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第二章
35*
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イグニスの大きな口が角度を変えて隙間無く覆い被さってきた。
暴れる分厚い舌で口の中をいっぱいにされてびっくりする。奥に逃げた舌も絡め取られてくちゅくちゅと艶かしい水音とお互いの息遣いだけが漏れていた。
さっき一回イったからか口の中の刺激だけでも身体がもぞもぞする。
「あむぅ…うっうっ…ふぅ…くちゅ…っんあ」
上から食われるようなキスに堪らずイグニスの頭を掴んだけど、気持ちいいのと酸欠気味で縋るように抱き込んだだけになってしまう。
それでもちゃんと意図が伝わったようで合わさった唇が糸を引いて離れた。
「んっはぁ…下手くそ。鼻で息するんだよ」
「はあ…っはあ…っ知って、る…っはあ…けど、もっと…ゆっくりし…て…」
「…知ってんのかよ。あーはいはい、そう睨むなって。お子ちゃまにはまだ早かったな。お望み通りゆっくりしてやるから口開けろ」
馬鹿にしたような言い方にムカッと来るが、仕方なく言うことを聞いて口を開ける。苦しいのは嫌だ。
「素直でよろしい」
ご満悦な様子のイグニスの唇がまた合わさってくる。が、今度は言葉通りゆっくりした動きで舌や上顎を舐められた。
時折啄むように唇が離れてくれるから息もしやすい。
…その代わり、ゆっくり舐められてるからか舌のざらざらした感触や艶めかしい弾力をしっかり感じてしまってゾワゾワした。
「あぁ…ふっんぅ…ふぅ…くちゅ…ん、ちゅ…っん…」
「ん…はあ…っ上手い上手い。やれば出来るじゃねぇか」
「んぅんっ…っこれくらい、よゆーだし…っ」
「おーおー、ちゅっ、んじゃ、そのまま頼むぜ」
「ぇ…んあぁ!?んぅ~…っんっあ…っあぁん…っぅ」
キスはそのままに、突然尻の穴を撫でられてそのまま指が2本入ってきた。
何度か解されている穴はなんの抵抗も無しにイグニスの指を受け入れている。
それでも埋め込まれた異物感に逃げ腰になるが、逃げても前にはイグニスがいる訳で、ただただイグニスに縋り付くしか出来ない。尻たぶに力が入る。
「あっふあ…っいきなり…うんぅ…っ!」
埋め込まれた指はゆっくりと上下に抜差しされ、肉壁を確かめるように触る。その度にんっんっと声が漏れて恥ずかしい。
擦ったり、奥に押し込まれたり、いつの間にか指が3本に増えていたりと散々穴を解されて、最初に感じていた違和感が次第に甘い痺れに変わっていった。
そうでもなかった刺激が段々と明確な快感になっていく感覚がちょっと怖い。
でも、この甘い感覚は嫌いじゃない。
それは今までので与えられる快感を身体が自然に受け入れているからか、それともおれ自身が元々そういうのが好きだったのかは分からない。けど、今しているこの行為を嫌だと感じていない。むしろもっとして欲しい。そう思ってる。
あの4人以外の人とだ。
イグニスは好きだ、好きだけど、好きだけど…。
入り口と中が無意識に波打っているのが自分でも分かる。それは当然挿れてるイグニスにも伝わっていて…。
「はあ…堪んねぇ…、なあ?もう入ってもいいか?お前の中に入れてくれよ…な?いいだろ?」
「はっあっ…はぁ…っ」
「指じゃ届かねぇところ全部埋めてやるから…、な?」
「はあ…でも、」
「…でも?」
流されてここまで来た。今更止めよとはおれ的にも言えないし、止めて欲しくないけど。
このえっちは…本当にしてもいいやつか?
おれ、えっちし過ぎて感覚バカになってない?
おれは…、
「これから好きになればいいだろ」
「え…」
「少なくとも俺はそういうつもりでお前の戯言に乗ったんだぜ?それとも殴りたいほど嫌か?」
「そ、そんな…事は…」
「お前の元気で素直なところが好きだ」
「え…っ?何いきなり…」
「ビビリな癖に懐いたら距離感無いところとか、すぐ言いくるめられるチョロさとか…」
「いやその…ん?それ褒めてないよね?」
「後は…俺の飯を美味い美味いって食ってくれるところとか、すげぇ好き」
「それは…だって本当に美味かったし…」
「人が人を好きになる切っ掛けなんてそんなもんだ」
「・・・・・」
おれにとって当たり前にしたことなのに、そこが好きだって言ってくれる。
どれくらい好き?キス出来るくらい?えっちできるくらい?
よくわからない。
でもそれで言ったらおれにとってあの4人はえっち出来るくらい好きだ。イグニスにだって散々触られたしイカされたけど嫌じゃないから、多分それくらい好き。
嫌じゃ無いのは好きってこと?
…やっぱり難しい。
「…身体からでも良いと思う?」
「お互いがいいならいいんじゃないか?駄目なら別れればいい。ちなみに俺は今すぐお前が欲しい」
「ははっそんな簡単に、イグニスってそんなキャラだっけ?」
「うるせぇ、俺も必死なんだよ。腹括ったはいいがお前の彼氏達規格外過ぎだしよ。チャンスに選り好みしてられっか」
「確かに…」
お互いがいいなら、か。
おれが思ってる以上に『好き』の定義って曖昧なものなのかもしれない。
「あー…真剣に考えてるとこ悪いけどよ。そろそろ我慢の限界っつーか…」
「あっ、ごめ…わっ」
中に埋められていた3本の指がずるりと引き抜かれて、代わりにバキバキに勃起したちんこが穴の入り口に当てられた。そのまま先端から出ている先走りを塗り込むように軽く突かれる。
「挿れてぇ…はあ…頼む、いいって言えって、は…っなあ…」
甘えるような声。ぬちゃぬちゃと響く水音と触れる熱におれの鼓動が大きくなった。
イグニスの昂りをモロに感じる。
入りそうで入らない絶妙な動き。おれの穴もヒクヒクと物欲しそうにしまっている。
一気に現実に戻された。おれは今、イグニスとえっちしてる。イグニスが…おれの中に入りたいって…。
下の方に向いていた意識を顔ごと持ち上げられて顔を合わせられる。
「あ…っあぁ…っ」
そこには獲物を見るような赤い瞳と興奮しきった表情。ごくんっと喉がなる。熱に当てられる。
「待てはもう十分だ。俺もお前の中に、マシロの特別に…入れてくれ…っ」
「イ、グ…ニス…」
「大事にしたいんだ…っ、だから、無理やりはしたくねぇ…。俺を受け入れてくれ、頼む」
ふーふーっと興奮を抑えながらおれの許しを待つ姿に見入ってしまう。
これは浮気になるのかな?イグニスも大事な人ですって言ったら、みんな分かってくれるかな?
ああ…こう言うところがおれの悪いところだ。
流されて、流されて…許すふりをして、甘えて、逃げて…。
「…いいよ、きて。イグニス…」
非現実に飲まれてるだけ。
「マシロ…っ」
「ひああぁ…っああ…っはあぁあ…っ」
散々入り口を突いていた先端が待ち焦がれた様子でめりめりとおれの中を割り開いて進んでいく。
指で柔らかくなってると言っても比べ物にならない質量と熱に犯されるとはこの事かと身体が戦慄いて息を吐く。
「ふーっふー…っ」
イグニスもきついのか上からぽたぽたと汗が落ちてくる。それでもゆっくり、確実におれの中に埋まっていった。
その間、お互いに目を合わせたままだった。
ぐっぐっと行き止まりまで辿り着く。なんとか全て埋まったみたい。
…あれが、本当に全部入ったのか。相変わらず人体ってすごい。
「…苦しくないか?」
「ふぅ…っぁちょ…と」
「悪りぃな、でも…最高の気分だ」
嬉しそうに笑うイグニスにキュンとする。なんだ、これ…?
そのままおれが落ち着くまで動かないでいてくれるようで、お互いになんとなく自然に唇を合わせて啄むようなキスをした。
耳や目尻も撫でられて気持ちいい。
戯れのような触れ合いに身体から緊張が徐々に取れていく。お腹の圧迫感も少しマシになった気がした。
「はぁ…ぁ、イグニス…もう動いて、いい…よ」
「無理してないか?」
自分も動きたくて仕方が無いだろうに、それでも大事にしたいの言葉通りおれを気遣ってくれる姿に嬉しくなる。
本当に優しい人。
ちゅっと口先に触れるだけのキスをする。
「大丈夫…動いて、イグニス…は、ああぁ…っあぁ…っ」
おれの言葉に、止めてくれていた腰がゆっくりと動き始める。
「はっは…っあぁマシロ…っ、ふっはぁ…気持ちぃ…っくぅっあ、ゆっくり…するから…っ」
「ああぁ…っあんっ…イグニスぅ…っ」
「くそ…っ良すぎだろっ!もって、かれ…る…っ」
いつの間にか膝裏を持ち上げられて大きく左右に開かれていた。
より深く刺さる肉棒はゆっくりした動きだけど、奥深くまで押し込まれているからかどちゅどちゅ激しい音を立てている。目の奥がチカチカして、足先がピンと伸びた。イグニスの背中に腕を回して縋り付く。
「あぁあ…っイグニ…あんっおぐぅあっあぁ…っ奥がぁ…っ」
「奥が、どうした…?気持ちいか?はぁ…っははっ、さっきから吸いついてるぜ…っ」
「あうぅ…っふぅん…っやぁおくぅ…っあぁ…っ」
「ああ…気持ちいな…っ」
大きなピストン運動から奥を小突く動きに変えてさらに奥を押され、きゅう…っと中が締まった。
ただでさえいっぱいなのに更にイグニスのちんこが密着してもっといっぱいになる。
「あ゛あぁあ…っいっぱ、イグニス…おっきぃ…っ」
「ゔぐぅ…っふっバカ!今そんな事言うなって…っ」
「あぁ…っだってぇ…っあん、くるし…もっ、おっきくしないでぇ…っ」
「無茶言うなって…っくそ…っ」
「んう…っあっやあぁ…ふぅ…っん…くちゅ…ぁん…ふぅ…っんぅ」
上体を更に近づけてキスされる。その間も奥を突かれて声を上げるが全部イグニスに飲み込まれた。
上も下も塞がれて串刺し状態で身動き出来ない。
おれはただイグニスの動きに合わせて甘い音を出すだけだった。
全部がイグニスで埋められている。このまま中に出されたら…どれほど気持ちがいいんだろう。
「はっ…マシロ…ん、ちゅっはぁ…っマシロ…っ」
「イグニ、ス…っんぅあ…っぁ、んんっあ、イグニ…っんぅ」
お腹中も、魔力さえ、イグニスでいっぱいに…。
「マシロ…、好きだ…っ!」
「…っ!んあぁあ…っはっあああぁぁあ…ああぁ…っ!!」
「ん゛…っ!ぐっ、ふぅ…っ!!」
どぷぅぅぅ…っ!
不意に言われた好きに思わず中が反応して思いきりイグニスを締めてしまった。その衝撃で奥に挿れられたそこから熱いものが注がれる。イグニスがイったのだ。おれの中で。
勢いよく出た精液がなおも奥に入り込もうと奥を押す。イグニスも無意識なのか、荒い息を吐きながら更に更に腰を押し付けてきた。これ以上ないってくらい奥まで…。ぐぽっと中で音がした。
「あ゛っあぁあ゛あ…っ!あぁああ…っあ゛あ゛あぁあぁぁ…っ!!」
ぴるるる…っ!ぴる…っぴるる…っ。
おれのから出た精液は最初こそ飛び出たものの、あとはダラダラと先端から溢れるように流れた。それよりも、ガクガクと震える身体が止まらない。ずっと、ずっとイってる…っ!
強すぎる快感に頭が真っ白になった。口からも無意味な声がただただ漏れている。
「やべぇ…っ挿れ過ぎたっ、おい、大丈夫か…っ!」
ぐっと腰を引いて勢いよくちんこが引き抜かれてお尻にぽっかりと穴が空く。
いきなり奥にハマっていた物を取られた衝撃で腰がカクカク細かく震え続けた。当然さっきまで太いものを咥えていたヒダはくぱくぱと浅く閉まるだけで、中から大量に注がれた白い液体がどろっと外へ出てきた。
その感触にも感じてしまう。
仰向けになって、その全ての感覚に身を委ねてただただ息を吐く。
「はあ…かはっあ、ぁ…っんっあっあぁ…っはあ…はあ…っ」
「ごくっ…エロい…な…。…はっ、おい、大丈夫か…っ?」
心配しているイグニスが上から覗き込んできた。真っ赤な瞳。
「お前瞳の色が…、いや、すまない、歯止めが効かなくて…」
ぴくぴく痙攣する身体の代わりににこっと笑って見せる。
「らい、じょーぶ…ぁっきもち、かったぁ…んっ、いぐにすぅ…もっとちょーらい…?」
「…っ、あぁ、マシロが満足するまで…何度でもしてやるよ」
興奮したように唇を舐めていぐにすが覆い被さってききたのを、おれも目を細めて迎えいれた。
暴れる分厚い舌で口の中をいっぱいにされてびっくりする。奥に逃げた舌も絡め取られてくちゅくちゅと艶かしい水音とお互いの息遣いだけが漏れていた。
さっき一回イったからか口の中の刺激だけでも身体がもぞもぞする。
「あむぅ…うっうっ…ふぅ…くちゅ…っんあ」
上から食われるようなキスに堪らずイグニスの頭を掴んだけど、気持ちいいのと酸欠気味で縋るように抱き込んだだけになってしまう。
それでもちゃんと意図が伝わったようで合わさった唇が糸を引いて離れた。
「んっはぁ…下手くそ。鼻で息するんだよ」
「はあ…っはあ…っ知って、る…っはあ…けど、もっと…ゆっくりし…て…」
「…知ってんのかよ。あーはいはい、そう睨むなって。お子ちゃまにはまだ早かったな。お望み通りゆっくりしてやるから口開けろ」
馬鹿にしたような言い方にムカッと来るが、仕方なく言うことを聞いて口を開ける。苦しいのは嫌だ。
「素直でよろしい」
ご満悦な様子のイグニスの唇がまた合わさってくる。が、今度は言葉通りゆっくりした動きで舌や上顎を舐められた。
時折啄むように唇が離れてくれるから息もしやすい。
…その代わり、ゆっくり舐められてるからか舌のざらざらした感触や艶めかしい弾力をしっかり感じてしまってゾワゾワした。
「あぁ…ふっんぅ…ふぅ…くちゅ…ん、ちゅ…っん…」
「ん…はあ…っ上手い上手い。やれば出来るじゃねぇか」
「んぅんっ…っこれくらい、よゆーだし…っ」
「おーおー、ちゅっ、んじゃ、そのまま頼むぜ」
「ぇ…んあぁ!?んぅ~…っんっあ…っあぁん…っぅ」
キスはそのままに、突然尻の穴を撫でられてそのまま指が2本入ってきた。
何度か解されている穴はなんの抵抗も無しにイグニスの指を受け入れている。
それでも埋め込まれた異物感に逃げ腰になるが、逃げても前にはイグニスがいる訳で、ただただイグニスに縋り付くしか出来ない。尻たぶに力が入る。
「あっふあ…っいきなり…うんぅ…っ!」
埋め込まれた指はゆっくりと上下に抜差しされ、肉壁を確かめるように触る。その度にんっんっと声が漏れて恥ずかしい。
擦ったり、奥に押し込まれたり、いつの間にか指が3本に増えていたりと散々穴を解されて、最初に感じていた違和感が次第に甘い痺れに変わっていった。
そうでもなかった刺激が段々と明確な快感になっていく感覚がちょっと怖い。
でも、この甘い感覚は嫌いじゃない。
それは今までので与えられる快感を身体が自然に受け入れているからか、それともおれ自身が元々そういうのが好きだったのかは分からない。けど、今しているこの行為を嫌だと感じていない。むしろもっとして欲しい。そう思ってる。
あの4人以外の人とだ。
イグニスは好きだ、好きだけど、好きだけど…。
入り口と中が無意識に波打っているのが自分でも分かる。それは当然挿れてるイグニスにも伝わっていて…。
「はあ…堪んねぇ…、なあ?もう入ってもいいか?お前の中に入れてくれよ…な?いいだろ?」
「はっあっ…はぁ…っ」
「指じゃ届かねぇところ全部埋めてやるから…、な?」
「はあ…でも、」
「…でも?」
流されてここまで来た。今更止めよとはおれ的にも言えないし、止めて欲しくないけど。
このえっちは…本当にしてもいいやつか?
おれ、えっちし過ぎて感覚バカになってない?
おれは…、
「これから好きになればいいだろ」
「え…」
「少なくとも俺はそういうつもりでお前の戯言に乗ったんだぜ?それとも殴りたいほど嫌か?」
「そ、そんな…事は…」
「お前の元気で素直なところが好きだ」
「え…っ?何いきなり…」
「ビビリな癖に懐いたら距離感無いところとか、すぐ言いくるめられるチョロさとか…」
「いやその…ん?それ褒めてないよね?」
「後は…俺の飯を美味い美味いって食ってくれるところとか、すげぇ好き」
「それは…だって本当に美味かったし…」
「人が人を好きになる切っ掛けなんてそんなもんだ」
「・・・・・」
おれにとって当たり前にしたことなのに、そこが好きだって言ってくれる。
どれくらい好き?キス出来るくらい?えっちできるくらい?
よくわからない。
でもそれで言ったらおれにとってあの4人はえっち出来るくらい好きだ。イグニスにだって散々触られたしイカされたけど嫌じゃないから、多分それくらい好き。
嫌じゃ無いのは好きってこと?
…やっぱり難しい。
「…身体からでも良いと思う?」
「お互いがいいならいいんじゃないか?駄目なら別れればいい。ちなみに俺は今すぐお前が欲しい」
「ははっそんな簡単に、イグニスってそんなキャラだっけ?」
「うるせぇ、俺も必死なんだよ。腹括ったはいいがお前の彼氏達規格外過ぎだしよ。チャンスに選り好みしてられっか」
「確かに…」
お互いがいいなら、か。
おれが思ってる以上に『好き』の定義って曖昧なものなのかもしれない。
「あー…真剣に考えてるとこ悪いけどよ。そろそろ我慢の限界っつーか…」
「あっ、ごめ…わっ」
中に埋められていた3本の指がずるりと引き抜かれて、代わりにバキバキに勃起したちんこが穴の入り口に当てられた。そのまま先端から出ている先走りを塗り込むように軽く突かれる。
「挿れてぇ…はあ…頼む、いいって言えって、は…っなあ…」
甘えるような声。ぬちゃぬちゃと響く水音と触れる熱におれの鼓動が大きくなった。
イグニスの昂りをモロに感じる。
入りそうで入らない絶妙な動き。おれの穴もヒクヒクと物欲しそうにしまっている。
一気に現実に戻された。おれは今、イグニスとえっちしてる。イグニスが…おれの中に入りたいって…。
下の方に向いていた意識を顔ごと持ち上げられて顔を合わせられる。
「あ…っあぁ…っ」
そこには獲物を見るような赤い瞳と興奮しきった表情。ごくんっと喉がなる。熱に当てられる。
「待てはもう十分だ。俺もお前の中に、マシロの特別に…入れてくれ…っ」
「イ、グ…ニス…」
「大事にしたいんだ…っ、だから、無理やりはしたくねぇ…。俺を受け入れてくれ、頼む」
ふーふーっと興奮を抑えながらおれの許しを待つ姿に見入ってしまう。
これは浮気になるのかな?イグニスも大事な人ですって言ったら、みんな分かってくれるかな?
ああ…こう言うところがおれの悪いところだ。
流されて、流されて…許すふりをして、甘えて、逃げて…。
「…いいよ、きて。イグニス…」
非現実に飲まれてるだけ。
「マシロ…っ」
「ひああぁ…っああ…っはあぁあ…っ」
散々入り口を突いていた先端が待ち焦がれた様子でめりめりとおれの中を割り開いて進んでいく。
指で柔らかくなってると言っても比べ物にならない質量と熱に犯されるとはこの事かと身体が戦慄いて息を吐く。
「ふーっふー…っ」
イグニスもきついのか上からぽたぽたと汗が落ちてくる。それでもゆっくり、確実におれの中に埋まっていった。
その間、お互いに目を合わせたままだった。
ぐっぐっと行き止まりまで辿り着く。なんとか全て埋まったみたい。
…あれが、本当に全部入ったのか。相変わらず人体ってすごい。
「…苦しくないか?」
「ふぅ…っぁちょ…と」
「悪りぃな、でも…最高の気分だ」
嬉しそうに笑うイグニスにキュンとする。なんだ、これ…?
そのままおれが落ち着くまで動かないでいてくれるようで、お互いになんとなく自然に唇を合わせて啄むようなキスをした。
耳や目尻も撫でられて気持ちいい。
戯れのような触れ合いに身体から緊張が徐々に取れていく。お腹の圧迫感も少しマシになった気がした。
「はぁ…ぁ、イグニス…もう動いて、いい…よ」
「無理してないか?」
自分も動きたくて仕方が無いだろうに、それでも大事にしたいの言葉通りおれを気遣ってくれる姿に嬉しくなる。
本当に優しい人。
ちゅっと口先に触れるだけのキスをする。
「大丈夫…動いて、イグニス…は、ああぁ…っあぁ…っ」
おれの言葉に、止めてくれていた腰がゆっくりと動き始める。
「はっは…っあぁマシロ…っ、ふっはぁ…気持ちぃ…っくぅっあ、ゆっくり…するから…っ」
「ああぁ…っあんっ…イグニスぅ…っ」
「くそ…っ良すぎだろっ!もって、かれ…る…っ」
いつの間にか膝裏を持ち上げられて大きく左右に開かれていた。
より深く刺さる肉棒はゆっくりした動きだけど、奥深くまで押し込まれているからかどちゅどちゅ激しい音を立てている。目の奥がチカチカして、足先がピンと伸びた。イグニスの背中に腕を回して縋り付く。
「あぁあ…っイグニ…あんっおぐぅあっあぁ…っ奥がぁ…っ」
「奥が、どうした…?気持ちいか?はぁ…っははっ、さっきから吸いついてるぜ…っ」
「あうぅ…っふぅん…っやぁおくぅ…っあぁ…っ」
「ああ…気持ちいな…っ」
大きなピストン運動から奥を小突く動きに変えてさらに奥を押され、きゅう…っと中が締まった。
ただでさえいっぱいなのに更にイグニスのちんこが密着してもっといっぱいになる。
「あ゛あぁあ…っいっぱ、イグニス…おっきぃ…っ」
「ゔぐぅ…っふっバカ!今そんな事言うなって…っ」
「あぁ…っだってぇ…っあん、くるし…もっ、おっきくしないでぇ…っ」
「無茶言うなって…っくそ…っ」
「んう…っあっやあぁ…ふぅ…っん…くちゅ…ぁん…ふぅ…っんぅ」
上体を更に近づけてキスされる。その間も奥を突かれて声を上げるが全部イグニスに飲み込まれた。
上も下も塞がれて串刺し状態で身動き出来ない。
おれはただイグニスの動きに合わせて甘い音を出すだけだった。
全部がイグニスで埋められている。このまま中に出されたら…どれほど気持ちがいいんだろう。
「はっ…マシロ…ん、ちゅっはぁ…っマシロ…っ」
「イグニ、ス…っんぅあ…っぁ、んんっあ、イグニ…っんぅ」
お腹中も、魔力さえ、イグニスでいっぱいに…。
「マシロ…、好きだ…っ!」
「…っ!んあぁあ…っはっあああぁぁあ…ああぁ…っ!!」
「ん゛…っ!ぐっ、ふぅ…っ!!」
どぷぅぅぅ…っ!
不意に言われた好きに思わず中が反応して思いきりイグニスを締めてしまった。その衝撃で奥に挿れられたそこから熱いものが注がれる。イグニスがイったのだ。おれの中で。
勢いよく出た精液がなおも奥に入り込もうと奥を押す。イグニスも無意識なのか、荒い息を吐きながら更に更に腰を押し付けてきた。これ以上ないってくらい奥まで…。ぐぽっと中で音がした。
「あ゛っあぁあ゛あ…っ!あぁああ…っあ゛あ゛あぁあぁぁ…っ!!」
ぴるるる…っ!ぴる…っぴるる…っ。
おれのから出た精液は最初こそ飛び出たものの、あとはダラダラと先端から溢れるように流れた。それよりも、ガクガクと震える身体が止まらない。ずっと、ずっとイってる…っ!
強すぎる快感に頭が真っ白になった。口からも無意味な声がただただ漏れている。
「やべぇ…っ挿れ過ぎたっ、おい、大丈夫か…っ!」
ぐっと腰を引いて勢いよくちんこが引き抜かれてお尻にぽっかりと穴が空く。
いきなり奥にハマっていた物を取られた衝撃で腰がカクカク細かく震え続けた。当然さっきまで太いものを咥えていたヒダはくぱくぱと浅く閉まるだけで、中から大量に注がれた白い液体がどろっと外へ出てきた。
その感触にも感じてしまう。
仰向けになって、その全ての感覚に身を委ねてただただ息を吐く。
「はあ…かはっあ、ぁ…っんっあっあぁ…っはあ…はあ…っ」
「ごくっ…エロい…な…。…はっ、おい、大丈夫か…っ?」
心配しているイグニスが上から覗き込んできた。真っ赤な瞳。
「お前瞳の色が…、いや、すまない、歯止めが効かなくて…」
ぴくぴく痙攣する身体の代わりににこっと笑って見せる。
「らい、じょーぶ…ぁっきもち、かったぁ…んっ、いぐにすぅ…もっとちょーらい…?」
「…っ、あぁ、マシロが満足するまで…何度でもしてやるよ」
興奮したように唇を舐めていぐにすが覆い被さってききたのを、おれも目を細めて迎えいれた。
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