393 / 493
薬師の依頼の謎編
その男は、雪が降り始めた日にやってきた その5
しおりを挟む
通話機だけのやり取りだけじゃ埒が明かなくなりそうな気がした。
『レーカとラジー連れてそっち行くわ。画像も見せた方が話は早そうだしな』
画像?
あぁ、写真のことか。
来てもらって話を聞いた方がいろいろ捗りそうだしな。
仲間にも話を聞いてもらう方がいいかもしれん、ということで、昼休みの時間に来てもらうことにした。
集団戦の予定がすべてなくなっても、探索の連中のガイドをやる気満々でやってるから、全員集合する時ってば、やっぱ飯時しかないんだよな。
※※※※※ ※※※※※
仲間九人と俺とヨウミ。
そして向こうはアークス、レーカ、ラジーの三人。
全員揃ったところでその三人からの報告。
「まずこの画像を見てくれ。この人物であってるか?」
服装もおんなじ。
見た目は問題ないんだが……。
「そう、だな。ヨウミ、どうだ?」
「どうだ、って?」
……いや、見ただろ? お前も。
「あたしは店の客の相手で忙しかったから、よそ見てる余裕なんかなかったわよ」
えーと……。
まぁいいか。
「俺が調査してほしい人物とこの写し……画像の人物は一致してる、と見ていいな。ただ、別人が返送してる可能性はなくもないが……」
疑い始めたらきりがない。
いずれにせよ、魔物がこの人物に変化したのならすぐに分かる。
だがそうではなかったから、魔物絡みではないことははっきりしているが……。
「変装している初対面の人物なら、見破る根拠もないから分からない、と」
「まぁそういうことだ。ひとまず、同一人物と仮定して話を進めてくれ」
「分かった。この男は、自分で『雪月草』なる珍しい植物を採集しに出かけたそうだ」
「出かけたのも、今から大体二か月前、ってとこね」
少し乱れた長い黒髪を整いながら、レーカがアークスの説明を補足した。
だが消息不明と判明した経緯は?
「この薬療所、所長と従業員が一人いてな。従業員というより……助手?」
「本人は見習いと言ってたな」
あれ?
ラジーの声って、初めて聞いたような気がする。
若そうなのに、低くて渋い、聞いてて心地いい声してんな、こいつ。
「見習い、って言うほど未熟さはあまり見なかったけどな。まぁその見習い……ケーナ=リーフレットってんだが……」
「アークス。まずはこの人物の説明からした方がいいかもよ?」
そのケーナについての話になろうとしてたな?
何か訳ありか?
だが、確かに本題から寄り道されると、何の話をしてたのか分からなくなる。
本題に絞って、話がひと段落ついてから余談に入ってもらう方がありがたいな。
「師匠の消息不明の届け出を出したのはこのケリーって女性……女の子? だ。彼自身、薬を調合するために材料を採集しに行くことは珍しいことじゃないらしい」
「けど、長くて十日もしないうちに帰ってくるんだけど、今回はあまりにも長すぎるってことで、出かけてから二十日くらいしてから届け出を出されたのよ」
「つまり、届け出を出されて一か月以上経って、俺のところにやってきた、と。そうだ。雪月草なんだが……」
手元に置いてあった鉢植えを三人の前に出す。
果たしてこの三人、この植物を見たことがあるかどうか。
「……本物だな」
「……うん、間違いないな」
アークスが上着の内ポケットから、画像らしきものを取り出して見比べている。
「そうだ。名刺も貰ってたんだ。これを二株欲しいっつってた。手に入れたら、薬療所に送っといてほしい、とも言ってた」
「何?」
「ふーん……。てことは、アラタにお願いしにきた人物は、まぎれもなくダックル=ケリー本人と見ていいわね」
おいおい。
そう簡単に結論出していいのか?
「誰かが所長に変装したり化けたりしてたら?」
ヨウミの言う通り。
まだ警戒すべき段階だと思うが……。
「いや、俺たちも薬療所で名刺をもらったんだよ」
「へ?」
俺とアークスが受け取った名刺は、文字の自体、大きさ、位置など、どれも一致。
「もし変装した誰かだったりして、その植物を奪おうって言うなら、直接こっちに送ってって言わないはずでしょ? 直接受け取らない限り、変装者には何の得もないもの」
「だな。また店に来ると言っといて、二度と姿を見せることがなかったら……。せいぜい報酬を踏み倒す詐欺罪くらいにしかならない。だが、配達してもらうなら送り主も明記しなきゃならんから、直接報酬を請求しに行くことはできる。受取人は送り主のおかげでそれを手にすることができたんだからな」
「手間はかかるが、その詐欺罪も必ずしも適用されない」
ラジーの言う通りだ。
どこぞの誰かが気まぐれで俺に依頼ごとを持ち込んできたわけじゃない。
所長と来訪者の人物像が一致した。
その来訪者の肩書も一致した。
つまり身元が判明した。
あやふやなのは報酬の件だけだ。
……俺の心配したことは……杞憂だったか。
「だが……この話を聞いて、俺たちの出る幕はなくなりそうと思ったんだがな」
「ん?」
あぁ。
国家転覆とか、どこぞの誰かが企んでるのか心配してたんだ。
だから、その調査結果で分かったことは、その心配は無用でいいってことだったな。
だが、まだ話があるのか?
そう言えば、余談があったんだっけか。
「所長が自ら材料採集にでかけるときは、そこらに生えてる草とか生き物の採集でな」
「うん?」
「こんな珍しい植物を採るために出かけたのは、今回で二回目。一回目は別の物だったらしい」
そう言えば、この採集をいつも頼んでいる冒険者がどうのって言ってたっけ。
「珍しい物を手に入れたいときは、冒険者を雇ったり酒場に依頼してたりしてたんだと。これはまぁ誰でもそうするもんなんだが」
だろうな。
「この雪月草を手に入れたいときは、ある冒険者にいつも頼んでいたらしい」
これもあの来訪者の言うことと一致。
怪しいところはどこにもない。
「それは自分の父親だ、とケリー嬢が言っていた」
「……なんとまぁ」
自分の見習いの父親が冒険者、か。
冒険者であるがゆえに、怪我や病気をすることが多いから、いくらかでもその助けになりたい、という子供心からか?
「この植物は相当珍しい物らしく、どこに生えているか、バックナー……ケリーの父親の名前だが、誰にも洩らさなかったらしい。ただ、こんな天候のときにこの花が咲くことが多い、という話はしていたらしい」
「こんな……って、今のこの天候ってことか?」
「あぁ。父親と所長の話を聞くともなしに聞いたケリーが言っていた」
今日も、一日がかりでうっすらと積もる程度の降雪量。
かと言って、天候は薄暗いどころか、お日様が雲の合間から顔を出してている。
その輝きも辺りに余すことなく照らされている。
「もちろんこんな天候は、この季節ならいつでも見れるわけじゃないわ。でも珍しくはない天候ね」
「てことは……その候補地も……」
「雪は降る。だが豪雪地域ではない。これだけでも相当絞られるが、それでも本腰入れて探そうと思っても……」
キリがない、か。
この花の生える場所を秘密にして亡くなった、と。
……マツタケか何かか? これは。
それはともかく。
「……二か月も間が空いて人前に出てきた……。いや、あちこち巡り歩いたのかも分からんな。まぁその件はいいか。で、レアもんで、しかもそれがある場所が秘密にされているなら、なるべく自力で見つけ出したかった……」
一々職場に戻ったら、どこに行ってきた? だのと、助手から必ず詮索される。
父親ですら自分の娘に秘密にし続けてきたことだ。
助手からの質問に躱しきれる自信がなかったら、そりゃ見つけるまで探索する方が楽だな。
ところが自力では見つけられず。
誰かに頼りたくなって、誰が適任かといったら……。
酒場なんぞでそんな依頼出したら、秘密事項があっという間に世間に流出してしまう。
元旗手、というだけで、それをとっかかりにしたかった、ってとこか。
「れあ? とは?」
……そこに釣られるか、ラジーさんよ。
「珍しいもんって意味だよ。……てことは……特に案ずる必要はない……ってことか?」
「けど陛下はとても喜んでたな」
「喜んでた?」
何でよ?
「そこまで自分のことを心配してくれてるのか、と。仲間になれてうれしかった、アラタと知り合えたことが有り難かった、と」
やれやれだ。
「で、その依頼はどうなった? 今あるなら、俺たちが届けても構わないが……」
そこまで頼むのは悪い気がする。
というか、こういうことは該当者同士でやり取りするのが無難だろ。
「いや、なるべく直接手渡したい。人づての人づてで届けるってのは、どこかで手落ちがあったら面倒だしな」
「そうか。じゃ、そのことも陛下に伝えておこうか」
いいよそこまでしなくても。
「明日の朝一にでもここを出るさ。どうせみんなも暇だろうから、何か起きても対処できるように誰かと一緒にそこに行ってみるか」
この花を見つけてくれたンーゴには、報酬の件は済ませた。
あとは俺とこの人物、もしくは薬療所との報酬の件だけだからな。
『レーカとラジー連れてそっち行くわ。画像も見せた方が話は早そうだしな』
画像?
あぁ、写真のことか。
来てもらって話を聞いた方がいろいろ捗りそうだしな。
仲間にも話を聞いてもらう方がいいかもしれん、ということで、昼休みの時間に来てもらうことにした。
集団戦の予定がすべてなくなっても、探索の連中のガイドをやる気満々でやってるから、全員集合する時ってば、やっぱ飯時しかないんだよな。
※※※※※ ※※※※※
仲間九人と俺とヨウミ。
そして向こうはアークス、レーカ、ラジーの三人。
全員揃ったところでその三人からの報告。
「まずこの画像を見てくれ。この人物であってるか?」
服装もおんなじ。
見た目は問題ないんだが……。
「そう、だな。ヨウミ、どうだ?」
「どうだ、って?」
……いや、見ただろ? お前も。
「あたしは店の客の相手で忙しかったから、よそ見てる余裕なんかなかったわよ」
えーと……。
まぁいいか。
「俺が調査してほしい人物とこの写し……画像の人物は一致してる、と見ていいな。ただ、別人が返送してる可能性はなくもないが……」
疑い始めたらきりがない。
いずれにせよ、魔物がこの人物に変化したのならすぐに分かる。
だがそうではなかったから、魔物絡みではないことははっきりしているが……。
「変装している初対面の人物なら、見破る根拠もないから分からない、と」
「まぁそういうことだ。ひとまず、同一人物と仮定して話を進めてくれ」
「分かった。この男は、自分で『雪月草』なる珍しい植物を採集しに出かけたそうだ」
「出かけたのも、今から大体二か月前、ってとこね」
少し乱れた長い黒髪を整いながら、レーカがアークスの説明を補足した。
だが消息不明と判明した経緯は?
「この薬療所、所長と従業員が一人いてな。従業員というより……助手?」
「本人は見習いと言ってたな」
あれ?
ラジーの声って、初めて聞いたような気がする。
若そうなのに、低くて渋い、聞いてて心地いい声してんな、こいつ。
「見習い、って言うほど未熟さはあまり見なかったけどな。まぁその見習い……ケーナ=リーフレットってんだが……」
「アークス。まずはこの人物の説明からした方がいいかもよ?」
そのケーナについての話になろうとしてたな?
何か訳ありか?
だが、確かに本題から寄り道されると、何の話をしてたのか分からなくなる。
本題に絞って、話がひと段落ついてから余談に入ってもらう方がありがたいな。
「師匠の消息不明の届け出を出したのはこのケリーって女性……女の子? だ。彼自身、薬を調合するために材料を採集しに行くことは珍しいことじゃないらしい」
「けど、長くて十日もしないうちに帰ってくるんだけど、今回はあまりにも長すぎるってことで、出かけてから二十日くらいしてから届け出を出されたのよ」
「つまり、届け出を出されて一か月以上経って、俺のところにやってきた、と。そうだ。雪月草なんだが……」
手元に置いてあった鉢植えを三人の前に出す。
果たしてこの三人、この植物を見たことがあるかどうか。
「……本物だな」
「……うん、間違いないな」
アークスが上着の内ポケットから、画像らしきものを取り出して見比べている。
「そうだ。名刺も貰ってたんだ。これを二株欲しいっつってた。手に入れたら、薬療所に送っといてほしい、とも言ってた」
「何?」
「ふーん……。てことは、アラタにお願いしにきた人物は、まぎれもなくダックル=ケリー本人と見ていいわね」
おいおい。
そう簡単に結論出していいのか?
「誰かが所長に変装したり化けたりしてたら?」
ヨウミの言う通り。
まだ警戒すべき段階だと思うが……。
「いや、俺たちも薬療所で名刺をもらったんだよ」
「へ?」
俺とアークスが受け取った名刺は、文字の自体、大きさ、位置など、どれも一致。
「もし変装した誰かだったりして、その植物を奪おうって言うなら、直接こっちに送ってって言わないはずでしょ? 直接受け取らない限り、変装者には何の得もないもの」
「だな。また店に来ると言っといて、二度と姿を見せることがなかったら……。せいぜい報酬を踏み倒す詐欺罪くらいにしかならない。だが、配達してもらうなら送り主も明記しなきゃならんから、直接報酬を請求しに行くことはできる。受取人は送り主のおかげでそれを手にすることができたんだからな」
「手間はかかるが、その詐欺罪も必ずしも適用されない」
ラジーの言う通りだ。
どこぞの誰かが気まぐれで俺に依頼ごとを持ち込んできたわけじゃない。
所長と来訪者の人物像が一致した。
その来訪者の肩書も一致した。
つまり身元が判明した。
あやふやなのは報酬の件だけだ。
……俺の心配したことは……杞憂だったか。
「だが……この話を聞いて、俺たちの出る幕はなくなりそうと思ったんだがな」
「ん?」
あぁ。
国家転覆とか、どこぞの誰かが企んでるのか心配してたんだ。
だから、その調査結果で分かったことは、その心配は無用でいいってことだったな。
だが、まだ話があるのか?
そう言えば、余談があったんだっけか。
「所長が自ら材料採集にでかけるときは、そこらに生えてる草とか生き物の採集でな」
「うん?」
「こんな珍しい植物を採るために出かけたのは、今回で二回目。一回目は別の物だったらしい」
そう言えば、この採集をいつも頼んでいる冒険者がどうのって言ってたっけ。
「珍しい物を手に入れたいときは、冒険者を雇ったり酒場に依頼してたりしてたんだと。これはまぁ誰でもそうするもんなんだが」
だろうな。
「この雪月草を手に入れたいときは、ある冒険者にいつも頼んでいたらしい」
これもあの来訪者の言うことと一致。
怪しいところはどこにもない。
「それは自分の父親だ、とケリー嬢が言っていた」
「……なんとまぁ」
自分の見習いの父親が冒険者、か。
冒険者であるがゆえに、怪我や病気をすることが多いから、いくらかでもその助けになりたい、という子供心からか?
「この植物は相当珍しい物らしく、どこに生えているか、バックナー……ケリーの父親の名前だが、誰にも洩らさなかったらしい。ただ、こんな天候のときにこの花が咲くことが多い、という話はしていたらしい」
「こんな……って、今のこの天候ってことか?」
「あぁ。父親と所長の話を聞くともなしに聞いたケリーが言っていた」
今日も、一日がかりでうっすらと積もる程度の降雪量。
かと言って、天候は薄暗いどころか、お日様が雲の合間から顔を出してている。
その輝きも辺りに余すことなく照らされている。
「もちろんこんな天候は、この季節ならいつでも見れるわけじゃないわ。でも珍しくはない天候ね」
「てことは……その候補地も……」
「雪は降る。だが豪雪地域ではない。これだけでも相当絞られるが、それでも本腰入れて探そうと思っても……」
キリがない、か。
この花の生える場所を秘密にして亡くなった、と。
……マツタケか何かか? これは。
それはともかく。
「……二か月も間が空いて人前に出てきた……。いや、あちこち巡り歩いたのかも分からんな。まぁその件はいいか。で、レアもんで、しかもそれがある場所が秘密にされているなら、なるべく自力で見つけ出したかった……」
一々職場に戻ったら、どこに行ってきた? だのと、助手から必ず詮索される。
父親ですら自分の娘に秘密にし続けてきたことだ。
助手からの質問に躱しきれる自信がなかったら、そりゃ見つけるまで探索する方が楽だな。
ところが自力では見つけられず。
誰かに頼りたくなって、誰が適任かといったら……。
酒場なんぞでそんな依頼出したら、秘密事項があっという間に世間に流出してしまう。
元旗手、というだけで、それをとっかかりにしたかった、ってとこか。
「れあ? とは?」
……そこに釣られるか、ラジーさんよ。
「珍しいもんって意味だよ。……てことは……特に案ずる必要はない……ってことか?」
「けど陛下はとても喜んでたな」
「喜んでた?」
何でよ?
「そこまで自分のことを心配してくれてるのか、と。仲間になれてうれしかった、アラタと知り合えたことが有り難かった、と」
やれやれだ。
「で、その依頼はどうなった? 今あるなら、俺たちが届けても構わないが……」
そこまで頼むのは悪い気がする。
というか、こういうことは該当者同士でやり取りするのが無難だろ。
「いや、なるべく直接手渡したい。人づての人づてで届けるってのは、どこかで手落ちがあったら面倒だしな」
「そうか。じゃ、そのことも陛下に伝えておこうか」
いいよそこまでしなくても。
「明日の朝一にでもここを出るさ。どうせみんなも暇だろうから、何か起きても対処できるように誰かと一緒にそこに行ってみるか」
この花を見つけてくれたンーゴには、報酬の件は済ませた。
あとは俺とこの人物、もしくは薬療所との報酬の件だけだからな。
0
お気に入りに追加
1,586
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
追放されたテイマー半年後に従魔が最強になったのでまた冒険する
Miiya
ファンタジー
「テイマーって面白そうだったから入れてたけど使えんから出ていって。」と言われ1ヶ月間いたパーティーを追放されてしまったトーマ=タグス。仕方なく田舎にある実家に戻りそこで農作業と副業をしてなんとか稼いでいた。そんな暮らしも半年が経った後、たまたま飼っていたスライムと小鳥が最強になりもう一度冒険をすることにした。そしてテイマーとして覚醒した彼と追放したパーティーが出会い彼の本当の実力を知ることになる。
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる