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池田湖のUMA
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鹿児島県にある池田湖には、イッシーというUMAが棲んでいるらしい。
ネッシーのパクリなのだと思っていたが、元々は池田湖の龍神伝説を元に作られ、数々の目撃情報なんかもあるという。
俺は、関東の出身なんだがめちゃくちゃホワイト企業だけども、転勤の多い会社に入社したんで回り回って気がついたら鹿児島県に住んでいた。
鹿児島に転勤してきてから3年くらい経った頃、仲良しの地元採用の鹿児島出身者のA君と肝試しに行くことになった。
A君は心霊好きで、そういうスポットにも結構行ったことがあるらしい。だから、ザ心霊スポットって感じのところは行き尽くしたので、UMAを探しに池田湖に行こうって誘われた。
俺は、正直あんまり行く気がしなかった。UMAに興味がなかったし、どっちかというと古いボロボロの館みたいなところで肝試しがしたかった。それが、湖に行くだけなんてつまらないって思ったんだ。
でも、池田湖がある街は砂蒸し温泉とやらが有名らしく昼間はそこでゆっくりしてついでに夜池田湖に行けばいいんだってA君に諭されて、温泉とかサウナとか大好きな俺は喜んでA君と池田湖に行くことにしたんだ。
休日出勤の日があって平日に代休がもらえるって日が年に3回くらいあって、それがたまたま来週からだったから池田湖に行く日はその日になった。
最終的な予定は、土曜日が出勤で日曜の夜に池田湖に行って車中泊して、月曜の昼間に砂蒸し温泉を満喫する段取りに決まった。
そして、あっという間に池田湖に行く日曜になった。
池田湖まで、俺たちが住む街から車で1時間くらい。
俺は、土曜の夜からA君の家に泊まり、日曜は二人でゲームをしてしっかり昼寝をして、夜は焼肉に行ってまた仮眠して準備万端だった。
池田湖には、深夜2時くらいに着きたいから0時半にA君の車で出発した。
A君と俺は本当に気が合うもんだから、車内では話が盛り上がり大爆笑だった。俺は、ビビリだからちょっと肝試しって怖かったけどA君と大爆笑してたら恐怖なんて忘れてた。
おしゃべりなんかしてたら1時間なんてあっという間に池田湖に到着。
車を降りて池田湖の周りを歩いたり、A君は写真に写るかもしれないからって大量に写真を撮っていた。でも辺りは暗いからあんまりまともな写真は撮れて無くて、それを見て俺は大爆笑していた。
多分、1時間くらい池田湖の周りをダラダラ歩いていたと思う。
遠くに黒い影が蠢くのが見えた。
「A君、あそこになんかいるんじゃね?」
「あー、なんか黒いの見えるけど。木じゃないですが?」
たしかに木にも見えてきたけど、なんか小刻みに波打つように動いている気がする。
2人で黒い物体を凝視した。暗いしあんまりよくわからない。
でも、影が大きくなってきている気がする。
いや、大きくなってるって言うか近づいてきてるんだ。
「あれ、木じゃないですね…動いてますね…」
A君が言う。
「近づいてきてるよ…」
と答えた。
逃げ出したい気持ちを抑えて、凝視し続ける。
「なんかやばそうだし、車の方に向かいましょう?」
A君の問いかけに頷いて車の方に逃げた。
2人とも恐怖の限界だった…
車に向かう途中、もう一度振り返って物体をみてみた。
それは、「もののけ姫」に出てくる祟り神みたいにミミズのような物が集合して一つの大きな物体を作り上げていることに気がついた。
俺たちは車を飛ばして、この街を出て家に帰った。砂蒸し温泉なんてどうでも良くなった。
心臓がバクバクして、不思議な感情に陥った。
多分これは、畏れのような感情だと思う。
あれが池田湖のイッシーだったのか。
実はこの出来事から10年くらい月日が経ってしまったのだが、まだ不意に思い出して心臓が激しくバクバク動くんだり畏れの感情を思い出す、
ネッシーのパクリなのだと思っていたが、元々は池田湖の龍神伝説を元に作られ、数々の目撃情報なんかもあるという。
俺は、関東の出身なんだがめちゃくちゃホワイト企業だけども、転勤の多い会社に入社したんで回り回って気がついたら鹿児島県に住んでいた。
鹿児島に転勤してきてから3年くらい経った頃、仲良しの地元採用の鹿児島出身者のA君と肝試しに行くことになった。
A君は心霊好きで、そういうスポットにも結構行ったことがあるらしい。だから、ザ心霊スポットって感じのところは行き尽くしたので、UMAを探しに池田湖に行こうって誘われた。
俺は、正直あんまり行く気がしなかった。UMAに興味がなかったし、どっちかというと古いボロボロの館みたいなところで肝試しがしたかった。それが、湖に行くだけなんてつまらないって思ったんだ。
でも、池田湖がある街は砂蒸し温泉とやらが有名らしく昼間はそこでゆっくりしてついでに夜池田湖に行けばいいんだってA君に諭されて、温泉とかサウナとか大好きな俺は喜んでA君と池田湖に行くことにしたんだ。
休日出勤の日があって平日に代休がもらえるって日が年に3回くらいあって、それがたまたま来週からだったから池田湖に行く日はその日になった。
最終的な予定は、土曜日が出勤で日曜の夜に池田湖に行って車中泊して、月曜の昼間に砂蒸し温泉を満喫する段取りに決まった。
そして、あっという間に池田湖に行く日曜になった。
池田湖まで、俺たちが住む街から車で1時間くらい。
俺は、土曜の夜からA君の家に泊まり、日曜は二人でゲームをしてしっかり昼寝をして、夜は焼肉に行ってまた仮眠して準備万端だった。
池田湖には、深夜2時くらいに着きたいから0時半にA君の車で出発した。
A君と俺は本当に気が合うもんだから、車内では話が盛り上がり大爆笑だった。俺は、ビビリだからちょっと肝試しって怖かったけどA君と大爆笑してたら恐怖なんて忘れてた。
おしゃべりなんかしてたら1時間なんてあっという間に池田湖に到着。
車を降りて池田湖の周りを歩いたり、A君は写真に写るかもしれないからって大量に写真を撮っていた。でも辺りは暗いからあんまりまともな写真は撮れて無くて、それを見て俺は大爆笑していた。
多分、1時間くらい池田湖の周りをダラダラ歩いていたと思う。
遠くに黒い影が蠢くのが見えた。
「A君、あそこになんかいるんじゃね?」
「あー、なんか黒いの見えるけど。木じゃないですが?」
たしかに木にも見えてきたけど、なんか小刻みに波打つように動いている気がする。
2人で黒い物体を凝視した。暗いしあんまりよくわからない。
でも、影が大きくなってきている気がする。
いや、大きくなってるって言うか近づいてきてるんだ。
「あれ、木じゃないですね…動いてますね…」
A君が言う。
「近づいてきてるよ…」
と答えた。
逃げ出したい気持ちを抑えて、凝視し続ける。
「なんかやばそうだし、車の方に向かいましょう?」
A君の問いかけに頷いて車の方に逃げた。
2人とも恐怖の限界だった…
車に向かう途中、もう一度振り返って物体をみてみた。
それは、「もののけ姫」に出てくる祟り神みたいにミミズのような物が集合して一つの大きな物体を作り上げていることに気がついた。
俺たちは車を飛ばして、この街を出て家に帰った。砂蒸し温泉なんてどうでも良くなった。
心臓がバクバクして、不思議な感情に陥った。
多分これは、畏れのような感情だと思う。
あれが池田湖のイッシーだったのか。
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