突然異世界に来ましたが、自分が好きな銃と共に好きに生きます

第九十二話 セレネを探す執事

 ゴミ掃除を終えてから、1週間が経った。

 今は、街の中で、日用品と食料品を買いに来ている。

 恋人達は、家で、女子会をしている。

 俺が、街で、買い物をしていると、後ろから、誰かに呼び止められた。

 俺が後ろを振り向くと、執事服を着た初老の男が立っていた。

 「失礼、あなた、このお方と歩いていた人ですよね？」と聞きながら、執事は、ある写真を出した。

 その写真には、カツラとカラーコンタクトを付けたセレネが写っていた。

 「え、ええ、知っていますよ」と、答えた。

 「そうですか。なら、聞きたいことがあるので、着いてきてもらっても大丈夫ですか？」と、執事が、聞いて来た。

 「ええ、大丈夫です」と、答えた。

 「良かったです。では、こちらに」と言い、執事は、何処かに行き始めた。

 俺は、何も言わずに、着いて行った。

 着いた場所は、レストランだった。

 そして、個室に案内された。

 俺達は、紅茶だけを頼んだ。

 「失礼ですが、セレネお嬢様とどのような関係なのですか？」と、執事が、聞いて来た。

 「セレネとは、恋人関係です」と、答えた。

 執事は、驚いた表情を浮かべていた。

 「もしかしてですけど、あなたは、セレネが塔に軟禁される前に、世話をしていた執事の方ですか？」と、聞いた。

 「え、ええ、そうです」と、執事が、答えて来た。

 「なぜ、あの塔から、セレネお嬢様を連れ出したのですか？」と、執事が、聞いて来た。

 俺は、あの時のセレネの状況と推察を話した。

 それを聞いた執事は、机を強く叩き、「そ、そんなことがあり得るか。私は、しっかりと指示したはずだ」と、怒りを露わにしていた。

 俺は、その言葉を聞いて、1つの可能性に辿り着いた。

 「失礼だが、あなたは、執事では無く、セレネの父親ですか？」と、聞いた。

 執事は、少し驚いた表情を浮かべた後に、「ああ、その通りだ。私は、ミネクレリ公爵家の現当主で、セレネの父親だ」

 「失礼ですが、何故、あの塔に、セレネを軟禁したのですか？」と、聞いた。

 セレネの父親は、全てを話してくれた。

 どうやら、セレネの叔父にあたる人物が、乗っ取りを計画していて、それから守るために避難させたらしい。

 セレネが15歳になった頃に、全ての問題が片付いたらしい。

 そして、セレネの誕生日プレゼントは、毎年送っていたらしい。

 これらのことを聞いて、この人は、セレネのことを愛していると分かった。

 俺は、「セレネのことを愛していたのですね」

 セレネの父親は、「当たり前だ。私の妻が残してくれた。忘れ形見だ」

 「1つ気になることがあるですけど、何故、セレネは、自分のことを忌子と呼んでいたんですか？」と、聞いた。

 「それは、私がいない間に、屋敷の人間と乗っ取り計画がしている奴らが、セレネに吹き込んだだけだ。私は、セレネがどんな容姿をしてようが、大切な娘だ」と、セレネの父親は、答えてくれた。 

 「これで、大体の事情は、話した。さて、そなたは、何者なのだ？」と、セレネの父親が、聞いて来た。