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第十八話 水の都

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 私は、囲まれると面倒くさいと思い、家で、フェリアと一緒に過ごしていた。
 
 日用品とかの買い出しは、部下達に任せたが、届ける際に驚いたと聞いた。

 まぁ、フェリア以外には、誰にも言ってなかったからな。

 魔法学園には、卒業式だけは、出ようと思っている。

 卒業だけは、しておきたいからな。

 卒業式の日は、フェリアは、家にいる。

 フェリアは、ラーカという名前を捨てたので、ラーカ侯爵令嬢では、無くなった。

 だから、今のフェリアは、ただのフェリアだ。

 あ、そうだ。

 最近困っていることがある。

 それは、フェリアが、私と一緒に寝ていることだ。

 フェリア曰く、危険な場所に行って欲しくないから、隣にいるとのことだ。

 勿論、私は、受け入れる訳にいかなかったが、懇願されたので、受け入れてしまった。

 だがな、ネグリジェ1枚だけはやめてほしい。

 理性を保たなければいけない。

 私と交流を持ちたいという貴族や商人が大勢いたが、全て断った。

 フェリアとの生活の方が、大切だからな。

 まぁ、そんな感じで、卒業式の当日まで過ごしていた。

 久し振りに、制服に袖を通し、フェリアと別れて、魔法学園に向かおうとしたが、人に囲まれた。

 どうやら、ずっと張り付いていたようだ。

 このままでは、間に合わなくなる。

 仕方ない。

 使い捨ての転移石を使うか。

 使い捨ての転移石を使用し、魔法学園に到着したが、そこでも囲まれた。

 囲んでいる者達の中には、教師も混ざっていた。

 仕事しろよ。

 卒業式の前に、なんとか抜け出すことが出来た。

 卒業式の最中も視線を感じ続けた。

 式の最中だろ。 

 式に集中しろよ。

 卒業式後には、学園長と国王に呼ばれた。

 学園長は、魔法学園の教師の立場を、国王は、英雄の地位と王女との婚約を。

 どれも魅力的では無かった。

 教師や英雄になってどうするんだ?

 それに、王女との婚約だと?

 私には、フェリアがいるので、不要だな。

 帰って、フェリアが待つ家に帰ろう。

 「私は、魔力無しと言われ、蔑まれました。それは、この国で、この魔法学園で。なので、こんな国は、さっさと出ていきます。なので、褒美は不要です。雨男になったのは、フェリアを守るためですから」

 私は、席を立ち上がり、真っ直ぐ家に帰った。

 家に帰ると、フェリアが、出迎えてくれた。

 ああ、癒やされる。

 癒やされてから、荷物を纏めるか。

 まぁ、殆ど纏まっているが。 

 私は、直ぐに荷物を纏め、リビングに向かった。
 
 リビングには、フェリアが、纏めた荷物と共に待っていた。

 私は、使い捨ての転移石を使った。

 到着した場所は、隣国の水の都と呼ばれたいる街にある私が購入した家だ。

 「フェリア。ここが新しい家だよ」

 「ん。ここで、ルークと暮らす。とても楽しみ」

 フェリアは、微笑んだ。

 私もそれにつられ、微笑んだ。
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