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店の日常編
千里を走るのは、悪事だけじゃない その9
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はぐれた魔物と思われるドラゴン三体の討伐計画の合同会議を兼ねた夕食会が行われた。
俺の仲間の魔物達にも、是非参加してもらいたいという呼びかけに応じることにした。
借りを作る一方ってのはごめんだからな。
けど、全員と対面させて大丈夫か? って心配はあった。
それでも、予めみんなと顔合わせしないと間違って攻撃してしまうかもしれないって言い張るし、それも一理あると思ったもんだから、夕食会みたいな感じでいつもの場所に参加予定の冒険者達を招待した。
いつも店頭で仕事をしてる仲間達は、既にみんなは分かってたから問題はなかった。
日中はほとんど店にいないモーナーとは初対面かと思いきや、意外と顔が広かった。
「そりゃそうだ。ダンジョンでしょっちゅう会うからな」
そういえばそうだった。
浅い階層でしか仕事ができない初級冒険者達とは、あまり会うことはないそうだ。
で、フィールドでは、そんな和やかな雰囲気が一瞬で吹き飛んだ。
「わ、ワームだ!」
「全員、迎撃態勢!」
「アラタ! 後ろに下がれ!」
阿鼻叫喚。
そいつも仲間だっつーの!
「見慣れない種族な上に、襲撃に来る同種の魔物が多いらしくてな。すまんな、ンーゴ」
「ナア、アラタ」
「なんだ?」
「コイツラ、クッテイイ?」
そう言うブラックな冗談やめろ。
お前が言うとシャレにならんから。
「よーし、ンーゴ」
「ナンダ? ミアーノ」
「こいつら、食っちゃれー」
ミアーノも悪乗りすんな。
面白ぇけどよ。
※※※※※ ※※※※※
「殺されるかと思った……」
「そう思い込んでたお前らの一人相撲だな」
「そうは言うけどさぁ……。事前に説明くらいしてくれてもいいんじゃない? 悪趣味よ」
聞かれなかったからな。
それに、こっちからはそっちに被害を出すことはねぇんだし。
「それにしても……ほんと、いろんな魔物がいるんだな」
その感想、何度も聞いたし聞き飽きた。
けど言わずにいられないくらい驚いてんだろうな。
騒ぎがようやく落ち着いて、ようやく晩飯の時間。
先に料理を持ち込んでたら、全部台無しになってたところだった。
だが、和やかな雰囲気を楽しんでばかりもいられない。
「ワーム種の……ンーゴってのか? このンーゴに三体全部任せていいんじゃないか?」
相手の大きさによっては、そんな冒険者からの声に従ってもいいかもしれんが。
「カマワン。ゼンブクッテイイナラ」
ンーゴの一言でその発言は撤回された。
そりゃそうだ。
滅多にない一攫千金のチャンスが消えちまうことになるんだからな。
「ナラ、デキルコトハ、アシドメクライカ?」
「地表で生け捕りってなぁ、あんまりしたこたぁねぇからなぁ」
「じゃあお二人は、ふだんはどんなふうに獲物を仕留めてるんです?」
「底なし沼こさえて、そのまま食うかな」
一瞬雰囲気が険悪になる。
仲間がそれで犠牲となったチームがいくつかあるらしい。
「知恵のある奴ぁ避けて通るぜ? そもそも、向こう見ずな連中しか嵌まらねぇよ。大体、俺らの沼があるんは、滅多に人は来れねえ場所だかんな。犠牲になるってのぁ、そこまで来れる実力がねぇのに、どんどん危険地帯に進んでく奴だ。自然にできた沼に嵌まる奴ぁ知らねえけどよ」
なんか、説教めいた話になってきた。
作戦会議になるのか? この話。
「それに、ところ構わず好みの地形に変えるこたぁできねぇ。向き不向きってなぁあるんだ。一度その現場は見てみねぇとなあ」
「な、なるほど確かに。じゃあ明朝偵察に行ってみるか。アラタにもついてきてもらわねばならんか?」
確かにそれは必要だな。
口先だけで指示出しても間違った解釈されたら、折角の結束が無駄になる。
具体的な作戦立案はその後か。
※※※※※ ※※※※※
あの後は、みんなはそれなりに楽しい時間を過ごせた。
そして今、夜明け前の店の前。
「準備はいいか? つっても、場所の確認するだけだから、見たらすぐ戻るだけなんだが」
冒険者達からは十数人。
俺達からは、俺とンーゴ、そして用心のため、ライムとコーティが同行する。
「何でこんな早い時間なんだ?」
冒険者達の中からそんな声が上がった。
「決まってんじゃない。暗いと状況分かんないし、明るいと、現場に潜む魔物に襲われやすいからよ」
コーティは、気を許した相手には容赦ないな。
俺の仲間の魔物達にも、是非参加してもらいたいという呼びかけに応じることにした。
借りを作る一方ってのはごめんだからな。
けど、全員と対面させて大丈夫か? って心配はあった。
それでも、予めみんなと顔合わせしないと間違って攻撃してしまうかもしれないって言い張るし、それも一理あると思ったもんだから、夕食会みたいな感じでいつもの場所に参加予定の冒険者達を招待した。
いつも店頭で仕事をしてる仲間達は、既にみんなは分かってたから問題はなかった。
日中はほとんど店にいないモーナーとは初対面かと思いきや、意外と顔が広かった。
「そりゃそうだ。ダンジョンでしょっちゅう会うからな」
そういえばそうだった。
浅い階層でしか仕事ができない初級冒険者達とは、あまり会うことはないそうだ。
で、フィールドでは、そんな和やかな雰囲気が一瞬で吹き飛んだ。
「わ、ワームだ!」
「全員、迎撃態勢!」
「アラタ! 後ろに下がれ!」
阿鼻叫喚。
そいつも仲間だっつーの!
「見慣れない種族な上に、襲撃に来る同種の魔物が多いらしくてな。すまんな、ンーゴ」
「ナア、アラタ」
「なんだ?」
「コイツラ、クッテイイ?」
そう言うブラックな冗談やめろ。
お前が言うとシャレにならんから。
「よーし、ンーゴ」
「ナンダ? ミアーノ」
「こいつら、食っちゃれー」
ミアーノも悪乗りすんな。
面白ぇけどよ。
※※※※※ ※※※※※
「殺されるかと思った……」
「そう思い込んでたお前らの一人相撲だな」
「そうは言うけどさぁ……。事前に説明くらいしてくれてもいいんじゃない? 悪趣味よ」
聞かれなかったからな。
それに、こっちからはそっちに被害を出すことはねぇんだし。
「それにしても……ほんと、いろんな魔物がいるんだな」
その感想、何度も聞いたし聞き飽きた。
けど言わずにいられないくらい驚いてんだろうな。
騒ぎがようやく落ち着いて、ようやく晩飯の時間。
先に料理を持ち込んでたら、全部台無しになってたところだった。
だが、和やかな雰囲気を楽しんでばかりもいられない。
「ワーム種の……ンーゴってのか? このンーゴに三体全部任せていいんじゃないか?」
相手の大きさによっては、そんな冒険者からの声に従ってもいいかもしれんが。
「カマワン。ゼンブクッテイイナラ」
ンーゴの一言でその発言は撤回された。
そりゃそうだ。
滅多にない一攫千金のチャンスが消えちまうことになるんだからな。
「ナラ、デキルコトハ、アシドメクライカ?」
「地表で生け捕りってなぁ、あんまりしたこたぁねぇからなぁ」
「じゃあお二人は、ふだんはどんなふうに獲物を仕留めてるんです?」
「底なし沼こさえて、そのまま食うかな」
一瞬雰囲気が険悪になる。
仲間がそれで犠牲となったチームがいくつかあるらしい。
「知恵のある奴ぁ避けて通るぜ? そもそも、向こう見ずな連中しか嵌まらねぇよ。大体、俺らの沼があるんは、滅多に人は来れねえ場所だかんな。犠牲になるってのぁ、そこまで来れる実力がねぇのに、どんどん危険地帯に進んでく奴だ。自然にできた沼に嵌まる奴ぁ知らねえけどよ」
なんか、説教めいた話になってきた。
作戦会議になるのか? この話。
「それに、ところ構わず好みの地形に変えるこたぁできねぇ。向き不向きってなぁあるんだ。一度その現場は見てみねぇとなあ」
「な、なるほど確かに。じゃあ明朝偵察に行ってみるか。アラタにもついてきてもらわねばならんか?」
確かにそれは必要だな。
口先だけで指示出しても間違った解釈されたら、折角の結束が無駄になる。
具体的な作戦立案はその後か。
※※※※※ ※※※※※
あの後は、みんなはそれなりに楽しい時間を過ごせた。
そして今、夜明け前の店の前。
「準備はいいか? つっても、場所の確認するだけだから、見たらすぐ戻るだけなんだが」
冒険者達からは十数人。
俺達からは、俺とンーゴ、そして用心のため、ライムとコーティが同行する。
「何でこんな早い時間なんだ?」
冒険者達の中からそんな声が上がった。
「決まってんじゃない。暗いと状況分かんないし、明るいと、現場に潜む魔物に襲われやすいからよ」
コーティは、気を許した相手には容赦ないな。
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