君の故郷に

竹桜

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第四話 老舗

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 高松城の見学を終えた頃には十五時になっていた。

 少し早いが、ホテルに向かうか。

 そう思い、私は歩き始めた。

 到着したのはビジネスホテルだ。

 受付を済ませ、私はエレベーターを乗り、自分の部屋に向かった。

 うん、よくある部屋だな。

 部屋に荷物を置き、私は貴重品だけを持ち、ビジネスホテルを後にした。

 少し小腹が空いたから軽く食べれる店を探していると近場にうどん屋を見つけたのだ。

 うん、ちょうど良さそうだな。

 ここにしよう。

 そう思い、私は入店した。

 私がした注文は冷やかけうどんとミニ丼のセットだ。

 ミニ丼は色々と選べるが、私はミニ天丼にした。

 席でテレビを待っていると注文した品が運ばれてきた。

 かまぼこと小ねぎが散らされている冷やしかけうどんが。

 そして、3種類の天ぷらにタレが掛かったミニ天丼も。

 美味しそうだな。

 そう思いながら、私は冷やしかけうどんを食べた。

 予想通り、美味い。

 香川のうどんを食べてから気がついたことがある。

 それは冷やかけうどんの美味しさだ。

 出汁をよく感じることが出来るから。

 次に私はミニ天丼を食べてみた。

 うん、タレがいい感じに絡んで美味しい。

 美味しいから気がついたら、もう無くなっていた。

 私は食器を片付けてから、店から出たのだ。

 それから、高松の街を適当にブラブラした後にスーパーで買い物をした。

 買い物を終え、ホテルの部屋に到着したのだ。

 部屋に到着したのは17時前だった。

 これから少し飲みに行くか。

 1人で。

 この時間なら混むことはないだろう。

 そう思い、私はホテルを出て、ある店に向かったのだ。

 到着したのは創業約150年の老舗。

 その店に私は入った。

 案内されたのは生け簀が目の間にある席だ。

 その席に座り、メニューを見ているとお通しが置かれた。

 お通しを持ってきてくれた店員に私は注文をしたのだ。

 先に来たのは冷えたクラフトビールの瓶とグラスだった。

 既に栓は空いているので、冷えたグラスにクラフトビールを注いだのだ。

 そして、飲んだ。

 うん、美味い。

 ビールは苦手なのだが、このクラフトビールだけは好きだ。

 1人でビールを堪能していると注文した2品がやって来た。

 やって来た2品は穴子の刺身と出汁巻き卵だ。

 まずは出汁巻き卵を食べた。

 うん、出汁が効いていて美味しい。

 一頻り出汁巻き卵を食べた後、穴子の刺身も食べた。

 美味しいな。

 気がつけば、全てを食べ終わっていた。

 もう少し飲もう。
 
 そう思い、私は新たな注文をしたのだ。

 先に来たのは梅酒のロック。

 梅酒は殆ど飲まないがこの店なのは飲む。

 梅酒のロックを飲む前に注文した料理がやって来た。

 やって来た料理は名物でもある骨付鳥だ。

 骨付き肉を食べながら、梅酒を飲む。

 やっぱり、ここのお酒は好きだ。

 そんなことを思っているとまた声が聞こえてきたのだ。

 今度は気配も。

 しかも隣に。

 私は思わず隣を向いてしまった。

 もう居ない筈の君が。

 居なかった。

 これは、ただの記憶だ。

 「陸、これを食べてみて。美味しいから」

 そう言い、君は私に。

 もうそれが私に向けられることは無い。

 ここにいても駄目だ。

 そう思い、残っていた梅酒を一気に飲み干した。

 それから私はお会計を済ましてから、ホテルに戻ったのだ。

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