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小瓶の妖怪

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 疑問が掠めたのはほんの一瞬だ。アオイから与えられる快感にすぐに頭が真っ白になり、そんな疑問は立ち消えてしまった。
 アオイはようやくペニスを握ってくれた。
 緩やかな速度でそれを扱きながら、チュッチュと啄ばむように乳首も吸われる。反対の手では乳首を捏ねたり陰嚢いんのうをやわやわと揉んだりと忙しない。

 そのうち義松は無意識にゆらゆらと腰を振りはじめた、そのとき。突然ぎゅっと根元を強く握られ義松は瞠目した。

「やっ……何……?」

 アオイは乳首に吸い付いたまま、上目遣いにチラリと義松の顔を見ただけで、構わず根元を握りしめたままで扱きたてる。

 絶頂はどんどん迫ってくるのに、強く握られているせいで中々そこまで辿り着けない。
 腰をガクガクと震わせて「やだ、イきたい……イかせて!」と強請れば、今度はアオイの手がパッと離れた。
「あ……」

 突然快楽の渦の中から放り出され、愕然とする。縋るような目で仰ぎ見ると、アオイは緩慢な動作で体を起こしながらタイマーを確認するところだった。
「まだ十分しか経ってないんだけど。もうイきたいの? どんだけ早漏なんだよ。折角来たんだし、もうちょっと我慢しようよ」
「うぅ……」

「できるよな?」そしてアオイは小首を傾げ、にこりと微笑む。
 思わず義松はこくんと頷いた。

「あ……、俺も……アオイさんのおっぱい触りたい……」
 押し倒されていた体勢から、義松はよろよろと起き上がった。
 せっかくオプション①②をつけたというのに、今日はまだアオイのおっぱいに触れていない。入室早々に押し倒されたのだから当然だ。

「いーよ、俺のおっぱい気に入った?」
「あ、待って」

 くすりと笑って、自ら脱ごうとするアオイの手首を掴み義松はストップをかけた。
「俺が、脱がせたい……」
 アオイは無言のまま微笑んで、ボタンにかけていた手を下ろす。
 義松は息を呑んで、向かい合わせで膝の上に乗っかるアオイのシャツに手を伸ばした。
 今日のアオイは淡い水色に白のパイピングの入った、半袖のパジャマシャツを着ていた。ボタンを一つ、また一つと外す度に興奮が募っていくようだ。

「ねぇ手、震えてない?」

 揶揄するように笑ったアオイを、義松は無言で睨みつけた。興奮のあまり気持ちばかりがはやり、指先が上手く動かない。

 不器用にボタンを外し終えた義松は、露わになった美味しそうな乳首に切羽詰まった様子で早速かぶりついた。
 さっき自分がされたように、唇で啄むように乳首を引っ張ったり舌先でつついたり。
「んっ」とアオイが堪え切れず声を零した。

 アオイの股間に手を伸ばすと、やはりそこは勃っている。

 喜びを感じるのもつかの間、ぴしゃりと手を叩かれて「チョーシ乗んな」と怒られてしまった。
 次の瞬間、ペニスをむんずと握られ「う」と義松は呻き声を上げる。
 ものすごいスピードで扱かれ始めると、アオイのおっぱいを堪能する余裕もなくなり、ぎゅっとアオイの裸の胸に縋りつくように抱き着いた。

「ああっ⁉ な、何っ」
「チョーシ乗ったお仕置き~。ちゃんと耐えてね」
「あっ、あっ、あっ! や、声……っ、出ちゃうっ!」
「いいよ、いっぱい出せば」
「あ、あっ! ダメ、イく、イく、イく……ツ!」

 そして義松はあえなく達してしまった。

「あ~あ、耐えてって言ったのに」と、どことなく楽しそうな声が頭に降ってくる。

 しかし義松の耳には入らなかった。
 はぁはぁと肩で息をしながらも、目の前の美味しそうなアオイのおっぱいに気が付いてしまったのだ。義松は魅入られたように釘付けになり、思わずぱくりとその愛らしい突起をふたたび口に含んだ。

「……おい」
「ん……も、ひょっとらけ……」

 ちゅうちゅうと赤ん坊のように乳首を吸いはじめた義松に、アオイはわざとらしいほど深々と溜め息を吐いてみせた。

「でっかい赤ん坊だな」

 何とでも言ってくれ。
 さっきは余裕がなさすぎて、心ゆくまでおっぱいを堪能できなかったのだ。
 構わず吸い続ける義松に、ときどきアオイが「んっ……」と声を押し殺して身動ぎをする。彼も感じているかと思うと、ムラッと、先ほど吐き出したばかりのはずの欲望がふたたび湧き上がってくる。兆しはじめた自身を感じながら、もう一度アオイに触れてもらいたいと思った。彼の手を取り、ふたたび自身のペニスに誘おうとしたとき――……。



 ピピピピピピピ。
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