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間章
???.???
しおりを挟むこの世界の幻想が崩壊した。
もうなぜか半透明人間は許されて、
手のひらを返したかのように謝罪をされ泣きつかれる。
俺の生い立ちを知った人はかわいそうだと泣き、世界を、自分達の過ちを嘆いた。
でも俺はその優しさのようなものをどこか冷めた目で眺めているだけだった。
もう終わったんだ。
この鎧のような包帯はもう守ってくれないんだ。
そのままの君で生きろ、人生は今からでもやり直せると励まされても
渇き切った心には何も染みてこなかった。
あの日からずっと、とうちゃんが家に火をつけて、かあちゃんもにいちゃんも俺も一緒に世界から燃やして、なかったことにしようとしたあの日から、
この世界はずっとモノクロで、赤くて、黒くて、青かった。
そして久々にみたアイツは消えそうな命に抗うことすらしなくなっていて、
軍の新しい総帥は俺の生い立ちを話した時、アイツはわずかに反応して、
赤黒かった皮膚は色が薄くなり優しいオレンジ色に一瞬染まり、
彼の頬には一筋の涙が流れた。
そして俺は何も言えずに、
アイツの部屋から出た。
自分がどんな顔をしているかわからないし、どんな色をしているかも包帯で見えないけど、
胸の辺りに久しぶりの温かみを感じた。
この世界はもう変わったんだ。
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