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第九話 アンデットの軍勢
しおりを挟む魔法学園に来てから、2年が経った。
私は、変わらない日常を過ごしていた。
水の魔石の商売の拡大と、フェリアとの日常を。
今日は、休日のため、商売の拡大の計画を練りながら、紅茶を飲んでいた。
何事も起きないのが、1番だな。
そんなことを思いながら、まったりと過ごしていると、突然鐘の音がなった。
確か、この鐘の音は、緊急事態を知らせるものだったはず。
また、何かが起こったのか?
何も起きないのが1番だと思っていたところなのに。
様子を見に行くか。
使い捨ての転移石を使い、高い塔の上に登った。
そこから、見えたのは、王都の外を取り囲むアンデッドの軍勢だった。
おいおい、一体何体いるんだ?
また、あの服装をするのか。
まぁ、誓ったからな。
使い捨ての転移石を使って、一旦家に戻った。
[衛兵視点]
クソ、何だこの数は?
と、取り敢えず、少しでも数を減らさならければ。
俺は、弓矢を取り、アンデッドに向かって、射り始めた。
狙わなくてもアンデッド達に当たる。
私は、矢が無くなるまで、矢を射ち続けた。
半分くらい矢筒の中の矢を射つと、矢が飛んできた。
私は、近くに置いてあった盾を取り、構えた。
盾で、矢から自分の身を守った。
だが、盾を取り遅れた者達は、矢で傷を追っていた。
ある者は腕に刺さり、ある者は足に刺さり、ある者は体に刺さり、ある者は兜で運良く弾いたが気絶した。
「衛生兵。治療を」
俺は、盾を近くに落とし、矢を射ち始めた。
クソが。
このままでは、城壁が突破されてしまう。
誰か、誰か、この状況を打開出来る者はいないのか?
突然、雨が降り始めた。
と、突然の雨。
ま、まさか、あの者が来るのか?
俺の予想通り、雨を降らす者が現れた。
完全な味方かは分かってないが、少なくても敵ではない者が。
雨を降らす者は、城壁の上に立っていた。
そして、何かを呟いた。
すると、優しい雨が降ってきたのだ。
その雨は、傷付いた兵士達の体を治したのだ。
な、何だ。
この魔法は?
こんな魔法が存在するのか?
疑問に思っていると、城壁の外から、苦悶の声が聞こえてきたのだ。
城壁の外を急いで見てみると、アンデッドの軍勢が、苦悶の声を上げていたのだ。
ま、まさか、この魔法は、傷を癒やし、アンデッドも倒すことが出来るのか?
そ、そんなの聖女よりも凄いではないか。
たったの5分で、アンデッドの軍勢は全滅した。
雨を降らす者の優しい雨によって。
絶望的だと思われていた状況をひっくり返したのだ。
たった1人の者によって。
雨を降らす者は、私達をちらりと見たあとに、使い捨ての転移石を使用し、何処かに消えてしまった。
消えると同時に、雨も止み、雨雲が晴れ、大空が広がっていた。
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