隠し事にしようよ

本野汐梨 Honno Siori

文字の大きさ
上 下
58 / 66

夏休みの過ごし方2【蓮也】

しおりを挟む

 アイスを頬張る有希くんが、食べ終わるのを待つ。

 「蓮也先輩って食べるの早いですよね。」

 「あー、俺大食いだし。無駄にでかいし。それでかな。」

 「先輩、大きくてかっこいいです。」

 「有希くんは小さくて可愛い。」

 「それ、褒めてますか…?あんまり嬉しくない…。」

 ちょっと拗ねても有希くんは可愛い。

 「ごめん、褒めてるんだよ。本当に可愛いから。」

 お詫びのつもりで、小さな体を抱きしめる。

 「これから大きくなります…。」

 「うんうん。きっとなるよ。俺も高2の時に結構身長伸びたし。」

 慰めるものの、まだちょっと拗ねている有希くんにキスしてみる。それに応える様にキスを返してくれる。

 少し前まで、ぎこちなくキスを受けるだけの有希くんだったが、最近はキスを返してくれる様になった。

 「ちょっとだけ、しよ?」

 「昨日もしたのに?」

 そう。2人きりだと耐えられなくて、殆ど毎日、体を重ねていた。
 もちろん、有希くんがキツそうな時はしていない。

 「昨日は昨日。今日は今日。」

 「もー。」

 「したくない?」

 わざと、断りずらい様な尋ね方をした。
 我ながら意地悪だと思う。

 有希くんが戸惑うのが伝わる。
 たぶん、まだ恥ずかしいのだ。

 「したい…。」

 小さい声で呟く。


「うん、しよ。おいで。」


 引き寄せて、抱き寄せて、膝の上に乗せる。
 もう、すっかりこの重さが体に馴染んだ。


 触れるだけのキスだけじゃなくて、深く舌を絡める事の意味を知っているから、有希くんはキスをねだる。


 どうしてこんなに、可愛いのだろう。


 目を見つめたままで、キスを返す。

 舌の柔らかい感触がクセになる。

 クーラーが効いた室内なのに、体が中心から火照って、頭に血が上り血液が沸騰してしまいそう。

 お互いどこが気持ちがいいのか、何が好きなのか、もう全て知っている。

 いつの間にか、心も身体も深く繋がるっていた。


「脱いで。はい、ばんざーい。」

 素直に、ばんざいして服を脱がされるのを待つ姿が子供みたいで可愛い。


 白い肌に残った傷跡が最近、薄くなっている気がする。

 自分も着ていたTシャツを脱いで、生の肌と肌で抱き合う。

 密着した人肌が心地よい。

 背中に手を回すと、まだ、傷跡はたくさん残っているものの、だいぶ肌が綺麗になったと思う。


「背中の傷とカサカサしてたの、治ってきたね。」


「先輩が毎日クリーム塗ってくれるから。」

「有希くんが頑張って治したんだよ。えらい、えらい。」

 抱きしめる後頭部を撫でると猫みたいに額を擦り付けてくる。


 キスしながら、お互いの体を撫でる。
 有希くんの乳首にさりげなく手を回して撫でると、体がビクビク反応して、息を荒げた。

 だんだんとキスが深くなると、今度はお互い下半身も剥き出しにした。


 もう、ここまでくると我慢できない。


 ローションを下半身につけて、有希くんの竿を触ると、有希くんも俺の竿を握ってきた。


 お互い勢いをつけて扱き合うしごきあう


「も、いきそ…。」

「いいよ、逝って。」

 有希くんの言葉に呼応して、手の動きを早めた。

 有希くんが、射精したのを見て、自分も果てた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

いつかコントローラーを投げ出して

せんぷう
BL
 オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。  世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。  バランサー。  アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。  これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。  裏社会のトップにして最強のアルファ攻め  ×  最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け ※オメガバース特殊設定、追加性別有り .

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

彼氏未満

茉莉花 香乃
BL
『俺ら、終わりにしない?』そんなセリフで呆気なく離れる僕と彼。この数ヶ月の夢のような時間は…本当に夢だったのかもしれない。 そんな簡単な言葉で僕を振ったはずなのに、彼の態度は…… ハッピーエンド 他サイトにも公開しています

処理中です...