短い怖い話 （怖い話、ホラー、短編集）

カエルの呪い

　伯父（母の姉の旦那さん）から聞いた話。伯父も伯父の曽祖父からその話を聞いたらしい。

　伯父の曽祖父は、詳しくは知らないが満州に住んでいた事があるらしい。満州の中でも伯父の曽祖父が住んでいた一部の土地は、カエルに呪われていると言う特殊な土地だった。

　呪いがあるからといって普段は特に何もない。

　しかし、その土地の人が死ぬ時は、まるでカエルになった様な死に方をするそうだ。

　伯父の曽祖父も、その土地の人が死にゆく様を一度見た事があるらしい。

　それは、仰向けのまま、まるでカエルが泳ぐみたいに手足を平泳ぎみたいにまるでカエルが泳ぐ様にばたつかせながら、白目を剥いてひたすら何時間もその動きを続ける。
　苦しそうとかは余りないのだが、淡々と一定の動きを保っている。
時たま、口をパクパク動かしながら喉から「ンゲーィ、ンゲーィ、ンゲー」と音を出す。
　そして、突然パタリと手足の動きが止まりカエルが泳ぐ時の様な、平泳ぎの様なおかしな姿勢のままで死ぬ。

　以上が、にわかには信じ難い、伯父から聞いた満州の一部の土地に伝わるカエルの呪いの話だ。