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第二十話 湖

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 再開を喜んだ後、ラーカ侯爵とは、色々と話したが、フェリアが、爆弾発言をしてしまったのだ。

 私と一緒に寝ていると。

 その時のラーカ侯爵の殺気は、凄かった。

 魔王殿の殺気に匹敵していた。

 その後、色々と説明したら、なんとか納得してもらえた。

 ラーカ侯爵には、くれぐれも手を出すのは、結婚式後と何度も言われた。

 フェリアは、何のことが分かっておらず、不思議そうにしていた。

 そんなフェリアも可愛かった。

 その感想には、ラーカ侯爵も同じようだったため。

 無言の握手をしてから、解散した。

 その日から、3日が経った。

 私は、フェリアと一緒に綺麗な湖がある別荘に来ている。

 フェリアとの久し振りのデートだ。

 本当は、街中で、デートしたいが、私が顔バレしているため、中々難しい。

 少し前に、別の街で1歩踏み出しだけで、囲まれて、1時間ぐらい動けなくなった。

 変装という手もあったが、フェリアが、嫌がった為やめた。

 そして、今は、フェリアの着替えを待っている。

 後ろから、足音が聞こえてきた。 

 私は、後ろを向いた。

 後ろには、フリルがついたワンピース型の水着を着ているフェリアがいた。

 「ルーク、お待たせ。どう?」

 フェリアは、1周回って、水着を全部見せてくれた。

 「とても似合っているよ」

 「ん。ありがとう」

 フェリアの顔は、嬉しいのか、少し赤かった。

 その後、私達は、湖を遊びつくした。

 別荘で、夕食を食べ、食後の運動がてら、湖の周りを散歩している。

 少し歩くと、倒木があったので、そこに座ることにした。

 私は、フェリアのそれそれ指を絡ませ、手を握った。

 そう、俗に言う恋人繋ぎだ。

 フェリアは、顔を少し赤くしながらも、抵抗せずに受け入れてくれた。

 それからは、恋人繋ぎをしながら、湖を見ていた。

 会話は無かったが、幸せな空間だった。

 湖には、満月が映し出され、綺麗だった。

 ここだな。

 「フェリア」

 「ん?どうしたの?ルーク」

 フェリアは、私の方に顔を向け、可愛らしく首を傾げた。

 私は、懐から、小さい箱を取り出した。

 「フェリア。私は、いつから好きになっていたか分からない。フェリアと会えなくなって、初めての自分の気持ちに気付いたんだ。そんな鈍感な男だ」

 小さい箱を開けると、水色の宝石が埋め込まれている指輪が出てきた。

 「こんな私でもいいなら、受け取って欲しい。フェリア。私と結婚してくれ」

 フェリアは、両手で口を押さえ、コクコクと頷いて答えてくれた。

 そして、フェリアは、左手を私に向かって、差し出してきた。

 私は、左手の薬指に指輪をつけた。

 フェリアは、その指輪を見て、嬉しそうに微笑んだ。

 そんなフェリアを見ていると、フェリアに抱き着かれた。

 「大好き、ルーク」

 「ああ、私も大好きだ。フェリア」

 私達は、互いの幸せを共有するように、抱きつき続けた。

 告白から、2日が経った。

 見てしまった。

 フェリアが、私の居ないところで、婚約指輪を嬉しそうに微笑みながら、つけたり外したりしているところを。

 な、なんて、可愛いんだ。

 これは、ラーカ侯爵に報告しなくては。

 いや、その前に、映像を撮ろう。

 ラーカ侯爵にも渡そう。

 その後、ラーカ侯爵は、思わずスキップしてしまいそうな勢いで喜んでいた。

 
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