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番外編最終話 ある荒れた大地で
しおりを挟むある荒れた大地の丘の上で、黒いフードを被った男が立っていた。
その男は、何処かを1点を見続けている。
その男の名前は、レオク。
何度転生しようが、レオクなんだ。
今回で、31回目の転生だ。
その男は、ほぼ全ての人生の記憶を持っている。
だが、1つだけ忘れている記憶がある。
その記憶は、1番最初の転生の時の森での記憶だ。
それ以外の記憶は、全て持っている。
その男の隣には、アルビノで、オッドアイのセレネという少女が必ずいる。
その少女とは、男が16歳の時に、必ず出会う。
例え、どんなところに居ようが。
魔窟と呼ばれる森の中でも、古城の中でも、氷山の中でも、灼熱の砂漠の中でも、無人島でも、どこでもだ。
それは、まるで、運命のように。
そう、男は、その少女に、運命を縛られているんだ。
だが、その男は、そのことを受け入れている。
何なら、そのことを喜んでいる。
まぁ、男は、その運命以外は、好きに生きている。
その少女以外とも結婚することも珍しくない。
男の妻の中には、何度もその男の妻になる少女もいる。
1番多いのは、クメリだ。
その少女は、前世の記憶は、少しだけ持っている。
この少女は、男の妻には、14回なっている。
大体、半分ぐらいは、男の妻になっている。
2番目に多いのは、ミネだ。
この少女は、前世の記憶を全て持っている。
この少女は、銀色の髪を腰まで伸ばし、青色の瞳を持っている。
セレネの変装姿ととても似ているので、大体、セレネの姉と間違えられることが多い。
なので、セレネと仲がとてもいい。
この少女は、男の4回目の人生から、男の妻となり、それからは、2回に1回は妻になっている。
他の少女達は、回数は、似たり寄ったりだが、記憶が無い。
なぜ、クメリとミネが、記憶が持っているかは、当人だけしか分からない。
男は、懐から、錆びた何かを取り出した。
それは、錆びた銃だ。
そう、その男は、必ず、銃を使う。
銃か銃に似た武器しか使わない。
その男は、その錆びた銃に誓った。
今度も君を守り抜いて、幸せにすることを。
そして、障害となるものは、この銃で、撃ち抜くと。
男は、その錆びた銃を懐にしまい、見ていたほうに向かって、歩き始めた。
砂ふぶきが、その男の姿を隠した。
砂ふぶきが止んだ時には、男の姿は、無かった。
その日から約2年後。
その男は、この荒れた大地の中で、数少ないオアシスの中で、住んでいた。
その隣には、白い髪を腰まで伸ばし、右目が赤色で、左目が青色をした女性がいた。
その女性の腕には、黒色の髪の毛をした赤ん坊が抱かれていた。
その赤ん坊の名前は、決まって、クロエだ。
何度生まれ変わってもクロエだ。
そして、決まって、この家族は、幸せになる。
今回の男の人生も幸せになるだろう。
いや、今回もその男の人生が、幸せなのだ。
まるで、その男の人生が、これまでもこれからも幸せになることが、世界が望んでいるようだった。
それを証明するように、その家族の周りには、花が咲き誇り、その花達が、風に吹かれ、その家族を包んだ。
それは、まるで、世界が祝福するようだった。
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