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奴隷・主人@犬に噛まれたようなものか
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奴隷_ルーカス×主人_ユリウス
「ユーリ、手を退かして皆様に見せてあげてください」
いつも優しい眼差しを向けてくれるルーカスの瞳が、
支配者のような鋭い色を帯びていて、
ユリウスはルーカスに逆らえる気がしなかった。
テーブルの上で一糸纏わぬユリウスが、
後ろからルーカスの手によって立てた膝を割り開かれて、
目の前のカップル数組の眼差しに晒される。
「…いやっ…みないでぇ」
羞恥で瞳を潤ませながら、
まだ成長途中なその中心は期待を隠しきれないような反応を示していた。
「…ルー…」
「そんな甘い声で呼んでもダメですよ。最後までちゃんと見せてあげなさい。」
ルーカスは次の行為を促すように、
ユリウスの手を取り、
1番恥ずかしいところを握らせて、
その手を上下に一緒に擦ってあげる。
「後はちゃんと1人でして…」
「ゃ…」
その行為に没頭し始めたユリウスは、
だんだん人々の視線より、快感へ意識が塗り変わっていく。
それに伴って、手もだんだんと大胆で妖艶なものへと移り変わった。
主人であるはずのユリウスはなぜ、奴隷のルーカスの言いなりになっているのだろう。
そう思う人物はこの場には誰1人いなかった。
観客は2人の力関係を理解していなかった。
いや、本当の力関係を今目の前で見せられているのかもしれない。
◁◁◁◁◁◁
ユリウスは名家に生まれた、産声を上げた時から既に人生が決まっていたタイプの人間だった。
奴隷を調教し、付加価値をつけて高く売る。
小さい頃からユリウスは調教の極意を叩き込まれ、
そして彼の作品は高く評価され、買われる。
彼は多くの娼婦や男娼を鍛え上げ、出荷し、その評価や名声は欲しいままにしていた。
ユリウスは可憐でまだ少年らしい儚さを残す顔立ちをしている。
彼に想いを寄せる依頼人も少なくないが、そんな彼の側にいつも控えているルーカスの鋭い眼差しに皆怯む。
2人は小さい頃から一緒に育っており、奴隷身分ではあるが、礼儀と教養が備わっているルーカスはユリウス専属の奴隷として当てがわれた。
ユリウスはルーカスを兄のように慕い、
ルーカスはいつもユリウスを大事に扱って、寄り添った。
そんな2人がお忍びで国外視察をした際に起こった、ある一晩のお話。
……
ギィィーー
少し蝶番が錆びた扉を開け、地下にあるその店に入る。
「ルー、例のところはここであってるか?」
「はい。住所は確かにここで間違いないとおもいますが…ユーリ、本当に入りますか??」
親しげに呼び合う2人が奴隷と主人であると疑うものはいない。
2人が来ていたのはパートナー同士がSMプレイを楽しみ合うバーだ。
自国で有名なユリウスも、ここではただの観光客として見られる。
「ユーリ、少し緊張してますか?」
「いや、平気…。」
そうは言うが、その手はギュッとルーカスの袖を掴んでいる。
「ご予約のお名前を伺いしてもよろしいでしょうか」
受付嬢に尋ねられ、ルーカスは入場の手続きを行なった。
「ユーリ終わりましたよ。いきましょうか」
「うん…」
ユリウスは緊張していた。
自分で調教することはあっても、
それはあくまで仕事で、
こう言うパートナー同士でそのような行為を楽しんでいるのは未知の領域だったからだ。
それでも、ルーカスと恋仲になり、夜のまぐわいは仕事でするその行為とは違うと言われた。
どうやらルーカスがユリウスを調教したがっているようだが、ユリウスはまだそれを受け入れれないでいた。
だからこそ、2人はこの店へ来た。
少しでも、ユリウスがルーカスに身を任せれるようにと。
「こちらのワインを2杯お願いします」
ルーカスは二つのワイングラスを持って、ユリウスの元に戻ってくる。
先に席に座っていたユリウスは、周りの光景をくるくると表情豊かに見ていた。
「ユーリお待たせしました、ワインでよろしかったですか」
ユリウスの顔立ちは幼いが、成人はしている。
しかし、その背丈はルーカスに届くこともなく、
時々昔の癖で子供扱いされるとしばらくユリウスは不機嫌になる。
「ああ、ありがとう」
「やはりまだ少し緊張されてますか」
こわばっているように見える頬を撫でると、途端にユリウスの顔は赤面し、ルーカスから視線が逸らされる。
「…僕ももう大人だし」
普段はなんともないのに、
こう言う優しい恋人同士のふれあいはまだ気恥ずかしいらしい反応にルーカスは優しく微笑む。
「お二人さん見かけない顔ね、もしかして初めて⁇」
そう声をかけてきたのは黒髪の綺麗なお姉さんのような格好をした、
中性的な雰囲気を纏う男性だった。
その側にはパートナーらしき、黒髪の青年は、四つん這いに首輪と貞操帯という、あまりにも卑猥な格好をしていた。
ここではまるでそれが当たり前であるかのように、誰も彼の格好を気にかけていなかった。
「ははは、はい。実は観光でこちらに…」
「へー、そうなんだ」
ルーカスとそのカップルの主人・ミリアが世間話で盛り上がってるのを、
ユリウスは少しつまらなさそうな顔で睨んでいた。
それに気づいたのは、ミリアだった。
「あら、君のご主人様が拗ねてるよ」
「本当だ、ユーリすみません」
「別に、そんなんじゃないし」
「くーん」
そう犬のように鳴き、ミリアに頬を寄せるのは彼のパートナーのハーミットだった。
「よしよしおいで」
2人のテーブルの近くに椅子を一つ持ってきて、ミリアは膝の上にハーミットを乗せて彼を撫でながら、
話の続きをし始めた。
ハーミットはミリアを信頼しているようで、体をなすりつけて、全身で甘えているようだった。
ユリウスは彼が少し羨ましく思った。
自分達は奴隷と主人。
甘えることを許されてこなかったユリウスにとって、それはどんなに甘美な心地か想像することしかできなかったのだ。
「ユーリもおいで」
ルーカスが手を広げてユリウスを呼ぶ。
いつもは行かないが、この場の雰囲気のせいか、ユリウスもいつも以上に人肌が恋しくなったのかもしれない。
素直に彼の膝に乗り、その胸に収まる。
「ユーリはいい子だね」
小さい子供を誉めるように頭を撫でられて、ユリウスは少しくすぐったい気持ちなった。
「おいオメェ~ら、いつまでそんな格好してるんだ~」
少しふらふらした足取りの舞踏会でする仮面のようなものを目元につけた酔った男性が突然絡んできた。
「ベン!またあんたは人に絡んで」
そうミリアは嗜めるが、ベンはまだ話し続ける。
「いや~にいちゃん達、せっかくここにきたんなら恥ずかしがってないで、みんなみたいに解放しなきゃもったいないよ~」
「はあ…」
少し呆気に取られたルーカスが返事する。
「ん…ルー??」
少し夢の狭間を彷徨っていたユリウスが騒ぎに目を覚ます。
「ほら、にいちゃんも主人なら、ちゃんと命令してあげないと、その子物足りなくなって愛想つからされちゃうよ」
ベンの意見に少し思案して、ルーカスは同意した。
「そうですね。少し甘やかしすぎたのかもしれません。
ユーリ、せっかくだからここでしましょう」
ユリウスの腰を撫でるルーカスの手でその意味が分かると、ユリウスはその意味を噛み砕くのに少し時間を要した。
「…なにするの??」
「皆様にユーリが気持ち良くなるところを見てもらうんですよ」
そう耳元で言われたのは提案ではなく、いつもユリウスにつく悪い虫を追い払う時のような、
絶対的な支配者の声による命令だった。
「ユーリお洋服脱いで、皆様にちゃんと見せてあげなさい。」
「…ルー…」
「自分でできますか?それとも手伝いましょうか?」
いくらルーカスに縋ろうとも、このモードに入ってしまうと、
ユリウスへの甘さを見せなくなる。
甘い恋人同士の行為では、ユリウスは恥ずかしさが勝って、ほとんどの行為を拒否してしまうが、
ルーカスが支配して命令すると、その羞恥に染まって、ユリウスの体はただ快感を感じるようになっていた。
だから、ここは選択肢があるようでないんだ。
「自分で…」
「そうだね、ユーリはいい子だね」
さっきと同じ褒め言葉なのに、今度は大人な響きが含まれているようにユリウスは感じた。
ワイシャツのボタンを脱ぎ、靴を脱ぎ、ズボンをおろし、下着もおろした。
冷やかすものはいなく、皆その美しい肉体に息を呑んでいた。
ユリウスが人に見られている嫉妬心と、それが自分だけのものだという独占欲が満たされる想いでルーカスは少し興奮しているようだった。
表情には全く出ていないが。
「…ルー、脱げたよ」
「じゃあ、今度は1人でしてるところを見てもらおう」
「…っ…」
ユリウスはフルフルと頭を横に振って、羞恥心に目を瞑るが、
ルーカスの命令はより酷なものだった。
ルーカスはユリウスを机に座らせ、
膝を立たせて、後ろからその膝を焦らすように割り開いた。
「ユーリ、手を退かして皆様に見せてあげてください」
ルーカスはユリウスの顎を掴み、視線を上げさせて、
目の前の観衆をあえて意識させる。
「…いやっ…みないでぇ」
助けを求めるようにユリウスはルーカスを呼ぶ。
「…ルー…」
「そんな甘い声で呼んでもダメですよ。最後までちゃんと見せてあげなさい。」
でもその願いは叶わず、ルーカスは続きを促すように手伝うだけだった。
「後はちゃんと1人でして…」
「ゃ…」
ユリウスはだんだんその行為に没頭し、
人々の視線を忘れて快感に溺れていった。
「恥ずかしいですね。でも結構こういうのもお好きでしょ?ユーリ」
「ぃやっ…そんなっ…いわないでぇ」
ユリウスの耳がルーカスの舌に支配され、
その官能な水音に、ユリウスの体はさらに昂っていく。
「皆様に見られてイってください、ユーリ」
その甘い命令と、食まれた耳たぶからの快感も相まって、ユリウスは絶頂と共に、机をユリウスの飛び散ったもので白く汚した。
「…っ…はぁ…はぁ…はぁ」
「やれば出来るじゃないですか。さすがですよ、ユーリ」
ふわふわとする意識の狭間で初めて、
ユリウスは身も心もルーカスに恋人として寄りかかることが出来た気がした…。
「ユーリ、手を退かして皆様に見せてあげてください」
いつも優しい眼差しを向けてくれるルーカスの瞳が、
支配者のような鋭い色を帯びていて、
ユリウスはルーカスに逆らえる気がしなかった。
テーブルの上で一糸纏わぬユリウスが、
後ろからルーカスの手によって立てた膝を割り開かれて、
目の前のカップル数組の眼差しに晒される。
「…いやっ…みないでぇ」
羞恥で瞳を潤ませながら、
まだ成長途中なその中心は期待を隠しきれないような反応を示していた。
「…ルー…」
「そんな甘い声で呼んでもダメですよ。最後までちゃんと見せてあげなさい。」
ルーカスは次の行為を促すように、
ユリウスの手を取り、
1番恥ずかしいところを握らせて、
その手を上下に一緒に擦ってあげる。
「後はちゃんと1人でして…」
「ゃ…」
その行為に没頭し始めたユリウスは、
だんだん人々の視線より、快感へ意識が塗り変わっていく。
それに伴って、手もだんだんと大胆で妖艶なものへと移り変わった。
主人であるはずのユリウスはなぜ、奴隷のルーカスの言いなりになっているのだろう。
そう思う人物はこの場には誰1人いなかった。
観客は2人の力関係を理解していなかった。
いや、本当の力関係を今目の前で見せられているのかもしれない。
◁◁◁◁◁◁
ユリウスは名家に生まれた、産声を上げた時から既に人生が決まっていたタイプの人間だった。
奴隷を調教し、付加価値をつけて高く売る。
小さい頃からユリウスは調教の極意を叩き込まれ、
そして彼の作品は高く評価され、買われる。
彼は多くの娼婦や男娼を鍛え上げ、出荷し、その評価や名声は欲しいままにしていた。
ユリウスは可憐でまだ少年らしい儚さを残す顔立ちをしている。
彼に想いを寄せる依頼人も少なくないが、そんな彼の側にいつも控えているルーカスの鋭い眼差しに皆怯む。
2人は小さい頃から一緒に育っており、奴隷身分ではあるが、礼儀と教養が備わっているルーカスはユリウス専属の奴隷として当てがわれた。
ユリウスはルーカスを兄のように慕い、
ルーカスはいつもユリウスを大事に扱って、寄り添った。
そんな2人がお忍びで国外視察をした際に起こった、ある一晩のお話。
……
ギィィーー
少し蝶番が錆びた扉を開け、地下にあるその店に入る。
「ルー、例のところはここであってるか?」
「はい。住所は確かにここで間違いないとおもいますが…ユーリ、本当に入りますか??」
親しげに呼び合う2人が奴隷と主人であると疑うものはいない。
2人が来ていたのはパートナー同士がSMプレイを楽しみ合うバーだ。
自国で有名なユリウスも、ここではただの観光客として見られる。
「ユーリ、少し緊張してますか?」
「いや、平気…。」
そうは言うが、その手はギュッとルーカスの袖を掴んでいる。
「ご予約のお名前を伺いしてもよろしいでしょうか」
受付嬢に尋ねられ、ルーカスは入場の手続きを行なった。
「ユーリ終わりましたよ。いきましょうか」
「うん…」
ユリウスは緊張していた。
自分で調教することはあっても、
それはあくまで仕事で、
こう言うパートナー同士でそのような行為を楽しんでいるのは未知の領域だったからだ。
それでも、ルーカスと恋仲になり、夜のまぐわいは仕事でするその行為とは違うと言われた。
どうやらルーカスがユリウスを調教したがっているようだが、ユリウスはまだそれを受け入れれないでいた。
だからこそ、2人はこの店へ来た。
少しでも、ユリウスがルーカスに身を任せれるようにと。
「こちらのワインを2杯お願いします」
ルーカスは二つのワイングラスを持って、ユリウスの元に戻ってくる。
先に席に座っていたユリウスは、周りの光景をくるくると表情豊かに見ていた。
「ユーリお待たせしました、ワインでよろしかったですか」
ユリウスの顔立ちは幼いが、成人はしている。
しかし、その背丈はルーカスに届くこともなく、
時々昔の癖で子供扱いされるとしばらくユリウスは不機嫌になる。
「ああ、ありがとう」
「やはりまだ少し緊張されてますか」
こわばっているように見える頬を撫でると、途端にユリウスの顔は赤面し、ルーカスから視線が逸らされる。
「…僕ももう大人だし」
普段はなんともないのに、
こう言う優しい恋人同士のふれあいはまだ気恥ずかしいらしい反応にルーカスは優しく微笑む。
「お二人さん見かけない顔ね、もしかして初めて⁇」
そう声をかけてきたのは黒髪の綺麗なお姉さんのような格好をした、
中性的な雰囲気を纏う男性だった。
その側にはパートナーらしき、黒髪の青年は、四つん這いに首輪と貞操帯という、あまりにも卑猥な格好をしていた。
ここではまるでそれが当たり前であるかのように、誰も彼の格好を気にかけていなかった。
「ははは、はい。実は観光でこちらに…」
「へー、そうなんだ」
ルーカスとそのカップルの主人・ミリアが世間話で盛り上がってるのを、
ユリウスは少しつまらなさそうな顔で睨んでいた。
それに気づいたのは、ミリアだった。
「あら、君のご主人様が拗ねてるよ」
「本当だ、ユーリすみません」
「別に、そんなんじゃないし」
「くーん」
そう犬のように鳴き、ミリアに頬を寄せるのは彼のパートナーのハーミットだった。
「よしよしおいで」
2人のテーブルの近くに椅子を一つ持ってきて、ミリアは膝の上にハーミットを乗せて彼を撫でながら、
話の続きをし始めた。
ハーミットはミリアを信頼しているようで、体をなすりつけて、全身で甘えているようだった。
ユリウスは彼が少し羨ましく思った。
自分達は奴隷と主人。
甘えることを許されてこなかったユリウスにとって、それはどんなに甘美な心地か想像することしかできなかったのだ。
「ユーリもおいで」
ルーカスが手を広げてユリウスを呼ぶ。
いつもは行かないが、この場の雰囲気のせいか、ユリウスもいつも以上に人肌が恋しくなったのかもしれない。
素直に彼の膝に乗り、その胸に収まる。
「ユーリはいい子だね」
小さい子供を誉めるように頭を撫でられて、ユリウスは少しくすぐったい気持ちなった。
「おいオメェ~ら、いつまでそんな格好してるんだ~」
少しふらふらした足取りの舞踏会でする仮面のようなものを目元につけた酔った男性が突然絡んできた。
「ベン!またあんたは人に絡んで」
そうミリアは嗜めるが、ベンはまだ話し続ける。
「いや~にいちゃん達、せっかくここにきたんなら恥ずかしがってないで、みんなみたいに解放しなきゃもったいないよ~」
「はあ…」
少し呆気に取られたルーカスが返事する。
「ん…ルー??」
少し夢の狭間を彷徨っていたユリウスが騒ぎに目を覚ます。
「ほら、にいちゃんも主人なら、ちゃんと命令してあげないと、その子物足りなくなって愛想つからされちゃうよ」
ベンの意見に少し思案して、ルーカスは同意した。
「そうですね。少し甘やかしすぎたのかもしれません。
ユーリ、せっかくだからここでしましょう」
ユリウスの腰を撫でるルーカスの手でその意味が分かると、ユリウスはその意味を噛み砕くのに少し時間を要した。
「…なにするの??」
「皆様にユーリが気持ち良くなるところを見てもらうんですよ」
そう耳元で言われたのは提案ではなく、いつもユリウスにつく悪い虫を追い払う時のような、
絶対的な支配者の声による命令だった。
「ユーリお洋服脱いで、皆様にちゃんと見せてあげなさい。」
「…ルー…」
「自分でできますか?それとも手伝いましょうか?」
いくらルーカスに縋ろうとも、このモードに入ってしまうと、
ユリウスへの甘さを見せなくなる。
甘い恋人同士の行為では、ユリウスは恥ずかしさが勝って、ほとんどの行為を拒否してしまうが、
ルーカスが支配して命令すると、その羞恥に染まって、ユリウスの体はただ快感を感じるようになっていた。
だから、ここは選択肢があるようでないんだ。
「自分で…」
「そうだね、ユーリはいい子だね」
さっきと同じ褒め言葉なのに、今度は大人な響きが含まれているようにユリウスは感じた。
ワイシャツのボタンを脱ぎ、靴を脱ぎ、ズボンをおろし、下着もおろした。
冷やかすものはいなく、皆その美しい肉体に息を呑んでいた。
ユリウスが人に見られている嫉妬心と、それが自分だけのものだという独占欲が満たされる想いでルーカスは少し興奮しているようだった。
表情には全く出ていないが。
「…ルー、脱げたよ」
「じゃあ、今度は1人でしてるところを見てもらおう」
「…っ…」
ユリウスはフルフルと頭を横に振って、羞恥心に目を瞑るが、
ルーカスの命令はより酷なものだった。
ルーカスはユリウスを机に座らせ、
膝を立たせて、後ろからその膝を焦らすように割り開いた。
「ユーリ、手を退かして皆様に見せてあげてください」
ルーカスはユリウスの顎を掴み、視線を上げさせて、
目の前の観衆をあえて意識させる。
「…いやっ…みないでぇ」
助けを求めるようにユリウスはルーカスを呼ぶ。
「…ルー…」
「そんな甘い声で呼んでもダメですよ。最後までちゃんと見せてあげなさい。」
でもその願いは叶わず、ルーカスは続きを促すように手伝うだけだった。
「後はちゃんと1人でして…」
「ゃ…」
ユリウスはだんだんその行為に没頭し、
人々の視線を忘れて快感に溺れていった。
「恥ずかしいですね。でも結構こういうのもお好きでしょ?ユーリ」
「ぃやっ…そんなっ…いわないでぇ」
ユリウスの耳がルーカスの舌に支配され、
その官能な水音に、ユリウスの体はさらに昂っていく。
「皆様に見られてイってください、ユーリ」
その甘い命令と、食まれた耳たぶからの快感も相まって、ユリウスは絶頂と共に、机をユリウスの飛び散ったもので白く汚した。
「…っ…はぁ…はぁ…はぁ」
「やれば出来るじゃないですか。さすがですよ、ユーリ」
ふわふわとする意識の狭間で初めて、
ユリウスは身も心もルーカスに恋人として寄りかかることが出来た気がした…。
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