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第三十話 レティとのデート
しおりを挟むデートの順番は、婚約順になったため、最初は、レティとのデートになった。
レティとは、屋敷では合流せずに、噴水広場で待ち合わせするようにした。
僕は、待ち合わせ時間の15分前には、噴水広場に着き、レティのことを待っていた。
10分ぐらい待っていると、後ろから声を掛けられた。
声を掛けられた僕は、後ろを振り返った。振り返った先には、薄い紺色のシンプルな作りになっているワンピースを着たレティがいた。
「どうかな?似合っているかな?」と、少し照れながら、レティが聞いてきた。
「うん、とても似合っているよ」と、僕は、答えた。
「そっか、良かった」と言い、レティは、安堵の表情を浮かべた。
僕は、レティの方に手を伸ばし、「じゃあ、行こうか」
レティは、僕の手を取り、「うん、行こう」
僕達は、手を繋ぎながら、街の方に向かい、歩き始めた。
街に行った僕達は、昼食や買い物などを楽しんだ。
デートをしている時のレティの表情は、とても嬉しそうだった。
楽しい時間というものは、直ぐに過ぎるものであり、気が付いたらもう夕方になってしまった。
夕日を見ながら、レティは、「そろそろ、夕方だから屋敷に帰ろうか」
僕は、夕日に照らされ、輝いている銀髪をしているレティに見惚れながら、「最後に一つだけ寄っていかない?」と、聞いた。
「うん、勿論いいよ」と、答えてくれた。
その返事を聞いた僕は、影移動を使い、ある場所に移動した。
着いた場所は、ただ広い平原の中に一本だけある大きな木が立っているところだ。そして、夕日が僕達のことを照らしている。
「す、凄く大きい木だね」と、レティは、感想を漏らした。
僕は、「うん、この木は、この世界で1番大きいと言われているものだよ。僕が、ここに来たのは、レティに伝えたいことがあるからだよ」
「伝えたいこと?」と言い、レティは、首を傾げて、聞いてきた。
「うん、絶対に伝えなければいけないことだよ」と言い、僕は、レティの前で、膝を着いた。
レティは、僕が膝が着いたことに驚きの表情を浮かべた。
僕は、懐から小さい箱を取り出した。
レティは、僕の手にある小さい箱を見て、両手で口元を押さえ、目には、涙を溜めていた。
「レティ、君とは、僕が小さな頃からずっと一緒に居たね。一時期は、僕達は、離れ離れになってしまったけど、でも、また、もう一度会うことが出来た。そして、僕が居なくなった後も僕のことを好きでいてくれた、そんな君が、僕は、好きです。だから、僕と結婚して欲しい」と言い、小さい箱から、パライバトルマリンが埋め込まれた指輪を取り出し、レティの方に差し出した。
「私も幼い頃から、ずっと、ずっと、好きだよ。だから、とても嬉しい。私をエドのお嫁さんにして下さい」と言い、指輪を受け取り、これまで見たどんな笑顔よりも美しい笑顔を浮かべた。
「ありがとう、レティ」と言い、僕は、レティの手にキスを落とした。
手にキスを落とされたレティは、顔を少し赤くした。
僕は、少し赤くしたレティを見ながら、立ち上がった。
レティは、立ち上がった僕の唇にキスをした。
キスをされた僕は、驚きで固まってしまった。
「わ、私の、ファーストキスもエドにあげるよ」と言い、レティは、顔を赤くした。
僕は、このままでは、男として、不甲斐ないと思い、レティの唇にキスをした。
僕は、「これで、互いにファーストキスを交換したね」
キスをされたレティは、湯気が出そうなぐらいに顔を真っ赤にし、下を向きながら、「う、うん、そ、そうだね」と、小さく答えた。
僕達は、夕日が沈むまで、互いに顔を合わせることは出来なかったが、手を繋ぎながら、一緒に大きな木の下で、座っていた。
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