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第二十四話 地元デート
しおりを挟む後期が終わり、長期休暇に入った。
僕達は、馬車を使って、実家に帰った。
父さんと母さんは、僕達のことを歓迎してくれた。
ふぅ、実家は、安心するよ。
あそこにいるだけで、疲れるからな。
今の寮は。
まぁ、それは、今、置いておこう。
今は、心を休めるとしよう。
緋月が、料理をしている時に、父さんと母さんに、緋月の料理のスキルが、5に上がったことを伝えると、肩を掴まれ、更に念押しされた。
逃すなと。
僕は、緋月を逃すつもりは無いよ。
あんなに可愛い緋月を。
3日ぐらい、実家で休んだ。
4日目からは、実家の外に出ることにした。
外に出る目的は、緋月とのデートだ。
僕は、緋月と何も目的も無く、散歩をした。
街の様子は、去年と殆ど変わっていなかったが、それでも楽しい。
緋月が、隣にいてくれるだけで、楽しいからだ。
僕達は、会話しながら、街を歩いていると、ふっと目に留まった。
教会が。
あ、そう言えば、この教会には、あの人がいる。
「緋月、少し教会に寄らない?」と、聞いた。
緋月は、頷いて、答えてくれた。
緋月が了承したのを確認してから、教会の中に入った。
教会の中には、司祭がいた。
「今日は、教会にどのようなご用で?あっ、もしかして、エレン君ですか?」と、司祭が、聞いて来た。
「はい、エレンです。お久しぶりです、司祭」と、答えた。
「はい、お久しぶりです。それにしても前とは、見違えました。ところで、隣の方は?」と、司祭が、聞いて来た。
「ああ、彼女は、僕の恋人です」と、答えた。
司祭は、少し驚いていた。
「エ、エレン様の恋人の緋月と申します。今後、お見知り置きを」と言い、緋月は、頭を下げた。
ちなみに、今の緋月は、魔法具で、角を隠している。
角が、出ていたら、何かと騒ぎになるからだ。
挨拶を終えた後は、司祭と少し話し、教会を出た。
緋月が、「とても優しい方でしたね」
「うん、とても優しい人だよ。あの人は」と、返した。
僕達は、散歩を続けた。
街の色んな場所を散歩したが、1つだけ行ってない場所がある。
そこは、赤色、いや、緋色の花畑だ。
何故か、そこに、緋月とは、まだ行ってはいけないと感じるのだ。
何の根拠も無いものだが、僕は、それに従った。
確かに、あそこに緋月を案内したら、とても喜ぶだろう。
でも、何故か、確証出来た。
来たるべき時に、行くほうが、緋月をもっと喜ばせると。
だから、あそこには、まだ行かない。
緋月と行くのは、いつだろうな。
もしかしたら、結婚式の日とか。
いや、待って。
確かに、緋月と結婚したいと思っているが、まだそこまでの関係に至っていないだろう。
そうだ。
ゆっくり行け、緋月に、嫌われるのだけは、嫌だからな。
1人で考え事をしていると、緋月が、心配したのか、僕の顔を覗き込んでいた。
その距離は、とても近かった。
どちらかが、近付けば、当たってしまう距離だ。
僕は、それに気付き、顔を赤くしてしまった。
緋月もそのことに気が付き、顔を赤くして、離れてしまった。
その後、なんか、恥ずかしくて、顔を見ることが出来なかった。
でも、離れないように、手を繋ぎながら、実家に帰った。
帰ってから、学園祭の時のメイド服姿の緋月の絵を両親に見せたら、可愛いと言っていた。
緋月は、恥ずかしいのか、顔を赤くしていた。
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