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第79話 世界1美味しい毒草
しおりを挟む僕は、ブルークリスタルについての打ち合わせの為に、知り合いの薬草バカのところを訪れていた。
「なぁ、アレク殿、私は、ポルドク草が食べてみたい」と、唐突に言ってきた。
「僕も食べたことみたいと思ったことがありましたけど、手間がかかりますから、難しくないですか?」と、聞いた。
「いや、アレクなら、出来る。なんの確証も無いけど」と、答えた。
「いや、他人任せじゃないですか。うーん、分かりました。僕も気になるので、作ってみますね。1か月ぐらい期間を貰いますね」と、言った。
「おお、ありがとな、アレク殿」と、礼を言ってきた。
植物バカと別れ、早速作ってみることにした。
まずは、ポルドク草を集めた。必要な数を集めた。
本来は、1か月間ずっとデトックスを掛け続けると、ポルドク草の毒が抜け、食べられるようになる。
僕は、忙しいので、癒しのそよ風にデトックスを乗せ、掛け続けることにした。
1か月後には、ポルドク草から毒が抜けて食べれるようになっていた。
出来上がったものを料理し、植物バカに出した。
「これが、ポルドク草の料理か、どれどれ、味は?」と言い、ポルドク草を口に入れた。
食べた瞬間、薬草バカの顔が驚きで固まった。
「な、なんだ、これは、美味すぎる」と、声を上げた。
「アレク、いくつか余分に作っているだろ。全部欲しい」と、僕の肩を掴んできた。
「セシリーにあげたいから、全部はダメだけど、大体はあげるよ」と、言った。
「あ、ありがとう、アレク殿」と、言った。
ポルドク草の大体を植物バカに渡し、僕は、領地に帰った。
セシリーは、甘いものも好きだが、山菜が1番好きだ。だから、喜んでくれると思う。
普段セシリーは、僕の領地の教会でシスターとして、働いている。
僕は、教会を訪れて、セシリーに会いに行った。
「セシリー、ごめんね、仕事中に来ちゃて」と、言った。
「いえいえ、私は大丈夫ですよ。何かあったんですか?」と、セシリーが聞いて来た。
「渡したいものがあってきたんだ」と言い、ポルドク草を机の上に出した。
「これは、何ですか?」と、セシリーが聞いて来た。
「これは、ポルドク草だよ。でも、安心して、食べられるように処置してあるから」と、答えた。
「ポルドク草って、食べられるのですね。初めて知りました」と、言った。
「知り合い曰く、美味しいらしいから、一緒に食べよ」と、言った。
「はい、一緒に食べましょう」と、セシリーが言った。
ポルドク草を簡単に料理し、セシリーと2人で食べることにした。
「では、食べてみましょう」と、セシリーが言った。
セシリーと僕は、ポルドク草を口の中に入れた。
前食べた世界1美味しいケーキと同じくらい美味しかった。
「お、美味しすぎます。こんな山菜があったなんて」と、セシリーは、驚きの声を上げた。
「確かに、世界1美味しい毒草って、言われているだけあるね。セシリー、気に入ったなら、僕が定期的に作ろうか?」と、聞いた。
えっと、セシリーは、驚いた。
「わ、私、嬉しいです。アレクさん」と言い、僕に抱きついて来た。
「よ、喜んでくれて、良かったよ」と言い、セシリーの髪を撫でた。
撫でられたセシリーは、可愛い顔で顔を赤くした。
「ありがとうございます、アレクさん、私、とても嬉しいです」と、僕の顔の下から、セシリーは、ポルドク草の美味しさよりも記憶に残る笑顔を浮かべた。
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