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第三話 君と街に行く約束
しおりを挟む[男が聖女と出会ってから、数ヶ月が経った]
男は、ある部屋で悩んだ表情を浮かべ、「うーん?自分のことながら驚いた。でも、よくよく考えて見れば、ナツミに好意を持つのは、必然なのかもしれない」
それもそのはず、自身を闇の中から連れ出し、普通の生活というのを聖女自身が率先して教えてくれからだ。
男は、悩んだ末に部屋を出て、聖女の元へと移動した。
コンコンとドアを叩いた。部屋の中から「はーいどなたですか?」ともう聴き慣れた声が帰ってきた。
男は、部屋の中にいる聖女に、「あー俺だ、ベリスだ。今少し時間大丈夫か?」
「あ、ベリスさん。今時間大丈夫ですよ。入ってきても大丈夫ですよ」と、嬉しそうな声で返答が帰ってきた。
男は、その返答を聞いて「失礼します」と小さな声で、言いながら聖女がいる部屋の中へと入っていた。
「どうしたですか?」と、微笑みながら男に聞いてきた。
「あー、ナツミ一週間後の予定って空いてるか?」と、聖女に聞き返した。
「一週間後なら、何も予定が入ってませんよ。何かあるんですか?」と、男に疑問を投げかけた。
男は、聖女の目をしっかりと見ながら、「その日、一緒に街に出かけないか?」
「えっ、行きたいです。とっても行きたいです。べリスさんと街に行きたいです」と、とても嬉しそうな声で言いながら、男に抱きついた。
男は困った声で抱きついている聖女に向かって、「ちょ、嬉しいのはわかるが、少し落ち着いてくれ」
「あ、ごめんなさい。私たらつい嬉しくて、抱きついてしまいました。うぅ、恥ずかしいです」と、真っ赤になった顔を隠すように手で顔を覆った。
男は、少し笑いながら聖女に向かって、「喜んでくれなら、嬉しいよ。じゃあ、一週間後の午後一時に噴水広場前集合でいいかな?」
聖女は、笑顔を男に向けて、「はい、大丈夫です。とっても楽しみにしていますね」
また一週間後にと言い男は、部屋から出ていった。
部屋から手を振りながら男を見送った聖女は、「とても楽しみです」と、嬉しそうな笑顔を浮かべながら、独り言を呟いた。
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