Ωであることを隠してる先輩を無理やり番にしてしまう、いじめられっ子の話。

●3月_生徒会

生徒会。そんなものはあんまり興味がなかった。

でも特待生で入った以上、それに近い成績は維持しないといけない。

珍しい庶民出のアルファも楽ではないらしい。
だがこの世界は実力主義。

特待生なら、学費免除される上、βの初任給と同じくらいの額を奨学金としてもらえるのだ。



αは優秀だから、優遇される。
βは身の丈にあった幸せを全うする。
Ωは優秀なαを産む道具。

建前は平等というこの社会であるが、蓋を開けてみるとこんなものだ。

Ωは体質のせいで1人で生きていくのは大変らしいし、αに嫁げば大事にはしてもらえることが多いらしい。
だから、誰に頼っても、早く運命の番を見つけろと言われるばかりらしい。

でも実際、アルファはこの学園で30人クラスが7つもあるが、Ωはクラス一つ分くらいの人数しかいないくらいの比率だ。
多くは令嬢、令息だから、結局家庭教師とか雇うらしい。まあ一部異常ならところは、Ωに教育なんていらないとかで花嫁修行ばかりさせてるとか。

まあ、僕にはあんまり知らない世界だ。

カレと出会うまで、勝ち続けた人生。
僕は世界に、命に、そこまで熱い感情を持てていなかったと思う。

あの日から、僕の世界は変わったんだ…。