8 / 13
第八話 君の故郷に
しおりを挟む目を覚ました私は昨日と同じように朝食バイキングを食べた。
部屋に戻った私は荷物を纏めた。
今日、私はこの県を後にするからだ。
だが、その前に行くべき場所がある。
だから、朝早くに起きたのだ。
泊まったのがビジネスホテルで良かった。
朝早くから朝食をやっているから。
荷物を纏め終えた私はホテルのチェックアウトしたのだ。
ホテルを出た私は真っ直ぐある場所に向かった。
到着した場所は高松港のフェリー乗り場だ。
そして、高速船のチケットを購入した。
待合室で10分ぐらい待っていると高速船が見えてきたのだ。
どうやら、やってきたようだな。
私は待合室から出て、既に出来ていた列に並んだ。
並んでいると高速船がフェリー乗り場に着港したのだ。
橋が掛けられ、乗っていた者達が降りてきた。
降りてくる者達はサラリーマンか、学生が殆どだ。
船内が誰も居なくなってから列の先頭から順番に乗り込み始めた。
私も高速船に乗り込み、空いている窓側の席に座ったのだ。
座っていると船が動き出し、どんどん高松港を離れていく。
そして、目的地に向かっていく。
そんな高速船の中で私はただ海を見つめている。
いくつかの島を過ぎていく。
高速船に揺られ、約30分が経った。
そろそろか。
そんなことを思っていると見えてきてしまった。
ごま油会社の工場が。
あと少しで到着してしまう。
今の私は緊張している。
それは傍から見ても分かるほどに。
不審者と思われるかもしれない。
だが、そんなことはどうでも良い。
今の私を考えるとな。
複雑に混ざり合った気持ちを何とか押さえていたのだが、既に高速船が着港していたのだ。
お、降りるないと。
そう思い、慌てながら私は高速船を降りたのだ。
安心した私は下を向いてしまったのだ。
その時、懐かしい気配を強く感じた。
恐る恐る顔を上げた私は驚きの表情を浮かべてしまったのだ。
確かに君が目の前にいたからだ。
「ここが僕の故郷、小豆島。これから案内するよ」
そう言い、君は私の方に手を伸ばしてくれた。
その時、私は、私は確かに掴んだ。
思わず、私は君の手を掴んだ筈の右手を頭に当てた。
また記憶だ。
目の前にいると錯覚するほど強い記憶。
高松にいた時よりも感じるな。
ここが君の故郷だからか?
分からない。
だが、ここまで来たのだ。
歩こう。
そう思い、私は歩き始めた。
私は1日乗車券を購入し、止まっていたバスに乗り込んだ。
乗り込むと直ぐに出発した。
少し経って私は気がついたのだ。
間違えたと。
色々と考えていたから、上の空だった。
取り敢えず、ここで降りないと。
そう思い、私はボタンを押したのだ。
私が降りた場所はあまり知らない場所だった。
ここはどこだ?
そんなことを思いながら、周りを見渡しているとあるものが見えた。
世界一狭い土渕海峡?
それに、ギネスブックに認定されているみたいだ。
折角だから、観光してみるか。
そう思い、私は観光を始めた。
どうやら、ここは小型船が航行出来る海峡みたいだ。
最小幅は9.93mか。
狭いな。
これなら、小型船しか航行出来ないな。
観光を終えた私は近くにあった観光用の地図を見たのだ。
本来私が目指していた場所はここから歩いて15分ぐらいか。
なら、バスに乗らず、歩いていくか。
そう思い、私は歩き始めたのだ。
目的地に向けて。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
凜恋心
降谷みやび
恋愛
ある村にすんでいる雅(みやび)。特殊な力があるために親からも見捨てられていた。そんなある日、その村に三蔵一行が現れた。それが雅の運命を変えることに…
原作の最○記さんとは全く関係ありませんが、キャラ設定等は大好きな最遊○さんをパロってます。全く無関係なので誹謗中傷は受け付けません。
もしも○○なら…の『心恋凛~If...の場合』を開始いたします!そちらの章も是非お楽しみに…


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

【完結】平凡な私が地獄の神に溺愛されています!ー大聖女に転生予定が、気まぐれに地獄へ堕とされたら、地獄の神の溺愛と断罪が待っていました
碧桜 汐香
恋愛
素直で社畜体質っぽいし、浄化魔法が使えてマッサージ機代わりになるからという理由で、神々の手によって、死者の列から掬い上げられ、神の使い人になったテラス。
神の使いと呼ばれる動物たちの事務処理をするのが仕事だ。ハラスメントに業務を押し付けられる日々だが、テラスはNOと言えずに大量の仕事を抱えてる毎日を送っている。
ある日、そんなテラスに地獄への配置換えが命じられた。地獄の労働環境は最悪で、不浄な空気の中では使い人は長く生きられないとされる。
生きることも諦めて地獄に向かったが、そんなテラスを向かえる地獄は、最高の労働環境で、イケメンな地獄の神に溺愛されることとなった。
途中、元上司が自身の左遷に反乱を起こしたりするが、地獄の神が圧倒的な力で断罪される。
特定の宗教はモデルにしておりません。作者自身の想像でございます。地獄等について、調べてから書いておりますが、宗教観に詳しくありませんので、物語として楽しんでいただけると幸いです。
時々読み返して確認し直しているので、手直しが入っております。物語の本筋には影響は与えないようにしております。
他サイト様にも掲載中です。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる