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第二十五話 決意
しおりを挟む朝日が、僕のことを目覚ました。
いつものように、ベットから出て、可愛いらしい寝息を立てて寝ている二人に、布団を掛け、部屋から出た。
いつものように、日課の素振りを始めた。
決めた回数を終え、僕の額に出た汗を拭いていると、後ろから、「おはようございます。伊黒さん」と、聞こえた。
僕は、振り返り、「おはよう、テレシア」と、返した。
どうやら、テレシアは、朝に強いようだ。
「いつも、素振りをしているのですか?」と、テレシアが、聞いて来た。
「うん、この世界に来てからは、毎日してるね」と、答えた。
「そうなんですね。えっと、伊黒さんは、フリージアさんとクレアさんの接し方に対して、どう思っていますか?」と、テレシアが、聞いて来た。
「それは、少なくても僕に好意的であると感じてるよ。まぁ、頼れる人だと思われてると思ってるよ」と、答えた。
「そういうことでは無く。2人の好意については、どう応えようしてるんですか?」と、テレシアは、直接的に聞いて来た。
「そのことは、どうしよか悩んでいるんだ。フリージアとクレアが、僕に好意を持っていることは、薄々感じていたんだ」と、答えた。
僕は、続けて、「テレシア、僕が元いた世界は、一夫一妻の国だったんだ。この世界は、一夫多妻が認められている。それが、僕は、まだ、受け入れないんだ。それに、2人は、可愛くてとてもいい子だ。僕なんかよりも良い人に出会えるとも思ってしまうんだ」
テレシアは、僕に近づき、「伊黒さん。フリージアさんとクレアさんは、貴方だから、好きになったんです。だから、伊黒さんよりも良い人には、もう出会えないのです。それとも、伊黒は、2人が、嫌いなのですか?」と、テレシアが、聞いて来た。
「いや、嫌いでは無い。なんなら、2人とも好きだ。それもそうだ、僕に対してあんなに好意を抱いてくれる2人を嫌いにならないはずが無い」と、答えた。
「なら、2人の想いに応えて上げれば良いじゃないですか。伊黒さんの世界では、1人しか愛すことができませんけど、この世界は、何人も愛して良いのです。だから、フリージアさんとクレアさんの想いに応えてあげて下さい」と、テレシアが、僕の目を見ながら、言ってきた。
僕は、その言葉を聞き、覚悟を決め、心の中で、2人の想いに、応えることを、僕の想いを2人に伝えることを決心した。
僕は、「ありがとう、テレシア。お陰で、決意がついたよ。僕は、フリージアとクレアに、想いを告げるよ」
テレシアは、「気にしないでください。これは、恩返しですから」
その後は、僕とテレシアは、朝ご飯の準備をして、2人が起きてくるのを待った。
朝ご飯が、大体作り終わると、2人が、台所に来た。
いつものように、朝ご飯を食べ、片付けを任せた。
僕は、直ぐに外に行くのでは無く、書斎に行った。
書斎の中で、指輪の作り方とリングの部分の作り方を調べた。その時に、フリージアとクレアに似合いそうな宝石の目処もたてた。
調べものを終え、暗き森の中で、リングの部分の材料と、宝石を集めた。
フリージアとクレアに告白する場所を見つけ為に、偵察の影を出し、探させておいた。
僕は、今まで下処理をさせていた影よりも何倍にも能力が高い影を自在の影のスキルで、作り上げ、指輪の加工を任せた。
その日は、何事も無いように過ごし、そのまま時が過ぎ、気付けば、ベッドの中に入っていた。
「おやすみ、雄介」と、フリージアが、右側から言ってきた。
「お休みなさい、雄介さん」と、クレアが、左側から言ってきた。
「おやすみ、2人とも」と、返した。
30分ぐらい経つと、両隣から、可愛らしい寝息が、聞こえてきた。
僕は、寝し静まった2人の顔を見て、改めて、自分が、幸せ者だと感じた。
僕は、可愛くてとても優しい2人に、好意を抱かれている。そして、明日、2人の想いに応える。
明日は、僕にとって大事な日になる為、直ぐに寝た。
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