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第85話 卒業式
しおりを挟む今日は、貴族学院の卒業式の日である。
「では、首席のアレク・フレック、式辞を」と、聞こえた。
僕は、「はい」と言い、立ち上がり、式辞を読み、卒業式を終えた。
その後は、卒業式パーティーが始まった。
僕は、クラスメイトと話をして、テレスとアリアとエーリゼもクラスメイトと話をしていた。
そして、ダンスが始まると、僕は、婚約者達と踊ることにした。
最初は、テレスと踊った。
次は、アリアと踊った。
最後は、エーリゼと踊った。
エーリゼとダンスを終えると、僕とエーリゼに視線を向けている男がいるのに気がついた。
その男は、バレンタ王国の第3王子だった。
第3王子は、僕達のところに来て、「久しぶりだな、エーリゼ」と、言った。
「そうだね、何の用?」と、エーリゼは、素っ気なく返した。
「いや、お前の婚約者を見に来ただけだ。強そうに見ないなぁ」と、僕に見下した視線を向けてきた。
その言葉に、周りにいた人達は、固まってしまった。
「どうしてそう思うのですか?」と、笑顔で聞いてみた。
「それはだな、お前は、風神の騎士というものが強いだけだろ。本人自体は弱いと考えたからだ。俺の部下の方が強いな」と言い、指を鳴らして、黒いフードを被った男を呼んだ。勝ち誇った顔で。
「あれ、マダナ?何してるの?」と、聞いた。
「え、な、何でここに居るんだ?辺境の悪夢」と、狼狽えた声を出した。
「な、何をしている、お前は、この男より強いだろ」と、第3王子が言った。
「申し訳ありませんでした」と言い、土下座をした。
更に周りが凍り着いた。
「頭をあげてくれ、マダナ、何もしないから」と、言った。
「へい、ありがとうございます。あなたの前に立つと未だに恐怖を感じます」と、言ってきた。
「僕は、そんな酷いことして無いけど?」と、聞いた。
「確かに酷いことは、されては無いですけど、どこに逃げても追ってくるのは、悪夢のような恐怖ですよ」と、答えた。
そんな会話をしていると、バレンタ王国の国王が僕の前に来て、「申し訳ない。アレク殿に受けた恩を仇として返してしまった」と、頭を下げた。
バレンタ王国の国王が僕に頭を下げたことで、周りは騒がしくなった。
「頭をあげて下さい。国王陛下、あの時のことは、依頼でしたから、お気になさらないでください」と、言った。
「ち、父上、あの時のこととは?」と、聞いた。
「アレク殿とエーリゼ嬢は、王妃の為に入手不可能と言われる薬を持ってきてくれた。大恩人だ。それなのにお前は、こんな愚行をして」と、怒りを乗せて言った。
人を掻き分け、明らかに怒っているグレーク伯爵とアングーレ辺境伯とサレック伯爵と父上がやってきた。
「私の大事な娘の夫になるものを侮辱するとは、バレンタ王国の王家とは、関わり方を考える必要があるな」と、グレーク伯爵が言った。
「私もグレーク伯爵と同意見です。息子達には、此方に帰ってくるように連絡させて頂きます」と、サレック伯爵が言った。
アングーレ辺境伯と父上は、2人の言葉に同意した。
その後は、バレンタ王国の第3王子は、廃嫡され、平民に落とされた。そして、僕とハルロク王国に慰謝料を払うことで、解決した。
マダナは、元々ゲイルの部下の為、ゲイルの居場所と近々結婚することを伝えると、驚いていた。そして、すぐにゲイルの元に向かっていった。
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