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アラタとヨウミの補強計画編
長い立ち話 その2
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あっちの世界でもこの世界でも、嫌な事はあった。
それでも俺が惹かれる力を持ってるのはどっちの世界だ?
俺に周りの人を惹きつける力があるのはどっちの世界だ?
ただ、あっちじゃいい事はなかったな。
……んじゃ、いい事ってなんだ?
自分だけ損するような職場の環境を快適になるように、自分で変えられることか?
大勢からちやほやされることか?
……違うな。
俺の言う通りにしてくれるかどうかはともかく……。
「磯貝さん。あなたは芦名達と同じだよ」
「え? な……何言ってんのよ! あんな人達と一緒にしないでよ! 私は少なくともあなたを」
「心配してくれてる、と? 気にかけてくれるのは有り難いんだけど、俺の話、聞いてないよな」
「あなたがあまりにおかしなことを言うからでしょ!」
おんなじなんだよ。
「俺の話を聞いてくれない、という面では、芦名達とおんなじなんだよ。話を聞いてくれないってことは、言葉を受け止めてくれないってことだ。言葉以外にどうやって気持ちを相手に伝える手段は何がある?」
「だから、新君は一時の感情でここに居残るって言うからあたしは……」
ほら、言ってる端から気持ちが伝わってない。
あっちじゃ、ほとんど俺と会話をしてくれる人はいなかった。
そして今も、会話にならない会話が続いてる。
「話を頭から否定してくる奴に、何の魅力も感じない。そんな人と一緒にいても、楽しいとは思えない」
「否定……って……」
「自分の仕事は自分でしろよ、会費は一人一人から集めろよ、そんな俺の話を誰もが聞こうとしなかった。俺の権利を認めないってことと同義だ。磯貝さんもそれと同じことをしてる。俺がここにいたがる理由を聞こうともしない。無関心なんだよ、俺に」
彼女の口が閉じたまま停まった。
俺の言うことは当たりっぽいな。
無関心なのに関心があるような物言い。
トイレに行って用を足して、水を流さずトイレから出るようなもんだ。
「磯貝さん。あなたは……」
「あーっ! アラタだー! そこで何してんのー!」
いきなり雰囲気ぶち壊すような声が空から……テンちゃんじゃねぇか。
何でここで空飛んでんだ。
「え? えぇ?! 何あれ! え……降りてきた……って、今あの動物喋ってなかった?! って、新君の名前呼んでなかった?!」
なんかもう……事態をややこしくなりつつあるこの事態、どう収拾しろってんだ!
「……なにしてんだ、テンちゃん……って、マッキーと……そいつ、誰?」
「集団戦の人よ。ちょっと怪我させちゃってね。ドーセンさんとこで薬買おうとね」
村の中に薬屋さんはあったと思ったが?
何でここに来る?
「え……えっと……その人……人間……じゃないわよね? その肌の色といい、耳の形が……」
見たことのない人間がこいつらを見たら、そりゃたまげるわな。
魔物の類なんか、確かに普通にいるけど普通に生活してれば頻繁に見ることはない存在だ。
「羽根を持った六本足の馬はテンちゃん。背に乗ってたそいつはマッキー。ダークエルフ、だとさ」
「あ……言われてみれば、足が六本……って、ホントなんなのこの世界!」
これから帰るって奴に説明しても無駄だとは思うんだが……。
「何? アラタの知り合い? 人間みたいだけど、着てる服、見慣れないわね。初めまして。マッキーよ」
「あたしはテンちゃん。マッキーもあたしもアラタの仲間だよー。で、あんた誰―?」
自己紹介しなくていいから。
つか、初対面相手にあんた呼ばわりってなぁ……。
「そんなことより、その冒険者の怪我、治すんだろ? 俺らのことはいいからとっとと薬買って治してやんな。苦しそうだぞ」
「んじゃお言葉に甘えてー」
「何かバタバタしてごめんなさいね。……あら? シアンもまだいたの?」
「はは。私達のことは構わなくていいから、自分の仕事するといいよ。また後でね」
やれやれ。
えーと何つったっけ?
あぁ、つむじ風みたいな連中、とか言うんだよな。こういう時は。
「……仲間?」
「あ? あぁ。ここで仕事してるっつってたろ? 一緒に仕事してる奴は、他に八人くらいいるな。そんなことより……」
「……そっか……。分かった。帰る」
「え?」
え?
何その手の平返し。
急すぎると、逆になんか気持ち悪い。
「……気味悪いけど、新君の笑った顔、初めて見た気がする。……確かに私はこの世界を理解しようと思わないし、今まで新君がここでどんなことをしてきたか知りたいと思わない。嫌なことが終わったら、きっといいことが連続で起こると思ってる。でも、私を帰す方法があるって言うなら、新君も帰る方法があったってことよね? それでも帰ろうとしなかったんだから、帰る気がないってことなんでしょ? 現実じゃない場所を逃げこむ場所にしてると思ってた。どんなに逃げようとしても逃げ切れないとも思ってたし」
退職したら逃げ切れる。
けど仕事を失うから収入もなくなる。
つか、逃げるって選択肢も考えられなくなってたけどな。
こいつもそうなんだろうか?
「でも、そんな顔と……そっか。前よりも健康的になったのか。表情が生き生きしてる。ここがほんとに現実に存在してて、その中で仕事してて生活できてるなら……特に何も言わない。元気で、健康で毎日過ごしてるなら……」
そう言われれば……。
死んだ魚の目をして生活してた、かもしんねぇな。
けど、ここでもそんなに変わらねぇと思ってたが……。
「特に言うことないなら、とっとと帰った方がいいと思うぞ? 悪ぃなシアン。待たせちまって」
「いやいや。私達のことは気にしなくていいよ。じゃあ……」
「とと、あ、シアン達まだいたの? アラタも随分長話してるねー」
買い物終わったんか。
ほんとつむじ風だな。
去ったと思ったらまたやってきた。
まぁ通り道ならそりゃやってくるもんだろうけど。
「あ、あぁ。その人をとっとと早く治して、仕事の続きしろよ。怠けるなよ?」
「……アラタ? どうしたの?」
何だよ、どうしたの? って。
「何だ? 変なところあるか? 病気も怪我もないが? 何か変か? マッキー」
「何か……話し方丁寧っぽくない? いっつもぶっきらぼうな喋り方しかしないから、なんか変」
「あ、うん、ホントだ。すごくヘン!」
「お前らなぁ……」
そういうお前らこそ、油売ってねぇで仕事再開しろっての!
「ぷっ」
今度は磯貝だ。
何吹き出しやがってる。
「私は気付かなかった。微妙な変化に気付く仲間がいるんだね。なら、心配ないか」
「連れて帰った後は面倒見る気がないって奴から心配されても、何の意味もない」
「それもそうか。……じゃあお別れだね。戻る気がないなら、永遠のお別れかな」
その気になればそっちの世界に戻ることはできる。
けど俺にはその気はない。
向こうの世界との位置関係ってば、考えてみりゃ死後の世界とそんなに変わりゃしねぇのか。
不思議なもんだ。
「……そういうことだな。あ、あと、鳥居が二つある神社あるだろ? むやみやたらにあそこに行かない方がいい。俺はそこからここに来ちまったからな」
「え? あたしもあの神社から来たよ? うん、今後気を付ける。じゃあね……って、元の世界に戻してくれる人って、このシアンって人? よろしくお願いします」
「あぁ。みんな乗ったな? では王宮に戻ろう」
磯貝を乗せてやって来た馬車は、シアン達も乗せて村を発った。
つむじ風みたいな連中、ってのはテンちゃん達よりも磯貝の方が当てはまりそうだ。
「ねぇねぇアラタ」
「んだよ。お前らまだいたのか。集団戦、三人ずつだろ? そのうちの二人が来てたら、残された連中の時間が無駄になるだろ。とっとと戻りな」
「やっぱ……話し方、なんかヘン」
やかましいわ。
それでも俺が惹かれる力を持ってるのはどっちの世界だ?
俺に周りの人を惹きつける力があるのはどっちの世界だ?
ただ、あっちじゃいい事はなかったな。
……んじゃ、いい事ってなんだ?
自分だけ損するような職場の環境を快適になるように、自分で変えられることか?
大勢からちやほやされることか?
……違うな。
俺の言う通りにしてくれるかどうかはともかく……。
「磯貝さん。あなたは芦名達と同じだよ」
「え? な……何言ってんのよ! あんな人達と一緒にしないでよ! 私は少なくともあなたを」
「心配してくれてる、と? 気にかけてくれるのは有り難いんだけど、俺の話、聞いてないよな」
「あなたがあまりにおかしなことを言うからでしょ!」
おんなじなんだよ。
「俺の話を聞いてくれない、という面では、芦名達とおんなじなんだよ。話を聞いてくれないってことは、言葉を受け止めてくれないってことだ。言葉以外にどうやって気持ちを相手に伝える手段は何がある?」
「だから、新君は一時の感情でここに居残るって言うからあたしは……」
ほら、言ってる端から気持ちが伝わってない。
あっちじゃ、ほとんど俺と会話をしてくれる人はいなかった。
そして今も、会話にならない会話が続いてる。
「話を頭から否定してくる奴に、何の魅力も感じない。そんな人と一緒にいても、楽しいとは思えない」
「否定……って……」
「自分の仕事は自分でしろよ、会費は一人一人から集めろよ、そんな俺の話を誰もが聞こうとしなかった。俺の権利を認めないってことと同義だ。磯貝さんもそれと同じことをしてる。俺がここにいたがる理由を聞こうともしない。無関心なんだよ、俺に」
彼女の口が閉じたまま停まった。
俺の言うことは当たりっぽいな。
無関心なのに関心があるような物言い。
トイレに行って用を足して、水を流さずトイレから出るようなもんだ。
「磯貝さん。あなたは……」
「あーっ! アラタだー! そこで何してんのー!」
いきなり雰囲気ぶち壊すような声が空から……テンちゃんじゃねぇか。
何でここで空飛んでんだ。
「え? えぇ?! 何あれ! え……降りてきた……って、今あの動物喋ってなかった?! って、新君の名前呼んでなかった?!」
なんかもう……事態をややこしくなりつつあるこの事態、どう収拾しろってんだ!
「……なにしてんだ、テンちゃん……って、マッキーと……そいつ、誰?」
「集団戦の人よ。ちょっと怪我させちゃってね。ドーセンさんとこで薬買おうとね」
村の中に薬屋さんはあったと思ったが?
何でここに来る?
「え……えっと……その人……人間……じゃないわよね? その肌の色といい、耳の形が……」
見たことのない人間がこいつらを見たら、そりゃたまげるわな。
魔物の類なんか、確かに普通にいるけど普通に生活してれば頻繁に見ることはない存在だ。
「羽根を持った六本足の馬はテンちゃん。背に乗ってたそいつはマッキー。ダークエルフ、だとさ」
「あ……言われてみれば、足が六本……って、ホントなんなのこの世界!」
これから帰るって奴に説明しても無駄だとは思うんだが……。
「何? アラタの知り合い? 人間みたいだけど、着てる服、見慣れないわね。初めまして。マッキーよ」
「あたしはテンちゃん。マッキーもあたしもアラタの仲間だよー。で、あんた誰―?」
自己紹介しなくていいから。
つか、初対面相手にあんた呼ばわりってなぁ……。
「そんなことより、その冒険者の怪我、治すんだろ? 俺らのことはいいからとっとと薬買って治してやんな。苦しそうだぞ」
「んじゃお言葉に甘えてー」
「何かバタバタしてごめんなさいね。……あら? シアンもまだいたの?」
「はは。私達のことは構わなくていいから、自分の仕事するといいよ。また後でね」
やれやれ。
えーと何つったっけ?
あぁ、つむじ風みたいな連中、とか言うんだよな。こういう時は。
「……仲間?」
「あ? あぁ。ここで仕事してるっつってたろ? 一緒に仕事してる奴は、他に八人くらいいるな。そんなことより……」
「……そっか……。分かった。帰る」
「え?」
え?
何その手の平返し。
急すぎると、逆になんか気持ち悪い。
「……気味悪いけど、新君の笑った顔、初めて見た気がする。……確かに私はこの世界を理解しようと思わないし、今まで新君がここでどんなことをしてきたか知りたいと思わない。嫌なことが終わったら、きっといいことが連続で起こると思ってる。でも、私を帰す方法があるって言うなら、新君も帰る方法があったってことよね? それでも帰ろうとしなかったんだから、帰る気がないってことなんでしょ? 現実じゃない場所を逃げこむ場所にしてると思ってた。どんなに逃げようとしても逃げ切れないとも思ってたし」
退職したら逃げ切れる。
けど仕事を失うから収入もなくなる。
つか、逃げるって選択肢も考えられなくなってたけどな。
こいつもそうなんだろうか?
「でも、そんな顔と……そっか。前よりも健康的になったのか。表情が生き生きしてる。ここがほんとに現実に存在してて、その中で仕事してて生活できてるなら……特に何も言わない。元気で、健康で毎日過ごしてるなら……」
そう言われれば……。
死んだ魚の目をして生活してた、かもしんねぇな。
けど、ここでもそんなに変わらねぇと思ってたが……。
「特に言うことないなら、とっとと帰った方がいいと思うぞ? 悪ぃなシアン。待たせちまって」
「いやいや。私達のことは気にしなくていいよ。じゃあ……」
「とと、あ、シアン達まだいたの? アラタも随分長話してるねー」
買い物終わったんか。
ほんとつむじ風だな。
去ったと思ったらまたやってきた。
まぁ通り道ならそりゃやってくるもんだろうけど。
「あ、あぁ。その人をとっとと早く治して、仕事の続きしろよ。怠けるなよ?」
「……アラタ? どうしたの?」
何だよ、どうしたの? って。
「何だ? 変なところあるか? 病気も怪我もないが? 何か変か? マッキー」
「何か……話し方丁寧っぽくない? いっつもぶっきらぼうな喋り方しかしないから、なんか変」
「あ、うん、ホントだ。すごくヘン!」
「お前らなぁ……」
そういうお前らこそ、油売ってねぇで仕事再開しろっての!
「ぷっ」
今度は磯貝だ。
何吹き出しやがってる。
「私は気付かなかった。微妙な変化に気付く仲間がいるんだね。なら、心配ないか」
「連れて帰った後は面倒見る気がないって奴から心配されても、何の意味もない」
「それもそうか。……じゃあお別れだね。戻る気がないなら、永遠のお別れかな」
その気になればそっちの世界に戻ることはできる。
けど俺にはその気はない。
向こうの世界との位置関係ってば、考えてみりゃ死後の世界とそんなに変わりゃしねぇのか。
不思議なもんだ。
「……そういうことだな。あ、あと、鳥居が二つある神社あるだろ? むやみやたらにあそこに行かない方がいい。俺はそこからここに来ちまったからな」
「え? あたしもあの神社から来たよ? うん、今後気を付ける。じゃあね……って、元の世界に戻してくれる人って、このシアンって人? よろしくお願いします」
「あぁ。みんな乗ったな? では王宮に戻ろう」
磯貝を乗せてやって来た馬車は、シアン達も乗せて村を発った。
つむじ風みたいな連中、ってのはテンちゃん達よりも磯貝の方が当てはまりそうだ。
「ねぇねぇアラタ」
「んだよ。お前らまだいたのか。集団戦、三人ずつだろ? そのうちの二人が来てたら、残された連中の時間が無駄になるだろ。とっとと戻りな」
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やかましいわ。
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