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第十三話 元聖女
しおりを挟む[ミレイネ視点]
私が次に目を覚ますと、そこは、何処かの部屋だった。私の隣には、美しい黒髪を腰まで伸ばし、ブラックダイヤモンドのように美しい黒色の瞳を持つ、女性が、椅子に座り、本を読んでいた。
その女性が、私が起きたことに気づき、「目が覚めましたか?」と、聞いて来た。
「あ、はい。えっと、ここは、何処ですか?」と、聞き返した。
「ここは、レティさんの屋敷ですよ。今、レティさんを呼びますね」と言い、部屋の外にいると思われる人に伝えた。
その女性が何者か聞いた、「えっと、その、お名前は、なんて言うんですか?私の名前は、ミレイネと言います」と、聞いた。
「ごめんなさい。私の名前を言い忘れましたね。私の名前は、菜月と言います」と、答えてくれた。
菜月さんが答えてくれた後、直ぐに、扉が開き、銀髪を腰まで伸ばし、パライバトルマリンように美しい水色の瞳の女性が入ってきた。
「目が覚めて良かった。初めまして、ミレイネさん。私は、レティアと申します」と、言ってきた。
「えっと、レティアさん、その、エドリックさんは、何処に居ますか?」と、聞いた。
「エドは、今、少し情報を集めに行っています。ミレイネさんが、目を覚ましたことも連絡したので、直ぐに帰ってきますよ」と、答えてくれた。
「ミレイネさん、まだ、色々なことを聞きたいと思いますが、先ずは、お風呂に入ってきてください。エドが来てから、詳しい話をしてしましょう」と、言ってきた。
そして、私は、メイドさん達に、連れられて、お風呂に入れられた。
私は、お風呂に入りながら、エドリックさんとレティアさんと菜月さんの関係が気になって仕方がなかった。
[エドリック視点]
この世界に来てから、3日が経っていた。
レティから、ミレイネの目が覚めたことを聞いた僕は、さっさと用事を済ませようと考え、無理矢理目的の物を手に入れ、直ぐに屋敷に帰った。
僕が、屋敷に帰ったら、ミレイネは風呂に入っているということで、レティと菜月と話して、待っていた。
少し経つと、扉がノックされ、入室の許可を出すと、綺麗になった姿のミレイネが入ってきた。綺麗になったミレイネは、美しい金髪を腰まで伸ばし、アメジストのように美しい紫色の瞳を持ち、真っ白な服がとても似合っていた。
「すみません、お待たせしました」と、言ってきた。
僕は、「いや、大丈夫だよ」
「えっと、その、エドリックさんですよね?」と、聞いてきた。
「あ、そっか。あの時は、兜を被っていたから、素顔を見てないのか。うん、僕が、エドリックだよ」と、答えた。
「エドリックさん、助けてくれて、ありがとうございました」と、礼を言ってきた。
「ミレイネ、僕が助けたいと思って、助けたから、気にしないで。でも、1つ聞いてもいい?もちろん、嫌なら答えなくても大丈夫だよ。ミレイネ、君は、何者なの?」と、聞いた。
「わ、私は、キリシア教国の元聖女です。でも、なんで、追放されたかは、分からないです」と、答えた。
「ありがとう、ミレイネ。辛いことを思い出させてしまって、済まなかった」と、頭を下げて、謝った。
「え、あ、頭を上げて下さい。わ、私は、追放されて良かったと思ってます。だから、エドリックさんが、責任を感じないでください」と、言ってきた。
「追放されて良かって、どう言うこと?」と、レティが聞いた。
「キリシア教国の人達は、私のことを道具としか、見てないんです。まともに、風呂なんか入ったことがありません。でも、ここに来てからは、普通の人として、扱って貰えて嬉しかったです」と言い、ミレイネは、泣き崩れてしまった。
僕とレティと菜月は、ミレイネのことを慰め続けた。
泣き止んだ頃には、夕食の時間になったので、夕食を食べることにした。
ミレイネは、夕食を食べる時も、感動している表情を浮かべていた。
僕は、ミレイネの表情を見て、ミレイネのことを苦しめた屑どもを絶対に地獄に落とすことを心の中で、誓った。
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