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第六十一話 明日を生きるために

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 そして、神々の審判から1ヶ月が経つ。

 この日、過去の全てを許し、人類は団結したのだ。
  
 そこには差別も無い。
 
 団結した人類は1つの目的の為に剣を抜き、かつて信仰していた神々に剣を抜けたのだ。

 その中には神々に仕えていた神官すらもいる。

 そして、その神官達は121神のそれぞれに仕えていたが、今はたった1神だけに仕えている。

 唯一人類の味方になると決断した女神。

 クリース神。

 私達、人類はクリース神の元に団結したのだ。

 団結した人類が望んでいることは明日を生きるためというだけだ。

 そんな望みを叶える為の戦いが開戦しようとしている。

 そんな開戦の号令を出したのはクリース神だったのだ。

 「人類よ。これは聖戦ではありません。これは人類、いえ、この世界の者達が明日を迎える為の戦いです」

 クリース神はかつての同胞の方を向いたのだ。

 「それでは参りましょう。明日を生きる為に」

 その声が終わると同時にこの戦いに参加する者達は咆哮を上げたのだ。

 それと同時に私達の体は優しい光に包まれる。

 その優しい光に包まれた後、私達の体の奥から力が湧き出てきたのだ。

 「これは私の加護です。私は貴方方と共にあります」

 その言葉に更に咆哮を上げたのだ。

 人類は。

 咆哮を上げた後、人類の初撃が放たれる。

 それは矢や魔法などの遠距離攻撃だ。

 その遠距離攻撃に、神々は明らかに舐め腐っている。

 まぁ、そうだよな。

 神器がなければ、傷つくことが無いのだから。

 慢心とは恐ろしいことだな。

 そんなことを思っていると人類の初撃が神々を襲ったのだ。

 ここで、神々が予想にしてなかったことが起きる。

 人類の遠距離攻撃が効いたのだ。

 その事実に神々は痛みを押さえながらも啞然とした表情を浮かべていた。

 そんな神々を倒すために突撃を指示していく。

 その指示に従い、人類は神器となった武器を持ち、神々に向かって突撃を開始する。

 その中には私も含まれている。

 いや、含まれているではないな。

 突撃の先頭にいる。

 だから、1番最初に会敵するのは私だ。

 私は手投げ斧を両手に持ち、体勢を立ち直そうとしている先頭にいる神に手投げ斧を投擲する。

 私が投擲した手投げ斧は先頭にいた2体の神の頭に命中し、命を奪ったのだ。

 命の灯火が消えた2体の神はそのまま地面に倒れたのだが、手投げ斧は壊れてしまう。

 なら、これだ。

 私は魔法袋の中から斧を取り出す。

 そして、その斧を走りながら、右手だけで横に大きく振ったのだ。

 そのまま勢い良く投げる。

 すると、投げた斧はひと回り大きい神の体を真っ二つになる。

 これで、3体の神が死んだ。

 後は117体だけだ。

 いきなり、3体の神が死んだ神々は明らかに狼狽えている。

 この状況を人類は逃すことはなく、突撃し続ける。

 そして、人類と神々は接敵したのだ。

 戦いは人類の優勢だ。

 神々は一人一人の能力は高いが、神器で武装している人類は数が多い。

 まぁ、士気もあると思うが。

 神器で神を殺せると分かった人類の士気は高いのだ。

 逆に人類が神器を持っていることで、死ぬ可能性が出てきたことで士気が低い。

 そんな状況だが、戦いは激しくなっていく。

 状況は優勢なのだが、戦いの為、死ぬ者も当然出てくる。

 そんな戦いの中、私の前に立ち塞がったのは神々の審判を言い渡した神だ。

 「愚かな存在よ。何故、お前達は高位な存在である我々に抵抗するのだ?」

 「簡単なことだ。私達、人類はただ明日を生きるために戦っているだけだ。それ以外に理由はいらない」

 私はクリース神から授かった神器である斧を構える。

 構えたのだが、目の前にいる神は襲い掛かった来ていたのだ。

 卑怯だし、遅い。

 私は右手で斧を振り上げ、振り下げたのだ。

 神は何とか避けていたが、大きな隙を作り出すことになる。

 本当なら上に振り上げるのだが、一撃で決める為に違う選択をとる。

 その時、既に私の左手でトマホークを握っていたのだ。

 トマホークを腰で抜き、横薙ぎで払う。

 それと同時に斧を振り上げたのだ。

 その結果、下からは神器となった斧が振り上げられ、横一閃にトマホークが振られている。

 その攻撃を避けることが出来ない神はそのまま攻撃を受けることになる。

 その攻撃を受けた神は体が4分割になり、そのまま命を落としたのだ。

 これは返しと居合い切りの合わせ技。

 十字切り。

 私は4分割になり神だった死体を見た後、戦場だというのに私は空を向く。

 雇われ者よ。

 貴方の技は神を殺した。

 それは紛れもない事実だ。

 誰にも否定出来ない。

 そんなことを思っていると私は後ろから斬り掛かれたので、その神の腕を斧で斬り落とす。

 そして、私は戦いに戻る。
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