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第一章
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翌日。早速お茶会に呼ばれたおれはあの後のことを全部吐かされた。
もめに揉めたおれを抱く順番だけど、結局レイヴァン様、カール様、グランツ様の順番で話がついた。
頻度もおれの身体を考えて3日置き。絶対に死にかけにしない事が条件だ。もししたら権利をなくすらしい。権利って…。
といってもみんな忙しい身で予定通りに時間が空けられないかもしれないから、とにかくしてから次の人とする間を3日は空けるということみたい。
ちなみに本番以外のアプローチはカウントしない。口説くのも自由。もちろん無理やりは駄目。妨害あり。おれからのお誘いもノーカンらしい。なんじゃそりゃ。
不思議と順番以外のルール決めはすんなり決まった。
最終的におれが誰かを選んだ時は恨みっこ無しとの事。ここはみんな当然だって自分が選ばれる気満々だった。
おれ何されるんだろう…。
今回はアイリーン様だけしか居ないからか初めからガンガン手加減無しにあれやこれやと聞いてきた。
アイリーン様が満足した頃には、折角入れてもらった紅茶も一口も飲まれることなく冷え切っていた。
ずずず…。冷えても美味い。
「はぁー…、なんて綺麗な展開。パーフェクト。さすがマシロ君、よ!天才!」
「…他人事だと思って」
「そんな無責任なこと考えていないわよ。もちろん、これからもずっとマシロ君のモテモテライフをサポートするに決まってるじゃ無い」
「え“…っ、まだなんかする気なの」
「失礼ね、今回だって私役に立ったでしょ?お礼を言われても良いくらいだわ」
「グランツ様縛って監禁したり、大袈裟な話して煽ったりが?そのせいで一気に3人のイケメンに告白されて身が持たないよ」
しかもレイヴァン様達もなんか吹っ切れた?みたいであからさまに甘い雰囲気出してくるし。こっちだって、この人おれの事好きなんだよなって思ったら変に意識してぎこちなくなっちゃうし大変なんだよ。
「あらだって相手が自分の事を好きかどうか気にしてたんだから逆に良かったじゃない。悩み解決よ。これで罪悪感なく3人のイケメンとエッチ出来るんだし」
「別の罪悪感出てきたんだけど」
「あ、3又?」
「言い方!」
「いやね、それも本人達が良いっていってるんだから甘えなさいよ。力ずくで手に入れるんじゃなく、心も欲しいのよ。あ"ーっサイコー!」
そんなもんかな?
「あ、納得いってない顔ね。あのね、普通の恋愛だったらまあ異例のスピード告白に身体の関係持ち済み、しかも3又公認なんてありえないわよ?でも初めからありえない流れでここまで来てるんだからこれくらい許容しないと。むしろ自分の嫉妬心や独占欲を置いてでもマシロ君を優先してくれるっていうんだから。かーっ、愛されてるわ!」
「…愛されてるかな?」
「お子ちゃまのマシロ君にはまだわからないでしょうけど、愛にも色んなあり方があるのよ。BL界では常識よ」
「常識…」
「そうなの。だから、まだ愛を知らないマシロ君に私が陰ながらサポートしてあ、げ、る♪」
「いや、それはいい」
「ふふっ、しばらくは攻め達の出方を見ないとね。素敵な彼氏ゲット頑張りましょ、マシロ君♪」
「彼氏…かぁ…」
まあね、ぶっちゃけそんなに嫌じゃ無いんだけどね。でも、未練もあるよね。
童貞卒業。
…頼んだら誰かさせてくれるかな?いや、あのイケメン達を抱くなんて、考えただけでも恐れ多い。
やっぱおれは一生使う機会なさそう。出し過ぎると死ぬし。
本当、今でもちょっと夢みたい。
女の子にモテたいが為に魔力増やそうと初めて王都に来て、王子が倒れてて声掛けたら魔力吹っ飛んで死にかけて。
死ななかった代わりにおれの欲しかった魔力量が多いモテモテイケメンに中出しで魔力もらわないと生きていけない身体になって、お城に住んで、4人に抱かれてその内3人に告白された1週間。
うん。
モテたかったがこうじゃない。
でもま、いっか。なるようになるさ。
柄にも無く深く悩んでも今回みたいに余計ややこしくなるかもだし。
とにかく今のおれに出来ることは、レイヴァン様達のことをちゃんと知ることだ。
ちゃんと考えるって、約束したしね。
「良い顔してるじゃない、何考えてるの?」
「いや、別に!」
人生って何が起こるかわからない。
おれはこれからの事にちょっとの不安とそれ以上のわくわく感を胸に、空を見上げた。
1羽の鳥を4羽の鳥が追いかけている。
その様子は自由で楽しそうに見えた。
第一章 完
もめに揉めたおれを抱く順番だけど、結局レイヴァン様、カール様、グランツ様の順番で話がついた。
頻度もおれの身体を考えて3日置き。絶対に死にかけにしない事が条件だ。もししたら権利をなくすらしい。権利って…。
といってもみんな忙しい身で予定通りに時間が空けられないかもしれないから、とにかくしてから次の人とする間を3日は空けるということみたい。
ちなみに本番以外のアプローチはカウントしない。口説くのも自由。もちろん無理やりは駄目。妨害あり。おれからのお誘いもノーカンらしい。なんじゃそりゃ。
不思議と順番以外のルール決めはすんなり決まった。
最終的におれが誰かを選んだ時は恨みっこ無しとの事。ここはみんな当然だって自分が選ばれる気満々だった。
おれ何されるんだろう…。
今回はアイリーン様だけしか居ないからか初めからガンガン手加減無しにあれやこれやと聞いてきた。
アイリーン様が満足した頃には、折角入れてもらった紅茶も一口も飲まれることなく冷え切っていた。
ずずず…。冷えても美味い。
「はぁー…、なんて綺麗な展開。パーフェクト。さすがマシロ君、よ!天才!」
「…他人事だと思って」
「そんな無責任なこと考えていないわよ。もちろん、これからもずっとマシロ君のモテモテライフをサポートするに決まってるじゃ無い」
「え“…っ、まだなんかする気なの」
「失礼ね、今回だって私役に立ったでしょ?お礼を言われても良いくらいだわ」
「グランツ様縛って監禁したり、大袈裟な話して煽ったりが?そのせいで一気に3人のイケメンに告白されて身が持たないよ」
しかもレイヴァン様達もなんか吹っ切れた?みたいであからさまに甘い雰囲気出してくるし。こっちだって、この人おれの事好きなんだよなって思ったら変に意識してぎこちなくなっちゃうし大変なんだよ。
「あらだって相手が自分の事を好きかどうか気にしてたんだから逆に良かったじゃない。悩み解決よ。これで罪悪感なく3人のイケメンとエッチ出来るんだし」
「別の罪悪感出てきたんだけど」
「あ、3又?」
「言い方!」
「いやね、それも本人達が良いっていってるんだから甘えなさいよ。力ずくで手に入れるんじゃなく、心も欲しいのよ。あ"ーっサイコー!」
そんなもんかな?
「あ、納得いってない顔ね。あのね、普通の恋愛だったらまあ異例のスピード告白に身体の関係持ち済み、しかも3又公認なんてありえないわよ?でも初めからありえない流れでここまで来てるんだからこれくらい許容しないと。むしろ自分の嫉妬心や独占欲を置いてでもマシロ君を優先してくれるっていうんだから。かーっ、愛されてるわ!」
「…愛されてるかな?」
「お子ちゃまのマシロ君にはまだわからないでしょうけど、愛にも色んなあり方があるのよ。BL界では常識よ」
「常識…」
「そうなの。だから、まだ愛を知らないマシロ君に私が陰ながらサポートしてあ、げ、る♪」
「いや、それはいい」
「ふふっ、しばらくは攻め達の出方を見ないとね。素敵な彼氏ゲット頑張りましょ、マシロ君♪」
「彼氏…かぁ…」
まあね、ぶっちゃけそんなに嫌じゃ無いんだけどね。でも、未練もあるよね。
童貞卒業。
…頼んだら誰かさせてくれるかな?いや、あのイケメン達を抱くなんて、考えただけでも恐れ多い。
やっぱおれは一生使う機会なさそう。出し過ぎると死ぬし。
本当、今でもちょっと夢みたい。
女の子にモテたいが為に魔力増やそうと初めて王都に来て、王子が倒れてて声掛けたら魔力吹っ飛んで死にかけて。
死ななかった代わりにおれの欲しかった魔力量が多いモテモテイケメンに中出しで魔力もらわないと生きていけない身体になって、お城に住んで、4人に抱かれてその内3人に告白された1週間。
うん。
モテたかったがこうじゃない。
でもま、いっか。なるようになるさ。
柄にも無く深く悩んでも今回みたいに余計ややこしくなるかもだし。
とにかく今のおれに出来ることは、レイヴァン様達のことをちゃんと知ることだ。
ちゃんと考えるって、約束したしね。
「良い顔してるじゃない、何考えてるの?」
「いや、別に!」
人生って何が起こるかわからない。
おれはこれからの事にちょっとの不安とそれ以上のわくわく感を胸に、空を見上げた。
1羽の鳥を4羽の鳥が追いかけている。
その様子は自由で楽しそうに見えた。
第一章 完
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