転生した世界で前世からの願いを叶えることが出来ました

第七話 クソ野郎共

　あの後、私は外の機関に窃盗を報告した。

　未成年ということもあり、投獄は無かったが、次期当主の座から外された。

　そして、婚約も解消になった。

　あの者達に明るい未来は無い。

　徹底的にやったお陰で嫌がらせは少なった。

　まぁ、陰湿なものは増えた。

　それでも関係無いがな。

　いつもと同じように証拠を集めながら過ごしていたのだが、嫌な予感がしたのだ。

　こんなの始めてだ。

　気が付けば、私は魔法具を起動していた。

　一見異常はなかったが、ほんの一瞬声が聞こえてきたのだ。

　ベリジェト嬢に似た声が。

　しかもその声は苦しみの。

　勘違いからもしれない。

　だが、念には念をいれ。

　そう思い、私は声がした方に向かった。

　到着したのは既に使われていない筈の教室だったのだ。

　念の為、リボルバーを直ぐに抜けるように右手で握っていた。

　部屋に入った瞬間、ある光景が目に見えてしまったのだ。

　広がっていた光景は何かの魔法具に繋がれているベリジェト嬢とそれを暴言を吐きながら囲む馬鹿王子、いや、クソ野郎共。

　そして、ベリジェト嬢は苦しみの表情に苦しみの声を上げている。

　気が付けば、私はリボルバーで魔法具を撃ち抜いていた。

　魔法具が撃ち抜かれるとベリジェト嬢は苦しむことは無くなったが、視線は集まってしまったのだ。

　申し訳無い、父上、母上。

　ご迷惑をお掛けしてしまうかもしれないです。

　ですが、見逃すことは出来ません。

　1人の少女を辱めたクズ野郎共を。

　「死ねと言いたいが、それは後々面倒になりそうだ。だから、自身から死にたいと思う程の痛みをくれてやる」

　そう言い、私はシリンダーから残っている弾薬と空薬莢を出した。

　その後、クイックローダーを取り出し、リロードを終えたのだ。

　そして、そのまま引き金を引いた。

　私が放った6発の銃弾かクズ野郎共に命中すると絶叫を上げながら、地面をのたうち回ったのだ。

　撃ち込んだ弾種は殺すためのものではなく、ただ苦しめる為だけのもの。

　その弾種を撃ち込み続ける。

　撃ち込んでいると残ったのはクズ王子だけになっていた。

　リロードも終わり、撃ち込むとするとドアが開き、騎士達がなだれ込んできたのだ。

　「そこまでだ」

　なだれ込んできたのは王立騎士団だった。

　「ハァ？貴方達は馬鹿なのか？このクズ野郎は1人の御令嬢を辱めたのに庇うのか？」

　「だが、その方はこの国の未来を」

　「面白いことを言うな。こんなクズ野郎が継ぐ未来なんて、破滅しか無いぞ」

　「そ、それでもだ。命を奪うつもりならば、こちらも覚悟してもらおう」

　「はいはい、命だけあればいいのだな。なら」

　そう言い、私は引き金を6回引いた。

　銃弾を受けたクズ王子は絶叫を上げながら、地面をのたうち回っている。

　「命は助けてやるよ。しかも傷もない。何も問題ないだろ？」

　王立騎士団は頷くしか無かった。

　言葉の通りなのだから。

　既に興味がないので、直ぐにベリジェト嬢の所に駆け寄った。

　脈はある。

　良かった。

　生きてはいる。

　本当なら殺したいのだが、それは問題になってしまう。