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おやすみ前に【有希】
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僕は、先輩が丁寧に髪を乾かしてくれたから、髪がフワフワ。こんなになるんだって自分でも思った。
ドライヤーを終えると先輩は、僕を抱っこした。
男の人って、こんなに力があるんだ、なんて思ってしまった。
先輩は、ベッドに僕を連れて行った。
一旦僕だけを布団にうつ伏せに寝かせた。
棚から保湿クリームを出して、僕の背中に薄く伸ばして塗ってくれた。
「山田くんの背中、かわいいね。」
僕は恥ずかしくなる。
「山田くんの背中の傷が良くなりますように。」
先輩の手が、優しく僕の背中を撫でる。
いい意味でゾワゾワした。そして気持ちが良かった。
冷たいクリームが、ちょっぴり熱くなった僕の体を冷やしてくれた。一方で、先輩の熱い手のひらの温度も感じた。
保湿剤を塗り終えると服を着せ直してくれた。
先輩にお世話されて、僕はまるで赤ちゃんみたい。
それから、僕らは2人で、布団に潜り込んだ。
お風呂上がりだとちょっと暑くて、クーラーをつけた。
すぐに電気を消して、明日のために寝ようって話になった。
「山田くん、明日は頑張ろうね。それさえ終われば、放課後いっぱい遊べるよね?」
「そうですね。アルバイトがあるけれど、2時間くらいで終わるし。もっともっといっぱい一緒にいましょうね。」
僕は、素直な気持ちで言葉を伝えることができた。コミュ症だから、普段は全然言葉が出てこないのに、先輩が優しいから、思った事がなんでも口に出せる。
「それと、山田くんがどんなに辛い思いをしてきたか、俺に話してくれない?」
僕は少し迷ったけど、いつか話すことになるだろうし、僕ももう吐き出してしまいたい。
そう。これまで溜め込んできた辛かった事、苦しかった事。全部全部、いつか誰かにぶつけて、受け止めて欲しいって、思ってたんだ。
だから、この際…。
「話します。引かないですか?」
「引かないよ。話してみて。」
そう言って、先輩は僕のことをギュッと抱きしめてくれた。
ドライヤーを終えると先輩は、僕を抱っこした。
男の人って、こんなに力があるんだ、なんて思ってしまった。
先輩は、ベッドに僕を連れて行った。
一旦僕だけを布団にうつ伏せに寝かせた。
棚から保湿クリームを出して、僕の背中に薄く伸ばして塗ってくれた。
「山田くんの背中、かわいいね。」
僕は恥ずかしくなる。
「山田くんの背中の傷が良くなりますように。」
先輩の手が、優しく僕の背中を撫でる。
いい意味でゾワゾワした。そして気持ちが良かった。
冷たいクリームが、ちょっぴり熱くなった僕の体を冷やしてくれた。一方で、先輩の熱い手のひらの温度も感じた。
保湿剤を塗り終えると服を着せ直してくれた。
先輩にお世話されて、僕はまるで赤ちゃんみたい。
それから、僕らは2人で、布団に潜り込んだ。
お風呂上がりだとちょっと暑くて、クーラーをつけた。
すぐに電気を消して、明日のために寝ようって話になった。
「山田くん、明日は頑張ろうね。それさえ終われば、放課後いっぱい遊べるよね?」
「そうですね。アルバイトがあるけれど、2時間くらいで終わるし。もっともっといっぱい一緒にいましょうね。」
僕は、素直な気持ちで言葉を伝えることができた。コミュ症だから、普段は全然言葉が出てこないのに、先輩が優しいから、思った事がなんでも口に出せる。
「それと、山田くんがどんなに辛い思いをしてきたか、俺に話してくれない?」
僕は少し迷ったけど、いつか話すことになるだろうし、僕ももう吐き出してしまいたい。
そう。これまで溜め込んできた辛かった事、苦しかった事。全部全部、いつか誰かにぶつけて、受け止めて欲しいって、思ってたんだ。
だから、この際…。
「話します。引かないですか?」
「引かないよ。話してみて。」
そう言って、先輩は僕のことをギュッと抱きしめてくれた。
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