この星でいきぬく!

來帝

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被験体

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全てが「白」に統一されたどこかもわからぬ部屋とおぼしき場所で私は手錠で拘束された状態の中話しかけてくる黒服の男。

「本当にいいのかね?この書類にサインしたら君と言う存在は世間から隔離され存在しない。更にはいかなる実験にも「自ら」賛同し拒否することも逃げることも許されない、つまりだ…文字通り「死」を強制的に強いられることになる。よく考えて行動したまえ」

黒いスーツ姿に顔を隠すかの様につけたサングラス越しに問いかけてくる人影に対してかつての「私」はこう応えた。

「承知の上だ。このプロジェクトに参加し成功すれば人類は今までにない未知の領域にいけるのだろう?ならば、何も問題ない」

(そう、成功すれば…完治の可能性が少しでもあるのならプロジェクトに参加しなければ…)

私には脳と体に障害があった。

社会に馴染めず途方に暮れていた時期があり街で"何か"のアンケートに回答したのが今回のプロジェクト参加への運命に繋がる。

その何かとは「人類初となる宇宙探索未知の領域へどう思うか」と言ったよく訳のわからない宗教染みたアンケートだったのだ。

この街頭アンケートは極秘プロジェクトの被験者(モルモット)を抽出し実験する為のものだとは誰1人として知る者はいなかった。

そして、選ばれた被験者(モルモット)達は人知れず連れ去られ今この場に至る。拒否した者は抹消、賛同した者には何でも1つだけ願い事を叶えてやると言う。

私の願い事それは只一つ願っても手に入れることが出来なかった「人並みの普通の生活をしたい」と言う願いのみ。

黒服はこうも言ったプロジェクトの一環で人が宇宙空間における適応性を研究する中で脳に障害を持った者が何処まで適応することができるか実験・研究すると言う。

「君にはその被験者として参加、協力をして貰いたい。無論、拒否する事もできるが、その時は・・・わかるね?」と紙とペンを差し出してくる。

この後にどれだけ残酷な現実が待っているとしても・・・。私は書類にサインをして深い眠りについた。
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