣りがくるどころか倍になってるし。
「八万円。それが嫌なら別の宿に行きな」
「あ、あの……一泊二万円しないって話を聞いたんですが」
「……ふん。そりゃ一般の個室だよ。そんな部屋には泊めさせられねぇからな。個室より豪華な特別室は一泊四万円」
何を言ってるんだろう? この受け付けは。
そんな部屋を用意してもらうつもりは毛頭ないのに。
「一般の個室は……」
「あんた、色黒だけどエルフだろ? エルフには一般の個室は用意させられねぇの」
こちらの事情を聴く前に頭ごなしに決め付けられるのは、かなり問題だと思うんだけど。
治安はいいそうだけど、受付がこんな態度じゃいい宿とは言えないんじゃないかな?
ワッキャムさんも、宿を見る目がなかったってことなのかな。
「冒険者のパーティ単位で泊まる分には何の文句も言われねぇんだが、個人で利用する奴らは一般の個室には何だかんだと文句をつける。特別室を用意すりゃ、今度は料金が高いってごねるしよ。気位は高いのは知ってるが、あれじゃ営業妨害を目的に宿を利用してるようなもんだ。だから一般の個室は使わせねぇ。それだけだ」
仕方がない。
他の宿を見てみようかな。
せっかくワッキャムさんに紹介してもらった宿なんだけど。
「あぁ、言っとくが組合所属の宿はどこもそんなもんだぜ? 料金は宿によって違うがな。もちろん格安の宿もあるが、組合に加入してないところも多いし、朝になるまで無事でいられるかどうかも分からんぜ? しかも過剰防衛しようものならすぐにお縄につくだろうしよ。……どうするよ?」
どうすると言われても……。
野宿なら誰からも文句は言われないだろうけど、するなら街門の外。
でももうすでに二十万円支払っている。
また入る時には、また二十万支払わなきゃならない。
十万円戻ってくるにしても、所持金が目に見えて減っていくのはかなりまずい。
「……八万円、ですね。……はい」
「はい、毎度。飯はそこの酒場んとこでどうぞ。料金はこことは別だからな」
長老達のことを考えると、心苦しい一日……いや、午後だった。
酒場とは低い仕切りで区切られていて、装飾された門戸を通って出入りできるようになっている。
だから受付から酒場の様子は見えるし、その逆もできる。
仕切り越しに会話する人もいるし、まぁ賑やかな事には違いない。
「とりあえず、晩ご飯は食べとかないと……」
酒場に入ると、客達は一斉にあたしに注目する。
けど誰からも話しかけられることはなく、遠巻きに見られてるだけ。
珍しい種族だからしょうがないか。
あたしだって、珍しい種族を目にしたらじろじろ見ちゃうかもしれないし。
「空いてる席は……奥の方の二人掛けのテーブルが空いてるわね。あ、壁にメニューも書いてあるみたいだし、そこにしよっか」
と思って近づいてみたら……。
「……メニューと思ったら、掲示板だった。冒険者への依頼かぁ……あれ?」
依頼のメモがたくさん張られてある中で、絵が描かれている依頼に赤くて太いバツが重ねて書かれている。
その上か下か、依頼完了の文字も書かれている。
その絵は飛竜。
バツと文字が書かれているせいで、依頼内容は読みにくい。
けど、あたしが光の弓矢で仕留めた奴っぽい。
「募集人員の目安は五十人……。確か大勢で討伐しに来たって言ってたわよね」
昨夜、というか、今日未明。
木を牛ったあたしを解放してくれた冒険者達が、そんなことを言ってたような気がする。
「……賞金……二百五十万円?!」
思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
そのせいでまたも注目を浴びてしまった。
「あ……失礼しました……」
客達の方に顔を向け、それでも誰にも目を合わせずにポツリと一言。
何か言わずにいられなかったし。
けど、あれ一体仕留めただけで長老が苦労して集めてくれた金額をあっさり超えるのを知ったら、そりゃ驚くよ。
でも、もう誰かの手に渡ったんだろうから、今更どうこう言ってもしょうがない。
それに現実を見れば、あの光の弓矢を使えば強制的に気を失ってしまう。
介抱してくれる人がいない限り、その賞金を手に入れることは多分できない。
「でも……見たところ、いくつか依頼をこなせば、今までの出費を超える収入は得られそうね……」
けど、誰でも依頼を受けることができるかどうか。
もしできないのなら、できるようになる方法を誰かから教わりさえすれば……。
「そのためにも、まずは晩ご飯、かな。メニューはっと……すいませーん」
宿泊の予約は、まずは二泊。
どうやら、宿泊の延長も申し込む必要がでてきたわね。
一階は宿の受け付けがあるんだけど、その脇は酒場になってる。
ワッキャムさんが言う通り、冒険者達ご用達っぽく、酒盛りしてる冒険者達で席が八割方埋まってた。
晩ご飯を食べようと思ったけど、受け付けの時間が終わってたり満室になってたりしたら本末転倒。
まずは宿の受付へ。
「はい、いらっしゃい……ませ……」
受け付けの人は、あたしと目が合ったとたんに口が重くなった。
そりゃダークエルフって珍しい種族なら、驚きもするでしょうけど……。
「ご用件は?」
この一言は、思いっきり無愛想な言い方になってる。
驚いたわけでもなさそうだ。
「宿泊を……二泊したいと思ってま」、
「八万円ね」
「え?」
えっと……一泊二万円を目安って言ってたよね? ワッキャムさん。
四万円あったらお釣りがくると思うんだけど、お釣りがくるどころか倍になってるし。
「八万円。それが嫌なら別の宿に行きな」
「あ、あの……一泊二万円しないって話を聞いたんですが」
「……ふん。そりゃ一般の個室だよ。そんな部屋には泊めさせられねぇからな。個室より豪華な特別室は一泊四万円」
何を言ってるんだろう? この受け付けは。
そんな部屋を用意してもらうつもりは毛頭ないのに。
「一般の個室は……」
「あんた、色黒だけどエルフだろ? エルフには一般の個室は用意させられねぇの」
こちらの事情を聴く前に頭ごなしに決め付けられるのは、かなり問題だと思うんだけど。
治安はいいそうだけど、受付がこんな態度じゃいい宿とは言えないんじゃないかな?
ワッキャムさんも、宿を見る目がなかったってことなのかな。
「冒険者のパーティ単位で泊まる分には何の文句も言われねぇんだが、個人で利用する奴らは一般の個室には何だかんだと文句をつける。特別室を用意すりゃ、今度は料金が高いってごねるしよ。気位は高いのは知ってるが、あれじゃ営業妨害を目的に宿を利用してるようなもんだ。だから一般の個室は使わせねぇ。それだけだ」
仕方がない。
他の宿を見てみようかな。
せっかくワッキャムさんに紹介してもらった宿なんだけど。
「あぁ、言っとくが組合所属の宿はどこもそんなもんだぜ? 料金は宿によって違うがな。もちろん格安の宿もあるが、組合に加入してないところも多いし、朝になるまで無事でいられるかどうかも分からんぜ? しかも過剰防衛しようものならすぐにお縄につくだろうしよ。……どうするよ?」
どうすると言われても……。
野宿なら誰からも文句は言われないだろうけど、するなら街門の外。
でももうすでに二十万円支払っている。
また入る時には、また二十万支払わなきゃならない。
十万円戻ってくるにしても、所持金が目に見えて減っていくのはかなりまずい。
「……八万円、ですね。……はい」
「はい、毎度。飯はそこの酒場んとこでどうぞ。料金はこことは別だからな」
長老達のことを考えると、心苦しい一日……いや、午後だった。
酒場とは低い仕切りで区切られていて、装飾された門戸を通って出入りできるようになっている。
だから受付から酒場の様子は見えるし、その逆もできる。
仕切り越しに会話する人もいるし、まぁ賑やかな事には違いない。
「とりあえず、晩ご飯は食べとかないと……」
酒場に入ると、客達は一斉にあたしに注目する。
けど誰からも話しかけられることはなく、遠巻きに見られてるだけ。
珍しい種族だからしょうがないか。
あたしだって、珍しい種族を目にしたらじろじろ見ちゃうかもしれないし。
「空いてる席は……奥の方の二人掛けのテーブルが空いてるわね。あ、壁にメニューも書いてあるみたいだし、そこにしよっか」
と思って近づいてみたら……。
「……メニューと思ったら、掲示板だった。冒険者への依頼かぁ……あれ?」
依頼のメモがたくさん張られてある中で、絵が描かれている依頼に赤くて太いバツが重ねて書かれている。
その上か下か、依頼完了の文字も書かれている。
その絵は飛竜。
バツと文字が書かれているせいで、依頼内容は読みにくい。
けど、あたしが光の弓矢で仕留めた奴っぽい。
「募集人員の目安は五十人……。確か大勢で討伐しに来たって言ってたわよね」
昨夜、というか、今日未明。
木を牛ったあたしを解放してくれた冒険者達が、そんなことを言ってたような気がする。
「……賞金……二百五十万円?!」
思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
そのせいでまたも注目を浴びてしまった。
「あ……失礼しました……」
客達の方に顔を向け、それでも誰にも目を合わせずにポツリと一言。
何か言わずにいられなかったし。
けど、あれ一体仕留めただけで長老が苦労して集めてくれた金額をあっさり超えるのを知ったら、そりゃ驚くよ。
でも、もう誰かの手に渡ったんだろうから、今更どうこう言ってもしょうがない。
それに現実を見れば、あの光の弓矢を使えば強制的に気を失ってしまう。
介抱してくれる人がいない限り、その賞金を手に入れることは多分できない。
「でも……見たところ、いくつか依頼をこなせば、今までの出費を超える収入は得られそうね……」
けど、誰でも依頼を受けることができるかどうか。
もしできないのなら、できるようになる方法を誰かから教わりさえすれば……。
「そのためにも、まずは晩ご飯、かな。メニューはっと……すいませーん」
宿泊の予約は、まずは二泊。
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