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第十一話 かつての戦い
しおりを挟むマザリーズ共和国に到着した私はへリバリーという名前を名乗っていた頃に装備していた物に身を包んだ。
そのまま、私は演説するための高台に登った。
その高台からは今回のスタンピードに参加する者達を見下ろせることが出来たのだ。
下にいる者達は私の姿を確認するとざわめきが起きたのだ。
それもそうだろう。
スタンピードを止めた英雄がいるのだから。
そのざわめきはどんどん大きくなっていく。
だが、私が静止の為に右手を挙げると一瞬で静寂が訪れたのだ。
「まずは感謝させて欲しい。この命懸けの戦いに身を投じてくれて」
そう言い、私はロングソードを抜いたのだ。
「前回のスタンピードを戦い抜いた私がいるのだ。今度も必ずこの国を守れる」
そう言い、私はロングソードを上に掲げたのだ。
「武器を上げろ」
その言葉と共に下にいる者達、いや、この戦いに参加する者達は各々の武器を上に上げたのだ。
「これから我々は戦い、必ず勝利するぞ。雄叫びを上げろ、戦士達よ」
そう言い、私はそのまま雄叫びを上げた。
上げるために。
周りと自身の士気を。
周りの者達は私に続き、各々の武器を上に掲げながら雄叫びを上げている。
その雄叫びは地を揺らす程の大きさまでになっていた。
雄叫びを上げていると鐘の音がなり始めたのだ。
鐘の音に鳴りかた的にスタンピードの接近を知らせている。
「どうやら、スタンピードが近付いているようだ。戦いの時間だ」
そう言い、私は高台から飛び降り、そのまま地面に降り立った。
「これより突撃をする。私に続け」
そう言い、私はロングソードを持ちながら、外壁、いや、スタンピードに向かって走り出した。
それに続き、戦士達も突撃を開始したのだ。
士気が高いまま。
私達が城門を出ると私達から見て1キロ地点まで砂煙が迫っていたのだ。
近いな。
だが、関係無い。
これから突撃し、ただ戦い続けるだけだ。
そんなことを思っていると私達の頭上が大量の矢や魔法が通り過ぎたのだ。
やがてその攻撃はスタンピードに到達した。
その攻撃を多くの魔物達の命を奪ったが、まだまだ数がいる。
遠距離攻撃が飛ぶ中、私達はスタンピードの魔物達と衝突した。
私はロングソードで目の前にきた3体の魔物を切り捨てた。
それから、私は、いや、私達は戦いに身を委ねた。
それから時が経ち、夕日が戦場を照らしている。
スタンピードの魔物達の死体が地面に転がり、ボロボロの戦士たちを。
そんな中、私は魔物の死体の山の上に立ち、所々欠けているロングソードを上に掲げたのだ。
「戦士達よ、我々の勝利だ。勝鬨を上げろ」
私が勝鬨を上げるとこの戦いに参加した者達は各々の武器を上に掲げ、勝鬨を上げたのだ。
その勝鬨がおさまるのは夕日が完全に沈む頃だった。
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