隠し事にしようよ

本野汐梨 Honno Siori

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恐怖 *過激な描写があります [有希]

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 今日は、先輩と一緒に帰ることすらできない。

 先輩は、人気者だ。
 僕とは、そもそも住む世界が違う。
 仕方がない。

 先輩は、とても忙しいのだ。

 先輩は、生徒総会の反省会と言う名で、生徒会役員の希望者で焼肉に行くらしい。

 総会の終わりに、僕も誘われたけど断った。

 かく言う僕も、忙しい。

 今日は、父が帰ってくるから、家事をしておかなきゃ。

 叱られてしまう。


 生徒総会が終わると、まともに先輩と話すこともできずに、帰路に着いた。


 生徒総会で、今日はいつもより帰りが遅い。

 父がいるかもしれない焦り。不安。


 案の定、父親が家に居た。



「ただいま」



 一応、声をかける。

 父は、まだ作業服姿だ。
 おそらく、帰ってきてまだあまり時間は経っていないのだろう。
 ビール缶を片手にテレビを見ている。



「おい、昨日どこ行ってたんだ?」

 こちらを振り向きもしないで話しかけてくる。

(やっぱり、そうきたか…。)



「先輩の家に行ってたんだ。」

 いい言い訳をする事も出来ないので、仕方なく本当のことを言った。


「女か?」

「いや、男だよ。」


「掘られたのか?」


(そんな、単刀直入に聞くなんて…。相変わらず下品な人だ。)


 普通の親だったら息子にこんな事聞かないはずだ。でも、うちの親は頭がおかしいんだ。
 なぜか、僕を性欲の的にしている。
 だから、こんな事聞いてくるのは日常茶飯事。


「そんな事ない。」


 事実だ。
 2人でする行為までには及んでいない。



「本当か?確かめてやるから、ケツ、出せや。」


 イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤだ…



 心の中では、【嫌】と思っているのに、僕は父親に従うしかなかった。


 僕は、スクールバッグをその場に下ろして、ズボンのベルトを緩める。


 せっかく昨日は先輩に大切にしてもらったのに…。


 昨日の幸せな気分が一瞬で吹っ飛んでしまった。


「ごめんなさい。」

「謝れば済むって思ってんのか?」

 タバコに火をつけながら、父はこんな風に僕を責める。いつものこと。


 僕は何も言い返すことができない。
 意味もなく謝ることが癖になっていた。

「おい、聞いてんのか?」

「ごめんなさい。聞いてます。」

「聞こえてんなら返事しろや。」

「はい。申し訳ありません。」

 今日の父はかなり機嫌が悪そうだ。

 別に、僕が帰ってこようがこなかろうが関係ないのに。なぜか、父は僕に変な執着心を抱いているようだった。



 ズボンと同時に、中のトランクスも脱いでしまう。
 僕は、何をされるかわかっていた。

「お父さん、ごめんなさい。」

 父はタバコを咥えながら立ち上がる。

「はよ、ケツこっちにむけろや。」

「はい。」

 僕は、いつも通り四つん這いになって父の方にお尻を向けた。

「手で開けよ。」



 いきなり挿れられる。
 そう悟った僕は、恐怖で全身に力が入る。


 怖いよ…。



 四つん這いのまま、額を床につける。
 父に言われたように、両手で自らの尻を掴み真ん中の穴を父の目前に出すために開いた。


 見えないが、後方でガチャガチャと音がする。僕は、これが何の音かよく知っている。
 父が、作業服のベルトを外している音だ。


 恐怖で荒くなる呼吸をなんとか抑える。


 父が、もう、すぐ後ろにいる気配がする。


 僕の尻穴に父の起立したペニスが当てがわれた。


 途端に、穴に無理やりペニスを挿入される瞬間の痛みを体が思い出して震え始めたのが、自分でもわかる。


 でも、そんな事に容赦はない。


 更に硬さを増したペニスが、グイグイ穴の表面を擦る。未だ閉じたままの穴に入って来ようとしている。

 僕は、皮膚を裂かれる様な痛みを感じていた。


 父を心が拒絶しているから余計に開かない。

 でも、僕の尻穴は何度も挿入されている。
 父のペニスの形状を記憶しているのだ。

 少し経つと、先端から挿入され始めたのがわかった。


 痛みで息が上がる。


 これがもし、先輩だったら…。


 どうしようもない考えが思い浮かぶ。


 先端の数センチほどが挿入できると、勢いをつけて父が腰を振り始めた。


 ニュルニュルと穴の入り口で、ペニスが前後に動かされる。
 父のペニスから、カウパーが溢れ出る。カウパーを潤滑剤にして、少しずつ、奥へ奥へと僕の体に入ってくる。


 父は何も言わない。
 でも、ハァハァハァっと荒くなった呼吸が聞こえる。酒臭い息が僕のうなじに浴びせられる。


(痛い…。せんぱい、たすけて…。)

 頭の中で、必死に先輩を呼ぶ。

 現状、父からの虐待を知っているのは、先輩だけだ。

 もし、僕が先輩に助けを求めたら…?

 優しい先輩だから、助けてくれるかもしれない。

 でもそれじゃあ、先輩が父に狙われてしまうかもしれない。


 でも…。


「先輩、たすけて。」



 下を向いたまま痛みに耐えて、とうとう息ができなくなってきた僕は、金魚みたいにパクパク口を動かして呟くしかなかった…

 父が、僕の中に白液を放出してしまうまでの、時間。


 たぶん、時間にしたら経ったの数分。


 僕は、無限に広がる地獄を味わうしかなかった。
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