短い怖い話 （怖い話、ホラー、短編集）

息子の小学校の七不思議には心当たりがあるんですよね。

　

　僕はもう４０歳を超え、５０が近いおっさんですが、まだ小学校低学年の息子がいます。

　息子は、超がつくほどの人見知りで、出張が多い僕ともあんまり話をすることがありませんでした。


　でも、そんな人見知りの息子がある日こんな話をしてくれたんです。


　それは、小学校の給食室に幽霊が出る、という話でした。
　いわゆる学校の七不思議てきなものです。


　息子の小学校は、中庭に大きな倉庫のような建物があり、そこから配膳用のカートに乗った給食を教室に運んで配るシステムです。
　これは、私が小学生の頃から変わっていません。


　息子曰く、その配膳用のカートを押す小学生の幽霊が、給食室には出るんだと言うのです。


　
　その話を聞いて、僕は、ピンときた事があったんです。


　私が小学2年生の頃。
　同学年の子が、給食準備中に転倒してしまい、頭を強く打って亡くなったんです。

　きっとその子が幽霊になって今も小学校を彷徨っているのでしょう。
　急に命を落としてしまったので、成仏することも出来ずに、何十年も彷徨ってると思うと可哀想でなりません。


　ちなに、今はどうなっているのか、わかりませんが、当時は給食室の床も校舎につながる渡り廊下もコンクリート打ちっぱなしって感じだったんで、かなり硬かったんでしょうね。
　僕も、亡くなった同学年の子が転んだ姿を後ろから見ていたんですが、そんなに激しく転んだようには見えませんでした。


　そもそも、ちょっと押しただけで転ぶなんて、なんてひ弱な子供だったんでしょう。

　可哀想と言えば、可哀想だとは思うのですが、転んで死んでしまう様な子供も悪い様な気がします。