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いざ、敵陣へ‼︎
しおりを挟む結局勇者リオンが魔王城に辿り着いたのは真夜中だった。
ぽよよーんと塀をスライムボスと乗り越え、こっそり侵入した。
「お前はここで大人しく待ってろよ!危なかったら逃げろよ」
「ムムムッ」
中庭から中の様子を伺うと、ちょうど蝋燭の灯りが歩いているのが見えた。
勇者はその影にこっそり近づき、
曰く付きの指輪を見せつけるように剣を構えて、その人物を脅すことにした。
「おい、騒がずに大人しく答えろ!魔王の部屋はどこだ」
よくよく見るとよく魔王の横にいる審判をしてるやつだった。
見覚えがあるやつなら話が早くていいな。
「あ、勇者リオン…。今日は、というか今の時間は辞めておいた方がいいと思うのですが…」
「はっ!寝込みを襲われてビビったか!そう、今日のオレはいつもと違う!いいから魔王の居場所を教えろ」
「…魔王様の寝室はあそこに見えるベランダのところです。ですが、今日は本当に…」
「あ…あれは…魔王か??ちょうどいい!ありがとなっ」
「はぁ…」
魔王の右腕ゴートは少し勇者を哀れな目で見ていた。
今宵は満月。魔王様は吸血鬼。最も力が発揮される時間だというのに、どんな勝算があってやって来たのだろうか。
いや、彼ならそのことに気づいていないかもしれない。
勇者リオンは巨大なスライムを中庭に連れてきて、その背中から、ぽよよんと魔王様の寝室のベランダまで飛び上がった。
あんな身体能力があるのに…。これが宝の持ち腐れというものなのだろう。
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