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第六十二話 雨降る路地裏
しおりを挟む俺は、裏路地に入り、装備を脱いで、冒険者の仕事の時の格好をした。
装備は、魔法袋に入れた。
それらの作業を終えると、雨が降り始めた。
俺は、フードを被り、家に向かった。
家に向かう途中、大通りを通るのでは無く、裏路地を通った。
家まで後5分というところで、裏路地に人影があった。
俺は、一応、直ぐさま撃てるように、ルガーLCPを抜いておいた。
その人影に近付いて、確認をした。
俺は、ルガーLCPをズボンにしまって、直ぐにその人影に近寄った。
その人影に、手が届く範囲まで、近付いた。
その人影は、壁に寄りかかっていた。
壁に寄りかかっている人は、15ぐらいの少女だった。
少女の綺麗だった青色の髪は、汚れ、着ているネグリジェも汚れていた。
「だ、誰ですか?パパとお兄様の追っ手ですか?」と、少女は、震えながら、聞いて来た。
「いや、俺は、違う。夜のランニング帰りの冒険者だ」と答え、少女に魔法袋から出した布を被せた。
少女は、「そ、そうですか。あ、布、ありがとうございます」
少女は、何かしらの事情があると考え、保護しようと思った。
俺が、少女に近付くと、少女は、体を震わせた。
「わ、私に、ち、近づかないで、く、下さい」と言い、少女は、両腕で、自分の身を守るように、縮こまった。
俺は、雨に濡れた地面に、膝を着き、「俺は、あなたに危害を一切加える気はありません。このままでは、あなたの命の危機になってしまうのです」
少女は、俺の行動を見て、怖がりながらも、頷いてくれた。
俺は、了承してくれたことを確認してから、少女をお姫様抱っこをして、家に急いで向かった。
少女は、まだ少し怖がっていた。
3分ぐらいで、家の中に着いた。
少女をどうしようかなと悩んでいると、クメリが、上から降りて来た。
「レオク、何処に行っていたの?」と、クメリが、聞いて来た。
俺が、答える前に、クメリは、俺にお姫様抱っこされている少女に気が付いた。
「えっ、レ、レオク、その子、どうしたの?」と、クメリが、聞いて来た。
「この子は、セレネと同じような事情持ちのだよ」と、答えた。
俺は、続けて、「セレネ、すまないけど、この子をお風呂に入れて上げて」
「うん、分かったよ。お風呂は、少しぬるいかもしれないけど、大丈夫だと思うよ」と言い、セレネは、俺から少女を受け取り、少女をお姫様抱っこした。
少女は、俺の方を見て、「あ、あの、ありがとうございました」
クメリは、少女をお姫様抱っこして、お風呂に連れて行った。
俺は、少女がお腹空いていると思い、キッチンに向かった。
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