モテたかったがこうじゃない

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第二章

41*

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ベッドに縫い付けられるように絡められた掌の強さとは対照的に柔らかく合わさった唇が何度も触れては離れ、また触れては離れを繰り返す。

お互いの唇の感触を確かめる様な焦ったいちゅー。
よくされる舌を絡める深いやつと違って追い詰められてる感が無い分、妙に冷静で…アレク王子が離れる度に表面がくっついて、つぷ…っと離れる感触が分かる。

直ぐ近くにある息遣いも、時折出る声も、興奮もダイレクトに感じてしまって…は、恥ずかしいぞこれ。

いっそ訳分からなくされた方が楽な気がする。

「あの…っん、アレ…ちゅっは、アレク…んぅ…っちょ、ま…っ」

「ちゅっ、…マシロちゃん、んっ…嫌…?」

嫌?嫌って、ちゅーの事?

不安そうな声に閉じていた目を開けると、探るような橙の瞳が目の前で覗き込んでいた。

「嫌じゃ無い…けど」

そう答えると、あからさまに和らいだ瞳に顔に熱がたまるのが分かる。

…あんなに意気揚々とおれとえっちするって言ってたのに不安そうなのずるくない?

グランツ様といい、おれこういうギャップに弱いのかも…。ちょっと可愛いとか、思ってしまった。

絡まった掌をキュッと握り返し、目の前の唇に自分から重ねるように近づく。

「アレク王子…」

あと少しでくっつく。その時、チリチリと刺さるような視線を感じてそっちを見ると…兄貴と目が合った。

その目は嫉妬とも、怒りとも、欲情とも取れそうな。ただただ強い眼差しでおれだけを見ている。

その瞬間、カッとおれの中で何かが燃えた。

これは2人が始めた事なのに…後ろめたさが背筋を焦がす。

見ないでと口に出す前に、アレク王子の唇がおれのと重なった。

今度は舌を絡める深くていやらしいキス。
お互いの唾液が絡まってくちゅくちゅと水音が響く。

いやだ、だめ、見ないで…っ。

そう思うのに兄貴から目を逸らせない。

「んちゅ…はっ、ふぅ…っん、ん、はぁ…っあ、待っ…ふぅっ」

「んっ…は、ぁ…マシロちゃん…ん、くちゅ…んっちゅ…んっ」

気持ち良い。恥ずかしい。美味しい。後ろめたい。

アレク王子のキスで感じてしまう度に兄貴の視線がおれを責めているようで現実に引き戻される。

見られている。なんとも言えない背徳感がおれを揺さぶった。

ゾクゾクゾク…っ!!

背中に走る電流。おれは今、どんな顔をしているんだろう。

「ん、マシロちゃん…可愛い…んぅ…ちゅ、気持ちいい…?」

「ふう…っうぅんっ、んぅ…ぁふ…っ」

「くちゅ…はぁ、マシロちゃん…」

口の中で分厚い舌が動き回る。

擦り合わされる舌の感触と口いっぱいに溢れる唾液。息をするのも絶え絶えに、それでも舌を絡め合う。

頭がぼーっとして、熱に呑まれたい。そんなおれの心情ごと兄貴に見られているのかと思うと集中出来ない。

混乱する頭で快感を拾ううちに、生理的な涙が頬を伝う。

今までそれをただ見ていた兄貴がおれの頬から雫をそっと掬い上げて、ゆっくりと見せつけるように舐めた。

一連の動きがスローモーションの様に目に焼き付く。

おれを見つめたまま、今まで無表情だった兄貴がいやらしく笑った。

「…しょっぺ」

瞬間、おれの中で何かが弾けた。カーッと全身の血が沸騰する感じがする。

「ふぅ…っう、んんぅ…っ!」

アレク王子とキスしてるのに、兄貴とのえっちを思い出しちゃって、兄貴にも、アレク王子にも、どっちにも悪いことしてるような、恥ずかしくて…後ろめたくて仕方がないのに…っ!

「あっ!ふっぅ…っうっあぁ…っやあぁ…っ!ちがううぅ…っ!!」

ビクビクビクッ!!と身体が小刻みに痙攣する。堪らず息を詰めてアレク王子の首ものに顔を埋めるがもう遅かった。

はあはあと息を吐く。

あまりの出来事に恥ずかしさでまた涙が溢れた。顔を上げられない。

「…イったの?」

呆然としたアレク王子の問い掛けに益々居た堪れない。耳まで赤くなってる。

動けないでいるおれをアレク王子が抱きしめてくれる。

アレク王子にはキスされただけ、兄貴はただ見てただけ、なのに…。
パンツの中の湿った感触が情けない。ゔう…。

さらにアレク王子にしがみついて小さくなるしかなかった。

すると太もも辺りに固いものが当たった。え、これって…。

びっくりして顔を上げると、赤い顔でなんとも言えない表情をしたアレク王子がおれを覗き込んでいた。

欲情し切った目と合う。熱に当てられて固まっていると熱い吐息を吐かれた。

「ねぇ…イっちゃったの?マシロちゃん。俺とキスしてるの見られて気持ち良くなっちゃったの?」

「あ…あぁ…ちが…」

「違うの?じゃあ俺のキスが気持ち良すぎてイっちゃたのかな?…まあどっちでもいいや、凄く可愛かった」

「う、あ…」

当たっていただけの高まりをぐいぐい意図的に押し付けられる。おれのちんこに擦られて熱さと硬さがダイレクトに伝わる。

「出来れば独り占めしたかったけど、こんなシチュエーション滅多にないだろうし、何よりマシロちゃんが可愛いから今回だけはよ。イグニス殿」

「寛大でありがたい限りです、殿下」

おれの上から退いたアレク王子はそのままベッドヘッドにもたれて座って、固まったままのおれを抱き起こして胸にもたれさせた。

背中から抱きしめられる格好で座らされて、足元には兄貴が来る。

大の男3人分の重さを支えたベッドが大きく軋んだ。

アレク王子と兄貴に挟まれて心臓がバクバクする。まださっきのイっちゃった衝撃から立ち直れてないのに…っ!

変に緊張して身体に力が入るのを、後ろのアレク王子が可愛いと頬ずりする。

「大丈夫だよマシロちゃん。いっぱい出して気持ちよくなるだけだからね」

「そうだぞマシロ。気持ち良い事だけしてやるから、お前はただ喘いでろ」

足元の兄貴がパンツごとズボンを下ろしていく。

一度出して元気の無いおれの息子がぷるんと顔を出した。濡れて糸を引いている様子に目を背ける。

「沢山出して、出し切ったら…俺のをいっぱい注いであげる。あぁ、楽しみだなぁ。あ、わかってると思うけどアンタは挿れらんないからな」

「…何故ですか」

完全に抜き取られて下半身があらわになった。

「…複数の属性魔力を注ぐとマシロちゃんが危険だから。あと魔力入れる時はある程度今入ってる魔力が無い状態にしないと駄目だから。絶対覚えておいてよ」

「わかりました。では殿下がされる前だったら俺もして大丈夫と言う事ですね」

剥き出しになった太ももを撫でられてピクンと跳ねる。

「はあ?だから調子乗んなっておっさん。アンタはあくまでおまけで許してあげてるんだから弁えろよ」

負けじとアレク王子の手がおれのシャツの中に潜り込んで乳首に触れる。指先でカリカリ引っ掻かれて身を捩る。

「ふぅ…んっ」

「許しはマシロに聞くんで。マシロに望まれたら、仕方がないですよね?」

兄貴がおれのちんこを片手で包んで上下に擦った。既に濡れているそこは痛みもなく、大きな手でぐじゅぐじゅと音を立てて追い立てられる。

「あっあぁ…っ」

「マシロちゃんは俺の魔力でいっぱいになるからお呼びじゃないよ。ね、マシロちゃん」

きゅう…っと両方の乳首を摘まれて息を詰める。

「お、反応した。お前乳首好きだよな」

徐々に硬さを取り戻しつつあるちんこを擦り上げられながら、内腿を兄貴に吸いつかれる。

柔らかく敏感な肉が吸われて反射で足を閉じると、兄貴を挟み込んでしまった。

「大胆だな」

ベロっと際どいところを舐められて震える。

「マシロちゃん、気持ちい?こんなにぴくぴくして、…可愛い」

「うわっ、ああ…っだめ、や、耳ぃ…あぁ…っはっ」

右耳を甘噛みされたり、舐められたりして脳に響く。

もうなんなんだ。こんなに色んなところを一気に攻められてどうしろって言うんだ。

譫言のように喘いで、震えるしか出来ない。

全身ゾワゾワする。

「あう…は、あん…やぁ…出る…っ、あ、またぁで、出ちゃう…っ」

カクカクと腰が動くと、暖かい何かにちんこが包まれた。

あまりの気持ちよさにびっくりして悲鳴を上げる。

「ああぁあ…っ!あぁ、なに、あっあっだめ…あぁ…っ!」

強すぎる刺激に腰を引くが、がっちり掴まれていて逃げられない。そっと見下ろすと、兄貴がおれのを咥えていた。

赤い髪がおれの股の間で揺れている。あ、あ、めまいがした。

「あ、兄貴ぃ…や、きたな、だめ!出るからぁ…っ!離してっ、お願い…っ離してぇ…っ!」

ちらっと目だけおれを見て、ニヤッと笑うとさらに激しく吸いつかれる。なんでだよ…!

歯を食いしばって耐えるおれの耳に甘く優しい声が囁いた。

「大丈夫、怖くないよ。出したいんでしょ?いっぱい出していいんだよ、我慢しないでマシロちゃん」

「ふぅーっんぅ、でも…っでも…っ」

出したい、出したい…っ!でも、兄貴の口に出すなんて…そんな…っ。

「泣かないで、気持ちよくしてるんだから出していいんだよ。沢山イクところ、俺達に見せて」

じゅぶじゅぶと音がする。ガクガクと震える腰。頭がパンクしそうだ。

「さあ、イって」

耳に吹き込まれると同時に乳首を思い切り引っ張られた。

ちんこがビクビクっと跳ね、目の前がバチバチする。

「あ゛あ゛あ゛ああぁあ…っああ…っ!あぁ…っ!はっ、あぁっ…あ…っあ…」

我慢してたからか、同時に何箇所も追い立てられたからか激しく身体が跳ねるが上半身はアレク王子に、下半身は兄貴に押さえ込まれてしまう。熱い、汗が噴き出る。

「あ…はぁ…ぁ…あぁ…あ…」

「ごくん…、上手にイけたな」

「可愛かったよ」

イった後も余韻で跳ねる肌をうっとりと撫でられ、その度に小さく跳ねる。

「汗かいてるから脱がしちゃうね」

湿って脱ぎづらくなったシャツをアレク王子が脱がしてベッドの下に放った。

丸裸で横たわるおれを上から覗き込んだ2人が上機嫌に笑う。

あんたら喧嘩してたんじゃないの?

擦り切れた体力とイった余韻で思考回路がショートしてしまったおれは、取り敢えず水を要求した。



















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