上 下
12 / 53

第十二話 紹介

しおりを挟む

 僕達は、今、僕の実家の前にいる。

 僕が、緋月の方を見てみると、緋月は、少し緊張していた。

 僕は、「緋月、大丈夫だよ。僕の両親は、全然厳しくないから」

 その言葉を聞いて緋月は、緊張が、解けたようだ。

 それを確認した僕は、ドアをノックした。

 すると、ドアが、開いた。

 開いたドアの先の玄関には、母さんがいた。

 「おかえりなさい、エレン。うん?エレン。その隣の子は?」と、母さんが、聞いて来た。

 「あ、えっと、彼女は、僕の恋人だよ」と、答えた。

 母さんは、驚いた表情を浮かべた。

 「エ、エレン様の恋人の緋月と申します。今後、よろしくお願いします」と言い、緋月は、頭を下げた。

 母さんは、奥に向かって、「あなた、エ、エレンが、恋人を連れて来たわ」と、大声を出した。

 すると、奥から、父さんが、走って来た。

 父さんは、緋月のことを見て、驚いた表情を浮かべていた。

 母さんと父さんは、色々と聞こうとしたが、まずは、家に上がった。

 そして、リビングに案内され、母さんが、紅茶を持って来てくれた。

 僕は、全員が、椅子に座ってから、喋り始めた。

 緋月と出会ったこと、擬人化のスキルのこと、緋月が鬼人であること、恋人になったことなどを話した。

 緋月が、鬼人である証拠として、変装用の魔法具を外して、僕の両親に、2本の角を見せた。

 僕の両親は、とても驚いた表情を浮かべていた。

 僕の両親は、驚きながらも緋月のことを受け入れてくれた。

 その話が終わった後、母さんは、家事を再開しようとした。

 緋月は、手伝うと言い、家事を手伝おうとしていた。

 母さんは、断っていたが、緋月の勢いに負けてしまった。

 母さんと緋月が、家事をやっている間、どうしよかと考えていると、父さんに呼ばれた。

 父さんに、鞄とお金とメモを渡された。

 買い出しに行けということか。

 緋月が、実家の家事を手伝っているんだ。

 買い出しくらい行かないとな。

 僕は、それらを受け取り、家を出て、買い出しに出かけた。

 懐かしさを感じながら、買い出しを終え、家に帰ると、何故か、玄関で、僕の両親が、待っていた。

 そして、いきなり僕の肩を掴んできた。

 「い、いきなりどうしたの?」と、聞いた。

 僕の両親は、その問いには、答えず、お互いに顔を見合わせ、頷いて、僕の方を見た。

 僕の両親は、真剣な顔で、「「エレン、あんな良い子を逃すなよ」」

 「ど、どうゆうこと?」と、聞いた。

 「エレン、緋月ちゃんが良い子すぎるの。私の家事もよく手伝ってくれるし、私よりも料理が上手いの」と、母さんが、答えて来た。

 父さんは、真面目な顔で、「そうだ。エレン、あんな子、2度と出会う機会はないぞ。何としても別れるなよ」

 僕は、両親の気迫に、頷くことしか出来なかった。

 両親は、そのまま、何処かに行ってしまった。

 家の中に入ると、緋月は、キッチンで、料理していた。

 僕は、料理している緋月に近付き、「緋月、料理しながらで良いから、家事系のスキル教えてくれる?」と、聞いた。

 「良いですよ。エレン様」と答え、緋月は、家事系のスキルを教えてくれた。

 僕は、緋月の家事系のスキルを聞いて、驚いた。

 緋月は、家事系のスキルの殆どが、4だった。

 えっ、嫁力高くない?

 す、凄いな、緋月は。

 戦闘も強くて、家事も出来る。

 そして、可愛い。

 そんな緋月の恋人の僕は、とても幸せ者だろう。

 その後で、緋月の家事スキルの高さを帰ってきた両親達に伝えると、絶対に逃すなよと更に念押しされた。

 僕は、緋月のことを逃がすつもりは、無いけど、更に決意が固まった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

排泄時に幼児退行しちゃう系便秘彼氏

mm
ファンタジー
便秘の彼氏(瞬)をもつ私(紗歩)が彼氏の排泄を手伝う話。 排泄表現多数あり R15

貴方の事なんて大嫌い!

柊 月
恋愛
ティリアーナには想い人がいる。 しかし彼が彼女に向けた言葉は残酷だった。 これは不器用で素直じゃない2人の物語。

おにぎり好きな天才放浪画家が、異世界転移で絵を実体化させる『画聖』の力を手に入れる話

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
今年が裸の大将と呼ばれる放浪画家『山下清』の生誕100年になるが、この小説の登場人物は同姓同名なだけで、本人ではありません。似たような人だと思ってくれると助かります。 ♦︎あらすじ♦︎ 白いランニングシャツに薄茶色の半ズボン、黒い鼻緒の二枚歯の下駄をカランコロンと鳴らして、山下清は田舎道を歩いていた。目的地は決めていない。目的地は突然決まるものだ。 田舎道で出会った農家のおじいさんに、山の中にある白鳥が立ち寄るという秘境の湖を教えられて、清は喜んで山登りを始めた。 山の湖から流れる川を目印に進んでいくが、途中で急な雨に襲われてしまった。山の天気は変わりやすいから仕方ない。その結果、複数の川が出現してしまい、清は山で遭難する事になってしまった。もちろん初めての遭難ではない。冷静に対処する事が出来る。 まずはリュックサックから水筒を取り出して、飲み水を確保した。次に食糧になりそうな青いとんがり幻覚キノコを数本採取した。食べても死なない弱めの毒キノコだ。よく焼けば大丈夫だと清は判断した。 だが、よく焼いても駄目な物は駄目だ。清は幻覚状態になってしまった。雨が降る中を赤い傘を差して、湖を目指して、なんとなく見える気がする道を歩き出した。もちろん幻の道で、湖には絶対に辿り着けない。 でも、洞窟に辿り着いてしまった。その洞窟に入ると、麦わら帽子を被った骸骨を見つけた。骸骨の側には虫網と虫カゴがあり、虫カゴにはカブト虫の残骸が入っていた。虫取りに来て、遭難した人間で間違いない。未来の清の姿だ。 幻覚状態の優しい清は骸骨に紅白饅頭の絵を渡して、マッチを線香代わりに供養した。そのマッチの明かりで、清は洞窟の奥に白い雲のようなものを見た。骸骨から麦わら帽子と虫網を借りて、清は洞窟の奥を目指した。そして、長く白い雲を通り抜けて、清は異世界にやって来てしまった。

ズボラ通販生活

ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました

竹桜
ファンタジー
 いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。  だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。  そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。  これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

ちょっっっっっと早かった!〜婚約破棄されたらリアクションは慎重に!〜

オリハルコン陸
ファンタジー
王子から婚約破棄を告げられた令嬢。 ちょっっっっっと反応をミスってしまい……

処理中です...