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第63話 辺境の悪夢

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 [ミナ視点]

 ここは、何処だろう?私は、王女様にお茶を入れていただけなのにと、思いながら周りを確認していると、頭から角を生やした男が現れた。

 「王女だけ呼んだはずなのに、余計な者がいるな」と、男は、言った。

 「要らないから、殺すとしよう」と言い、剣を手に持った。

 男は、剣を持って私に近づいてくる、私は、恐怖で動くことが出来なかった。そして、男は、私の前まで来て、剣を振り下ろした。

 その時、私は、ゲイルさんのことを思っていた。ゲイルさん、ごめんなさい。

 だが、剣が私の身体を切ることは無かった。

 そこには、私の愛する人がいた。

 [ゲイル視点]

 転移してきたら、魔族がミナに剣を振り降ろそうとしていたので、剣で止め、蹴りを入れた。

 「大丈夫か、ミナ」と、声を掛けた。

 「うん、大丈夫だよ。きてくれて、本当にありがとう」と言い、泣き顔を浮かべた。

 ミナの頭を撫でて、危ないから下がってくれと言い、剣を構えた。

 魔族は、俺に対し、20個以上の魔法を繰り出してきた。

 俺は、槍に持ち替え、魔法全てを逸らし、直ぐに弓に持ち替え、反撃を行った。

 だが、魔族は、傷つくことは無かった。

 その光景を見た俺は、自分が持っている全てをぶつけることにした。

 戦いが始まって、30分以上経っていた。

 「フハハハハ、素晴らしい、これだけの獲物を使いこなせるものに会えるとは、幸運だ。だが、何故魔法を使わない?」と、聞いてきた。

 「使わないじゃない。使えないんだ。俺は、転移魔法以外使えないだよ。だから、色々の獲物を使えるようにしたんだ」と、答えた。

 「そうか。だが、このままでは勝てないことぐらいお前にもわかるだろう?」と、聞いてきた、

 「ああ、俺ではお前に勝てないことは、充分にわかった。だから、切り札を使わせて貰う」と、答えた。

 「切り札だと?」と、聞いてきた。

 「ああ、最強の切り札だ。来いよ、辺境の悪夢よ、俺との条件を果たしてくれよ」と、言った。

 1秒も経たずに、風をモチーフにした黒い鎧を着た、辺境の悪夢が現れた。

 [アレク視点]

 「ゲイル、久しぶりだね」と、言った。

 「ああ、久しぶりだな。辺境の悪夢よ」と、答えてくれた。

 「僕を呼んだということは、あの魔族を倒して欲しいの?」と、聞いた。

 「ああ、そうだ。俺では、勝てないからな」と、答えてくれた。

 「お前、なめるなよ」と言い、僕に攻撃しようとした。

 僕は、魔族が攻撃する前に、魔族の両腕を吹き飛ばしていた。

 魔族は、自分の両腕が吹き飛ばされたことに最初は気づいていなかったけど、徐々に気づき、痛がってた。そして、僕に恐怖を抱いていた。

 「おいおい、攻撃は見えるけど、全く防げる気がしないぞ」と、ゲイルが言った。

 「ゲイル、この攻撃を見ることができるのは、僕の知り合いでも片手ぐらいしかいないよ」と、言った。

 「おお、それは、いいなぁ、強者としてみてもらえるからな、辺境の悪夢に」と、言った。

 「もうゲイル以外の人は、僕のことを辺境の悪夢の名前を呼ばなくなってしまったよ」と、ゲイルに言った。

 「ハハハ、俺は、辺境の悪夢がどんな功績を挙げようが、俺は、あんたを辺境の悪夢と呼ぶ続けるよ。だって、俺にとっての人生の選択には、あんたがいつも関係しているからなぁ」と、言った。

 僕は、ゲイルと話している間に、魔族のことを倒しておいた。

 「魔族も倒したことだし、僕は帰るね。じゃあね、ゲイル。あ、あと、ちゃんと、ミナさんのことを大切にね」と言い残し、僕の領地に帰った。

 [ゲイル視点]

 その後、転移魔法で、ミナと王女様を国に返した。

 そして、今回の褒賞として、今回起きたことを聞かないようにお願いした。

 その願いは、叶い、ミナとの日常が戻って来た。

 辺境の悪夢よ、あんたと会ってから、人生は、変わってしまったよ。だが、ミナと会わせてくれたこととミナとの結婚を許してくれたことは、礼を言っておく。これからは、愛しい人のために自分の人生を使っていこうと思う。だから、安心してくれ、辺境の悪夢よ。

 
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