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番外編 バレンタイン

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 [フェリア視点]

 異世界からバレンタインという文化がやってきた。

 その文化は女性が好きな男性にチョコを送る。

 わ、私はルークのことが好きだから、チョコを送ることにした。

 お父様にチョコの材料となる食材を頼み、お父様の屋敷の料理長に手伝って貰いながら、チョコを手作りした。

 で、出来た。

 は、恥ずかしいけど、ルークのチョコはハート型にした。

 お父様の分も作ったけど、ハート型じゃない。

 ル、ルークに渡しに行こ。

 私は出来上がったハート型のチョコを後ろに隠しながら、ルークの元に向かった。

 [主人公視点]

 フェリアが今日はラーカ侯爵と過ごしたいと言っていたので、王都を見て回っていた。

 ラーカ侯爵家の屋敷に帰ってくる頃には昼過ぎになっていた。

 敷地内に入り、屋敷に向かって歩いていると後ろから声が聞こえた。

 「ル、ルーク」

 私が後ろを向くと、顔を赤くして、後ろに両手を隠したフェリアがいた。

 「フェリア。どうしたんだ?」

 「ル、ルークに、渡したい物が、あって」

 フェリアは更に真っ赤になり、耳まで真っ赤になっていた。

 「こ、これを」

 フェリアは真っ赤な顔のまま、自身の後ろから何かを出してきた。

 出てきたのはハート型のピンク色の箱で、リボンで飾りつけられていた。

 ハート型?

 そうか、今日はバレンタインか。

 最近、異世界人が知識を広めていると聞いた。

 その中にバレンタインがあったはずだ。

 私はフェリアからのチョコを受け取った。

 「ありがとう、フェリア。バレンタインチョコを」

 フェリアは真っ赤な顔のまま、驚いた表情を浮べた。

 「ん。ほ、本命で、い、一生懸命に、作ったから、大事に食べて」

 「ああ、大事に食べるよ、フェリア」

 「わ、私はこれで」
 
 フェリアは逃げるように屋敷に逃げてしまった。

 恥ずかしりながら、本命のチョコを渡してくれるフェリアは可愛いな。

 私は東屋に向かい、フェリアから貰った本命チョコを開けた。

 ピンク色のハート型の箱の中にはハート型のチョコが入っていた。

 私はそのハート型のチョコをとり、食べてみた。

 甘いな。

 私はフェリアが一生懸命作ってくれたチョコを食べた。

 幸せを噛み締めながら。
 
 ラーカ侯爵もフェリアからチョコを貰い、もの凄く喜んでいた。
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