8 / 15
第八話 解決
しおりを挟む私は寝る暇も無く、支援物資を感染地域に送り続けている。
休む暇もなく、動いていると部下が来客が来たと伝えに来たのだ。
来客。
つまり。
完成したということか。
私は希望を胸に入口に向かったのだ。
入口には私の予想していた2人がいた。
その2人の目の下は隈になっていたのだ。
徹夜してくれたのか。
なら、報奨は多めに渡さないとな。
「はい、カイス。これが依頼の品だよ。結構苦労したから、報奨は期待してるから」
「勿論だ。2人共徹夜してくれたくれたんだ。報奨は期待してくれ」
「えっ、わ、私もですか?私は特に何もしてないなですよ」
「しているさ」
「そうだよ。リサーナは僕のことを支えてくれたから、報奨を貰うのは当たり前だよ」
「で、でしたら、状況が収まりましたら」
「ああ」
カナリエから完成した魔法具を受け取ったら、2人には屋敷で休んで貰うことにした。
後は私の仕事だ。
この魔法具を生産し、普及させるのは。
その魔法具を手に持ち、私は走ったのだ。
自身のやるべきことをするために。
結構全力で走ったので、息が切れてしまったが、目指す場所に到着することが出来たのだ。
魔法具工房に。
この魔法具工房は私の商会のものなので、警備員に止められることは無い。
だから、そのまま魔法具工房の中に入った。
中に入ると工房長が出迎えてくれたのだ。
「会長。どうされましたか?」
「全ての魔法具の生産を中止し、この魔法具を生産を至急してほしい」
「それは緊急事態が起きているということですか?」
「そうだ」
「分かりました。直ぐに取り掛からせて頂きます」
「頼む。既に支援は行っているが、あまり時間は無い」
「なら、昼夜問わずに工房を稼働させますね。勿論、交代しながらですが」
「感謝する。必ず後でボーナスを渡す」
「それは楽しみです。では、私指示をしてきます」
そう言い、工房長は私の元から離れた。
指示は出したから、報告しないとな。
だが、ここでは邪魔になってしまうから出ないとな。
そう考えた私は魔法具工房から出てから、私は通信の魔法具を取り出したのだ。
「少し良いか、副会長」
「会長、大丈夫ですよ」
「魔法具が完成し、今は生産体制に移行しているから明日には送れる筈だ」
「それは本当ですか?」
「ああ」
「それはいい情報ですね。この情報を元に現場の士気を上げることに出来ます」
「是非、この情報を活用してくれ。まだ時間は必要だ」
「任せて下さい。1人も死者を出させません。それでは、私は士気を上げてきます」
そう言い、副会長との通信が切れた。
これで魔法具と報告は大丈夫だな。
後はやるべきことをしよう。
少しでも解決できるように。
そう思い、私は商会に向かうのだった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています


豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。


一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

少女漫画の当て馬女キャラに転生したけど、原作通りにはしません!
菜花
ファンタジー
亡くなったと思ったら、直前まで読んでいた漫画の中に転生した主人公。とあるキャラに成り代わっていることに気づくが、そのキャラは物凄く不遇なキャラだった……。カクヨム様でも投稿しています。

品がないと婚約破棄されたので、品のないお返しをすることにしました
斯波@ジゼルの錬金飴②発売中
ファンタジー
品がないという理由で婚約破棄されたメリエラの頭は真っ白になった。そして脳内にはリズミカルな音楽が流れ、華美な羽根を背負った女性達が次々に踊りながら登場する。太鼓を叩く愉快な男性とジョッキ片手にフ~と歓声をあげるお客も加わり、まさにお祭り状態である。
だが現実の観衆達はといえば、メリエラの脳内とは正反対。まさか卒業式という晴れの場で、第二王子のダイキアがいきなり婚約破棄宣言なんてするとは思いもしなかったのだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる