短い怖い話 （怖い話、ホラー、短編集）

よくある心霊写真を繰り返す俺

　心霊写真のあるある。

　足とか手とかが消えるやつ。

　そんで、写真の中で消えた部位を後日、怪我してしまうってやつ。
心霊写真の番組の定番だし、手足が消えた心霊写真なんて、結構よくあると思う。


　でも、俺はちょっと違う。

　俺は、それを何度も繰り返してるんだ。

　

　最初は、小学2年生の頃だったと思う。

　遠足の時の写真で、その遠足では引率できていた校長が学校に飾るために撮っていた。

　その中に、俺の単体の写真があった。少し遠目のアングルからの写真で、カメラを向けられた俺は満面の笑みでカメラに向かってピースしていた。

　しかし、明るい笑顔とは裏腹に、左足が綺麗に消えて後ろの景色が透けていた。
　写真が現像されたのを見て、みんなが怖がっていた。俺も怖かった。

　しかも、写真を初めて見て1週間後に足を骨折した。左足を階段から転んで骨折したのだ。

　それをきっかけに、2年に一度のペースで似た様な心霊写真が撮れた。毎回、俺の左足が消えて無くなるのだ。そして、それから1週間から1ヶ月後には、必ず足を大怪我した。


　転んだり、部活動で靭帯を痛めて手術したり、車に轢かれて怪我をしたこともある。

　お祓いやら除霊やら試しまくった。
　母親が、変な宗教にハマりかけたこともある。


　でも不思議なことに、30歳になった年に母親から紹介された、怪しげな霊能者に除霊されてからは無くなった。

　その霊能者曰く、女の妖怪が足に取り憑いていたんだと。


　本当かどうかはわからん。

　でも、実際に30歳から40歳になった現在まで心霊写真が撮られることも怪我をすることも無くなった。

　一件落着、だったらいいなぁと思っている。