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心の鎖 ー完ー
しおりを挟む翌朝目を覚ました時、
今まででいちばんの疲弊を感じた。
トイレに行くのすらしんどいくらいだった。
昨夜の反省からか、ルカはいつも以上に優しくて、甲斐甲斐しく世話してくれた。
鼻歌を歌いながらとても嬉しそうだったから、そのまま受け入れた。
「…ルカ、ありがとう。
俺は君を裏切ろうとしたのに、それでも捕まえてくれて。」
「当然だよ。僕はずっとユウジを愛してるから」
「…でも…」
でも、やはり僕の中には、過去の過ちの罪悪感で埋まっていた。
綺麗な彼の隣に居続けるのにはふさわしくない。
「僕は全部知ってるよ、君の過去も、僕達の現状も。」
「…」
「どんなユウジでも、僕の愛は変わらない。だからもう、僕を裏切ろうと考えないで」
「…」
「この先がどんな地獄だろうと、一緒に乗り越えよう、ユウジ」
「…わかった」
「よし、じゃあなんか食べるもの作ってくるから待ってて」
ギーと金属の扉を鳴らしながら、ルカは部屋から出ていく。
この部屋のベッドに横たわったまま俺はまた目を閉じた。
首輪はもうない。それでも俺は彼の下から逃げてない。
あの時願った、一時の幸せは、
続くみたいだ…
ー完ー
___________
読者の皆様へ
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
2022/05/26を持って、こちらのお話は完結とさせていただきます。
これからもルカとユウジが幸せでありますように!
あかさたな!より
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