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三波新、定住編
幕間:つかの間のじゃれ合い 何度も繰り返す! 皇太子と明太子は一文字違いだ!
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「で、みんな。この招かれざる客はどうしようか」
「アラタ、それはあまりにも連れない態度じゃないか」
「馴れ馴れしく肩に手を乗せるな。躾けられた野生動物か何かかお前は」
「あ、あの……アラタさん」
「何だ?」
クリマーが恐る恐る声をかけてくる。
俺に文句を言いに来た態度、ほんとマジでどこに消えたよ?
「この方……皇太子様、ですよね」
今気づいた。
皇太子と明太子って、一字違いだよな?
この世界に明太子があるかどうかは分からんが。
「うむ、本物だぞ? クラマー、とか言ったな。こちらも珍しい種族の者と知り合いになれて、実に貴重な体験ができてうれしいぞ」
「こ、こちらも王家の方と知り合いになれて……」
「王家から追い出されたら、ちょっと頭がおかしい若者だぞ」
「アラタ、辛辣すぎる……」
初対面の時、いきなり足元狙って矢を飛ばした奴から言われたくねえわ。
そもそも王家が政権握ってんだろ?
仕事仕事で忙しいんじゃねぇの?
「大体こないだ来たばかりだろうが。国の何だかんだをほったらかしにして、国の端っこに足を運んで何の収穫があるよ? 母上一人で難儀してんじゃねぇのか?」
「心配してくれてありがとう、同志!」
「いや、訳分んねえから! 時の権力者と同志になったらお前、クーデター起きたら俺も首刎ねられちまうからその言い方止めろ!」
寝首かかれるような立場に、自覚もないままなったりしたら、それこそいつ死んじまうか分からねぇ。
「ははは。だが私だけなら瞬間移動の魔法で往復できるし、何より公務時間外だ」
威張って言うな。
「それに、私の周りはみな、私からの指示を待つ者ばかりだ。諫めたり代案を出す者もいるが、ほんのわずかしかいない。アラタのように遠慮のない物言いをする者は、私にとっては貴重な存在だよ」
そっちの都合を押し付けんなっての。
こっちはこっちで手一杯だ。
何がって、俺にも分かんねぇけどなっ。
「あー、だったらとっととねぐらに帰って、起床時間までずっと寝てろ」
「食事をする時間くらいくれてもいいんじゃないかな?」
「人に聞かなきゃ飯も食えねぇって、どんだけ甘ったれた生活してんだよ。だったら食いたいもん注文しろよ。ただし料金はテーブルの上にある分全部も入れろ」
「ははは。それはいい。アラタに一つ貸しができるかもな」
「仲間に貸し作ろうとするやつって最低だと思うんだ」
「やはり仲間にしてくれるんだな? ありがとう」
「そいつぁお前の片思い。重っ苦しい一方的な好意は真っ平ご免だわ」
「肩が重いなら軽くしてあげよう」
「馴れ馴れしく肩に手を乗せるなっつってんだろ馬鹿王子」
「距離が遠いのが不満なんだな。じゃあ」
「肘乗せんなバカヤロウ! こんな図々しい奴は初めて見るぞ」
「気にするな。いきなり怪我させようとした人物とも、今まで何度も会ってきたんだろう? これくらい近くないとアラタを守ってやれないからな」
「肩組んでくんなや気持ち悪すぎる! 俺はノーマルで、女性の方が好みなんだ! はーなーれーろーっ」
「なあ、アラタあ」
「何だよモーナー」
いいタイミングで割って入ってくれた。
モーナーは頭の回転ばかりじゃなく、気も
「いつからそんなにい、仲良くなったんだあ?」
逆回転させてんじゃねぇよ!
「短い時間でこんなに仲間を増やす、素晴らしい才能だな。旗手とは無関係の特殊な能力だよ」
「スゴイ! スゴイ!」
ライムは無理して声を出す練習しなくていいから!
つか、出てきた言葉が馬鹿王子に賛同する意見ってどうなんだよ!
「でも何も食べずに帰るってのもどうかと思うよ? でもこのオードブルじゃ物足りないと思うから……ドーセンさん、普通の食事の注文できますー?」
「おう、できなくはないが……しかし皇太子様によくそんな口利けるよなぁ。感心通り越して呆れるぜ……」
「マイペースですもんね、アラタ。良くも悪くも不公平なことしないし」
「まぁなぁ……。にしても最初からの付き合いなんだって? ヨウミちゃんもよくやるなぁ」
「あー、そういえば行商時代には、宿屋で泊まった時は同じ部屋で、互い気にせず着替えとかしたっけなー」
おいこら、余計な燃料ぶちまけんな!
「え? 同じ人間だからそういうこともあるだろうなってうすうす思ってたけど……」
「でもね、マッキー。あたしが入ってからは、野宿の時はほぼ毎回あたしと一緒に寝たんだよ」
「え? 天馬の雌と一緒に……寝たあ?!」
おいこら。
馬鹿天馬と馬鹿妖精。
何、人を酒の肴みたいに扱ってんだお前ら!
「……アラタ」
「な、何だよおやっさん」
「俺は同じ人間の男として、そういう人の道から外れたことは、種族的にもしちゃまずいと思うんだ」
「何思い込みの間違った話をしてんだバカヤロウ!」
「まぁ人にはいろんな趣味を持つ者もいる。君は自由のままでいいと思うよ、アラタ」
お前はとっとと王宮に帰れ馬鹿王子!
……あぁぁ……、夜も遅くなってきたというのに、簡単に締めにできそうにねぇなこりゃ……。
「アラタ、それはあまりにも連れない態度じゃないか」
「馴れ馴れしく肩に手を乗せるな。躾けられた野生動物か何かかお前は」
「あ、あの……アラタさん」
「何だ?」
クリマーが恐る恐る声をかけてくる。
俺に文句を言いに来た態度、ほんとマジでどこに消えたよ?
「この方……皇太子様、ですよね」
今気づいた。
皇太子と明太子って、一字違いだよな?
この世界に明太子があるかどうかは分からんが。
「うむ、本物だぞ? クラマー、とか言ったな。こちらも珍しい種族の者と知り合いになれて、実に貴重な体験ができてうれしいぞ」
「こ、こちらも王家の方と知り合いになれて……」
「王家から追い出されたら、ちょっと頭がおかしい若者だぞ」
「アラタ、辛辣すぎる……」
初対面の時、いきなり足元狙って矢を飛ばした奴から言われたくねえわ。
そもそも王家が政権握ってんだろ?
仕事仕事で忙しいんじゃねぇの?
「大体こないだ来たばかりだろうが。国の何だかんだをほったらかしにして、国の端っこに足を運んで何の収穫があるよ? 母上一人で難儀してんじゃねぇのか?」
「心配してくれてありがとう、同志!」
「いや、訳分んねえから! 時の権力者と同志になったらお前、クーデター起きたら俺も首刎ねられちまうからその言い方止めろ!」
寝首かかれるような立場に、自覚もないままなったりしたら、それこそいつ死んじまうか分からねぇ。
「ははは。だが私だけなら瞬間移動の魔法で往復できるし、何より公務時間外だ」
威張って言うな。
「それに、私の周りはみな、私からの指示を待つ者ばかりだ。諫めたり代案を出す者もいるが、ほんのわずかしかいない。アラタのように遠慮のない物言いをする者は、私にとっては貴重な存在だよ」
そっちの都合を押し付けんなっての。
こっちはこっちで手一杯だ。
何がって、俺にも分かんねぇけどなっ。
「あー、だったらとっととねぐらに帰って、起床時間までずっと寝てろ」
「食事をする時間くらいくれてもいいんじゃないかな?」
「人に聞かなきゃ飯も食えねぇって、どんだけ甘ったれた生活してんだよ。だったら食いたいもん注文しろよ。ただし料金はテーブルの上にある分全部も入れろ」
「ははは。それはいい。アラタに一つ貸しができるかもな」
「仲間に貸し作ろうとするやつって最低だと思うんだ」
「やはり仲間にしてくれるんだな? ありがとう」
「そいつぁお前の片思い。重っ苦しい一方的な好意は真っ平ご免だわ」
「肩が重いなら軽くしてあげよう」
「馴れ馴れしく肩に手を乗せるなっつってんだろ馬鹿王子」
「距離が遠いのが不満なんだな。じゃあ」
「肘乗せんなバカヤロウ! こんな図々しい奴は初めて見るぞ」
「気にするな。いきなり怪我させようとした人物とも、今まで何度も会ってきたんだろう? これくらい近くないとアラタを守ってやれないからな」
「肩組んでくんなや気持ち悪すぎる! 俺はノーマルで、女性の方が好みなんだ! はーなーれーろーっ」
「なあ、アラタあ」
「何だよモーナー」
いいタイミングで割って入ってくれた。
モーナーは頭の回転ばかりじゃなく、気も
「いつからそんなにい、仲良くなったんだあ?」
逆回転させてんじゃねぇよ!
「短い時間でこんなに仲間を増やす、素晴らしい才能だな。旗手とは無関係の特殊な能力だよ」
「スゴイ! スゴイ!」
ライムは無理して声を出す練習しなくていいから!
つか、出てきた言葉が馬鹿王子に賛同する意見ってどうなんだよ!
「でも何も食べずに帰るってのもどうかと思うよ? でもこのオードブルじゃ物足りないと思うから……ドーセンさん、普通の食事の注文できますー?」
「おう、できなくはないが……しかし皇太子様によくそんな口利けるよなぁ。感心通り越して呆れるぜ……」
「マイペースですもんね、アラタ。良くも悪くも不公平なことしないし」
「まぁなぁ……。にしても最初からの付き合いなんだって? ヨウミちゃんもよくやるなぁ」
「あー、そういえば行商時代には、宿屋で泊まった時は同じ部屋で、互い気にせず着替えとかしたっけなー」
おいこら、余計な燃料ぶちまけんな!
「え? 同じ人間だからそういうこともあるだろうなってうすうす思ってたけど……」
「でもね、マッキー。あたしが入ってからは、野宿の時はほぼ毎回あたしと一緒に寝たんだよ」
「え? 天馬の雌と一緒に……寝たあ?!」
おいこら。
馬鹿天馬と馬鹿妖精。
何、人を酒の肴みたいに扱ってんだお前ら!
「……アラタ」
「な、何だよおやっさん」
「俺は同じ人間の男として、そういう人の道から外れたことは、種族的にもしちゃまずいと思うんだ」
「何思い込みの間違った話をしてんだバカヤロウ!」
「まぁ人にはいろんな趣味を持つ者もいる。君は自由のままでいいと思うよ、アラタ」
お前はとっとと王宮に帰れ馬鹿王子!
……あぁぁ……、夜も遅くなってきたというのに、簡単に締めにできそうにねぇなこりゃ……。
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