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第十四話 宣戦布告
しおりを挟むそれからは、家で、フェリアに休んでもらった。
体の傷を治したが、心の傷は、治ってないからな。
そして、フェリアとの生活が始まった。
フェリアと朝食を食べ、紅茶を飲みながら話し、昼食を食べ、一緒に本を読み、夕食を食べ、寝るまで一緒に過ごしている。
殆ど一緒に過ごしている。
とても幸せだ。
最初は、勇者パーティーとラーカ侯爵家に復讐しようとしたが、フェリアに止められた。
「復讐は、意味が無い。それよりもルークとの生活のほうがいい」
その意見には、賛成だった。
だが、私には、許せないことがあった。
それは、フェリアを拷問した魔王だ。
フェリアが、完全に治ったから、始めるつもりだ。
フェリアの全ての傷が治ったのは、魔法学園卒業まで、1ヶ月をきっていた頃だった。
その間、勇者パーティーは、修行と言い、王都に留まり続けている。
一体、何をしているんだが。
まぁ、どうでもいいことだがな。
さて、始めるか。
フェリアは、ネグリジェを着て、私と話している。
寝る時間になったので、フェリアは、席から立ち上がった。
「おやすみ、ルーク」
「おやすみ、フェリア」
私は、フェリアと別れ、自室に戻った。
私は、本を読みながら、時間を過ごした。
フェリアが寝てから、レインポンチョを着て、桜雨を腰に携えた。
使い捨ての転移石を使い、魔王城に移動した。
到着したのと同時に、梅雨を唱えた。
すると、魔王城の上空に、雨雲が現れ、雨を降らした。
魔王城の正面に、魔族や様々な魔物が、出てきた。
その中には、豪華な服に身を包んだ魔族の男がいた。
多分、あの男が、魔王だろう。
「まさか、こんな時間に来客があるとは。しかも、雨を降らす者とは」
「さて、雨を降らす者よ。こんな夜更けになんのようか?」
「宣戦布告をしにきたんだ。魔王殿」
「ほぉ、宣戦布告か。さて、雨を降らす者よ。そなたは、何の為に、我に宣戦布告するのだ?」
「簡単だ。私の愛しい者を拷問したからだよ」
「なんだと?」
魔王は、驚いた表情を浮かべた。
どういうことだ?
まさか、魔王は、知らないのか。
じゃあ、部下の暴走か。
魔王は、隣の側近らしき者に何かを聞いていた。
聞き終えると、私の方を向いた。
「側近から、聞いた。それは、我の命令したことではない。だが、捕虜の拷問は、禁止している。これは、謝罪するべきことだな。その前に聞くことがある。雨を降らす者よ。宣戦布告を取り消すか?」
「取り消さない」
「ほぉ、それはなぜ?」
「簡単なことだ、魔王殿。貴殿は、人間を滅ぼそうとしている。だから、宣戦布告だ」
「そうか、分かった。では、いつ攻めてくる?」
「3日後の昼の12時だ」
「魔王の名において、その宣戦布告を受け入れよう。3日後の12時に何処からでも攻めてこい」
私は、頷いて、使い捨ての転移石を出し、使用した。
家に帰ったら、装備を外し、布団の中に入った。
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